2.ライアン・ゴズリング&ラッセル・クロウの主演コンビのキャラクター性はユニーク。
ライアン・ゴズリングのクソ野郎ぶり、ラッセル・クロウの無頼漢ぶり、それぞれがこれまでの数多の主演映画で見せてこなかった“顔”を喜々として演じており、愛すべきキャラクター像を表現している。
そして、彼らのキャラクターとしての立ち位置も、過去の“バディもの”映画にはないスタンスで、絶妙なバランスを見せてくれている。
バディものとして世の好事家たちから好評を得た要素は理解できる。
けれど、ノワール調のストーリーテリングがとっ散らかっており、語り口があまり巧くない。
加えて、主演コンビが結束するに至るプロセスも今ひとつ曖昧で、軽妙な掛け合いに乗り切れなかったというのが、正直なところ。
結果彼らは“チーム”となるわけだが、次回作製作に向けての期待感や高揚感が、個人的に殆ど得られなかったことは、この手の娯楽映画として痛い。
オーストラリア出身の若手女優アンガーリー・ライス演じる娘ちゃんは大変キュートだったけれど。
主人公コンビは勿論、敵役、脇役含めて登場人物たちのキャラクター性は総じて魅力的だっただけに、映画全体のチグハグ感がつくづく残念な仕上がりだった。