3.心に染み入る。
まるで実写を画に起こしたような繊細画像、自然が映る背景など画面全体のどこも微妙に揺れ動いている、凄い。何か特殊な手法でもあるのか?例によってカットバックの雲もモクモク動いている。登場する人物以外は通行人でさえリアルに描く、話に関わる者だけが感情の多いアニメチックになりよく引き立っている。
以前ポニョを観た時もそうだったが前半部、特に感動するシーンでもないのに涙が溢れてくる、何故だか自分でも解らない。
シングルマザーの子育て記と言ってしまえばそれまでだが、気持ちが入ってしまっているこちらは、はしゃいだり、困ったり、悩んだり季節が移り変わる風景と共に気持ちが昂る、そして雪と雨の成長による変化を感じ「あぁこれは別れが来てしまうんじゃないか、もっと観ていたいのに~」と思い結論を待たず、すでに目頭が熱い。
観終わって思うが、悪い人が出てこない上に、花、雪、雨、の他に村人にも感情移入している自分がいて、それぞれの立場で苦悩や楽しみ、応援までしている。
完全にやられちゃった感満載の良い映画でした。エンディング曲にサマーウォーズぐらいの余韻があれば完璧だったのになぁ。