1.《ネタバレ》 昨年観た映画の中でも鮮烈な印象を残した映画のひとつでした。
LGBTQという括りを超えて、火・炎の情熱に喩えられる成就できない愛ゆえの高まり、それゆえの切なさを鮮やかに描いた映画だったと思います。
それと同時に、絵を描くという行為における、対象の何を捉えて描くのかという画家の命題にも迫っていたと思います。
ラストのショットはその正に何を捉えるかという事が結実しているように思いました。
狂おしい恋を音化したかのようなヴィヴァルディの夏の音楽が鳴り響く中、
決してこちらを見ることのないエロイーズの横顔を捉え続ける。
これこそがこの映画の最も哀しく美しい瞬間だったと思います。