2.格差社会を表現したSF映画でしたが、僕はそんな要素よりむしろ、単純なSFアクション映画として楽しめました。ダメな人が真価を問われる状況に追い込まれる展開ってので、「第9地区」を思い出しましたが、なるほど同じ監督さんでしたか。中東の雰囲気とSFを融合させたような世界観が魅力的で、SFなのに、どこか紛争映画のようなリアルさが感じられた点も良かった。脇役も魅力的で、主人公のマックスが最終的な決断を下す要因となった病気の娘を抱えた母である幼馴染の医者のフレイをはじめ、ジョディー・フォスター演じるエリジウムの支配を目論む非情な高官デラコート、その雇われ始末屋である日本刀で武装して狂気を宿すクルーガー、エリジウムヘの密入国を斡旋する組織のリーダーであるスパイダー、マックスの務めるアーマダイン社CEOでありエリジウムの設計者のカーライルなど、それぞれの人物の思惑が物語の進行を導く展開がしっくりきます。僕は出番は少ないですがマックスの悪友のフリオがなんか良かった。単なる悪友だと思っていたら、意外とマックスのことをちゃんと考えていて。腕にIDを焼き付ける機械や、警備アンドロイド、地上から宇宙船を追尾するロケットランチャー、肉体に直接つける機器などガジェットもなんか兵器臭くて好きです。脳のデーターをシンクロさせるシーンも、Ipadなんかを同期させるのに似ていて、なんか萌えました。