1.なんか違う。乱歩の原作を読んでいないので、どれがより原作に近いものなのか答えは出ないし分からないのだが。
少なくとも清水美砂が主演だった人間椅子(1997)にはまだ面白さがあった。
面白さというか、そこには、乱歩独特の雰囲気がほど良く漂い充満し、見てはいけない想像の世界を見せられてしまうんではなかろうかっていうような危険さを感じさせる何かがあった。そこに妙な空気が張り詰め、緊張感すらあった。一つ一つのアイテムにしてもそう、まずは一番重んじられるはずの 『椅子』 というものには充分すぎるほどのこだわり感があったように思えた。例えばその椅子、家具職人が手間隙掛けて作り上げたような立派な一脚であったし、今で言うエグゼグティヴチェアと呼ばれるような気品めいた本格嗜好の立派な革張りのお椅子であった。とにかく 『椅子』 。そこが話の基本であった。なのになぜ‥ ‥ どうしてこうも変な出来になってしまったんかいな‥ なぜにあんな安っぽい椅子を使い、そこにこだわりを見せなかったのか‥ 正直、言っちゃ悪いがカスな作品でしたね。カスもカスでカスの大王のような出来栄えだったね。もひとつカスのランクを上げるならカスの大魔王のような出来栄えだったね。まあとにかく書いてて次第に腹が立ってきてしまった。怒ると損なのでもうやめた。宮地真緒にしても中途半端な使い方をしおってからに。 いっそ彼女のゴミ収集家という変な癖にズームアップしてくれたほうがよっぽど楽しめたはずだったろーや。 まあね カスの大魔王に何を言っても無駄なんでしょうが とにかく乱歩の世界の気高いイメージを茶化し粗末に扱ってしまった その罪は重いねぇ・・・