1.《ネタバレ》 氷上で抱き合う男女の画が美しい!!
こんなに美しい画を観たのは久しぶりだ!
、、の感動はそのシーンだけで、終りに近づく程その感動は薄れていった。
なぜって、二転三転させるために技巧にはしった脚本と、観ている者を飽きさせまいとする演出がハナにつくからだ。
でも、考えてみると、そもそも“愛”というものをテーマに掲げていながら、題材自体に無理がある。
というのは、女が男を捨てて名声を得ようとした時点で、この男女間の“愛”というものは取り返しのつかないエンディングを既に迎えていただろうからだ。
しかも、後で空港で思い直したとは言え、男は女に復讐をしたからだ。
おまけに、監督と女との関係も、“寂しいから”“女優になるため”というのが付き合い始めた動機であるし・・・
つまり、登場人物全てに“愛”を語る資格のない者ばかりが出てくるのだ。
これはひとえに、ストーリーを二転三転させて脚本をひねろうとしたこと、そして、ミュージカルとの融合をはかるためにスタイリッシュさを重視したこと、これらが原因であると思われる。
ただし、美しすぎる氷上での抱擁シーンは、不覚にも心を打たれたので、それなりの評価はしたい。