1.《ネタバレ》 物質的、経済的に恵まれた人が陥りやすい悩み。上流階級の女性の抱える空虚感や生存目標の喪失。人間はなぜ生きるのか。など、意図したいことはなんとなく分かるのですが、映画においてまでこんな答えの出ない哲学的難題を考えたくないというのが本音です。そもそも自分はこんなことに悩むんだったら好きなことをやってた方が時間的に有意義だと考える性質でして。それならば映画をみよう→この映画→無限ループ・・・。これじゃ鬱病になってしまいます。ヴィットリアも愛の不毛さに悩んでるくらいなら、汗掻いて運動して、身体を使って働くことをお勧めしたい。またこの映画は、物語として語ってくれるのなら許せるのですが、それさえも殆ど放棄してるのでちょっと辛かった。ただし、映像は本当に素晴らしいので最後まで見ることはできます。ソフィスティケイトされていて、人工的に完成された美を見ているよう。ドロンとヴィッティの二人も完璧。同じ人間とは思えません。これだけでも観る価値はあると思います。その一方で、完成された美そのものが内包する特有の怖さも感じました。こういうものは映画でたまに眺めてるくらいが丁度良いですね。映像的満足は得られたのでこの点で。