1.《ネタバレ》 「バルジの戦い」に於いてバストーニュで包囲された「バンド・オブ・ブラザーズ」の米第101空挺師団を描いた作品です。ただその視点は限りなくミクロで、一分隊10人前後の登場人物の眼を通して物語は展開します。フランスでクリスマス休暇を楽しむはずだった彼らは、「ドイツ軍が攻撃してきた」と聞かされただけでアルデンヌの森に送り込まれます。末端の兵士である彼らには、戦況がどうなっているのかさっぱり分からず、ドイツ軍の砲撃にさらされながら雪降る森の中でタコつぼを掘って懸命に戦います。全編派手な戦闘シーンはほとんどなく、サスペンスになりそうな史実通りのエピソード(米軍に変装した独特殊部隊に遭遇したり、降伏勧告に来た軍使に“Nuts!〔馬鹿野郎〕”と師団長が返答して追い返したり)もありますが、脚本はあえてサラッと流しています。その分人物描写が的確で、戦場での日常がリアルに描かれていました。軍曹役のジェームス・ホイットモアはオスカーにノミネートされていますが、この人若い時からこんな顔してたんですね。とても30前とは思えないおっさん顔でした。