10.多くの人々の人生を滅茶苦茶にした赤狩り。仲間や他人を売る事を強要する腐れ外道に尻込みして物言えぬマスコミの中で真っ向勝負を挑むマロー。こういう人がいたのを初めて知り、その勇敢さにひれ伏すばかりです。デヴィッド・ストラザーンに見惚れ聞き惚れました。 硬派に過ぎた作りに物足りなさも感じたところです。 |
9.《ネタバレ》 吹き荒れる赤狩り旋風に対抗したメディア、その一箇所だけに視点を据えての舞台劇のような味わい。地味といえば地味。敵と直接対峙してのクライマックス、というありがちな場面も無いですし。 ただ、主人公のTVマン マロー氏の民主主義の理念に基づいた言葉一つ一つがとてもかっこ良いのです。思想の自由を揺ぎ無い信念と矜持を持って淡々と言葉にするエド・マローその人がまんまアメリカの理想の象徴のようでした。デビッド・ストラザーンはハマリ役です。 チャラいイメージのG・クルーニーがモノクロの色彩に意外や溶け込んで味のある脇に徹しているのも斬新です。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-12-03 17:11:16) |
8.《ネタバレ》 ニューシネマ的なエンディングはいいですね。顔を正面から捉えたショット=観客に向けたメッセージが多く、ジョージ・クルーニーが現代社会をどれほど嘆かわしく思っているかが伝わってきます。 彼らのスタジオや会議室は密室です。これは彼らが権力から常に圧力を受ける弱い存在であることを示しています。そして、CBSの社長が登場するシーンでは、彼の顔には複雑な影が現われますが、マローの顔は一方向からの照明を受け、明暗がはっきりと現われます。これは彼らがどのようなキャラクターとして設定されているかを如実に表す演出ですね。わざわざ白黒映画にしたのは、照明の明暗を効果的に使いたかったからでしょう。現在ではいいイメージを持たれないタバコの煙も、マローの内面から沸き上がる善意や抵抗心を表す重要な美術装置として機能しています。 社会派監督としてのジョージ・クルーニーの力量がうかがい知れる映画だと思います。しかし、娯楽としての面白さには欠けるので、点数は低め。 【カニばさみ】さん [DVD(字幕)] 6点(2017-01-20 10:13:26) |
7.再現ドラマ的で、ニュースフィルムを使った部分の興奮を超えるところはなかったけど、時代の気分は味わえた。それはつまり赤狩り時代の気分であり、後世にとってはこの21世紀初頭の記録になっている(つまり赤狩り時代を検証したくなる社会情勢だったということ)。アメリカ映画はよくテレビ界をテーマにしており、単に映画界のライバルとしてのやっかみを超えて、大衆批判としての意義を持っている。あれは偉い。本作でも、ついにマッカーシーに勝った番組を持ち上げるものの、それもクイズ番組には勝てずゴールデンアワーを追われていくの。 【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-10-18 10:02:28) |
6.こういうタイプの映画が大好きで、ジョージクルーニーにも期待していたのだが、そこまで期待に応えてくれる映画ではなかった。 【みんな嫌い】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-11-13 23:23:08) |
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5.派手な映画への出演が多いからか、ジョージ・クルーニー、必要以上に渋い映画を作って知的アピールに出ている。時折ちょっとだけ流れるジャズ以外は音楽も無く、報道に自らを掛ける男達が喋ること喋ること。実際の事件を下敷きに、ジャーナリズムかプロパガンダかのせめぎ合いは見応えがあった。けれど、挿入された事件当時の映像が一番盛り上がって目を惹くというのは、映画としてどうなんだろう。話の流れも王道で、次に何があるか解ってしまう。渋くて大人だけど実はプロトタイプ。クルーニーそのものか。 【のはら】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-04-27 22:11:39) |
4.広告主がいるので経済界には逆らえないし、免許制だから行政には逆らえないし、TV業界の限界をあらためて認識したな。まあ規制に守られてヌクヌクと商売できる業界だって事は間違いないわけで、ちょっと株か買い占められると大騒ぎするのは見ていて滑稽なだけだな。 |
3.《ネタバレ》 赤狩りについて、描かれてる映画なんですが 主人公は当時は誰も物言えぬような雰囲気の中で 自分の考えを貫き発言して、非常にかっこいいとは思ったんですが ちょっとエンディングが拍子抜けというか まあ、史実がもとなんでこんなもんと言えばこんなもんなのかもしれないが マッカーシーがどうなったかや、それを主人公がどういうふうに見たか なんてのがあればなあとは思いました 【よしき】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-02-12 20:50:20) |
2.マスコミの役割ってのはこういうことですな。にしてもテレビキャスターの煙草プカプカには驚いたなー。 【すたーちゃいるど】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-02-03 21:17:59) |
1.映画の出来としては、とても良いと思います。舞台設定も人物描写も、最小限にまとめてあって、派手に主張するようなくどいセリフやあざといシーンもなく、丁寧な抑えられた演出と演技に好感が持てました。個々のキャラクタの人間関係がほとんど説明がないので、普通のドラマとして観てしまうと、流れの読めない映画とも思われてしまうかもしれませんが、最後まで観るとあまり気になりません。しかし、テーマがよくある「メディアの正義」で、想像した程度にしかストーリーが展開しないので、退屈な映画でもありました。 【かねたたき】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-03-31 17:04:26) |