1.公平なふりをして結論を回避した、って感じもある。こういう問題に結論は不要なわけだが、独自の意見というか、どうしたらいいんだろう、って方向でもう少し作者の姿勢ってのが見えてもいいんじゃないか。ボケ老人を抱えたことで崩壊しかけていた家が立ち直った、ってだけじゃ、ちょっとノーテンキすぎる。おそらくボケ老人を抱えたために家が崩壊したケースのほうが多いんだろうから。施設の描き方が悪者すぎて、そこらへんの整理の仕方が問題の扱いを単純にしていた。「だんだん悪くなっていく」ってところはやはりスリリングで、数字を反対に言わせるとこで、不意に年号がほとばしるあたりおかしい。こういうところ、笑っちゃいけないのかな、とちょっと緊張するが、人間の不可思議さということで、笑っていいんだろうな。