1.いい意味では元気のある大林監督らしい意欲作品、悪い意味では収拾が付かないてんこ盛り作品。当時のCMや角川作品のパロディをバンバン入れちゃう無節操振りで、あの007のパロディ「カジノロワイヤル」を想像していただければいいです。キャストは贅沢で、岸田森は「血を吸う~」シリーズそのまんまのドラキュラ役で登場したかと思うと、世界の三船にはハゲあがった金田一役で登場。しかも横溝正史本人も登場させ「こんな作品には出たくなかった…」と言わせ笑えます。ただこの作品のホントのテーマは横溝正史が描く金田一耕助自身の人物描写で、犠牲者を結局救えない無力感や名前だけが先走って本人自身を見てくれていない悲しさを表現したかったのではと思えます。ラストではすごいオチと共にそれが切なく表現されてます。