4.キアヌ・リーヴスによるキアヌ・リーヴスのための“キアヌ・リーヴス映画”として、彼のスター俳優たる所以を世界中の映画ファンに再発見させたハイテンション殺し屋映画第二弾。
52歳(今作公開当時)になるこのハリウッドスターが放つ魅力は、まだまだ底知れない。
プロットだけを観たならば荒唐無稽なジャンル映画に過ぎないこのアクション映画が、第二弾にして多くの映画ファンに愛されるシリーズになり得ているのは、一にも二にも、キアヌ・リーヴスという主演俳優に対する揺るぎない「信頼感」があるからだ。
そのクールで容姿端麗な佇まいとは相反する「馬鹿」がつく程に熱狂的なアクション映画フリーク魂が、「ジョン・ウィック」という映画とキャラクターには満ち溢れている。
世界中の“ボンクラ”な映画ファンにとって、キアヌ・リーヴスという映画人は、遠い世界のスーパースターではなく、共通した嗜好を持った信頼できる「同志」として映っているに違いない。
前作の“5日後”から始まる今作は、序盤から文字通りのフルスロットルを見せる。カンフーならぬ“カー・フー”で破天荒なカーアクションを繰り広げ、早速色んな意味でズタボロになる始末。
このアバンタイトルは、「分かってると思うケド、コレはこういう映画だ!」と堂々と宣言しているようだ。
宣言通りに“殺し屋ワールド”はフィクションの世界観を益々侵食し、何が現実か分からなくなってくる。
終盤の或る場面などは、完全に「マトリックス」の世界だ。
四面楚歌の世界の只中で、あてもなく逃走を始めるジョン・ウィック。
次作はいよいよ大量の“エージェント・スミス”が追ってくるんじゃなかろうか。と、本気で思う。
だって“モーフィアス”も居ることですし。今度は大量の銃火器をズラリと提供してくれるに違いない。