1.監督が何を言いたかったのかよくわからなかったが、戦争と対立の理不尽さを訴える映画というよりは、現地の子供たちの普段の顔を世界の人に披露しようという映画のように見えた。僕のイメージだと、飢えと地雷に脅え、ぼろぼろのシャツや女の子なら頭からすっぽり布で覆っていて、大人たちと同じく「復讐!」とか叫んでいるのかと思っていた。しかし先入観とは違い、彼らはとても朗らかだった。印象的だったのは、10分ぐらいで着くような近所なのに話すことすら考えられなかった対立する民族同士の子供達、監督の提案でお互い会って遊ぼうということになり、検問所(⇒この存在が諸悪の根源ではないかと感じた)を越えてお家に行く。そこで食事したり遊んだりするわけだが、字幕は敢えてかはしらないが入らなかった。楽しそうにじゃれあう子供たちの顔を、話の内容なんてかまわずみせていた。これがとても感慨深かった。その後に机を囲んでリアルに対話を始める。別れが寂しくて涙を流す。きっともうしばらくは(検問所のせいで)逢えなくなるのだ。とにかく、子供たちがキャーキャー遊んでいる姿を見ると、どの子がどっちの民なのかなんて区別つくはずない。ここになにか長い長い喧嘩の解決の糸口があるんじゃないかって思った。