1.終焉のオーストリア帝国の皇太子ルドルフと令嬢マリーとの悲恋を描いた一作で、初めて観たのは、まだ学生の頃で、その頃は、なんでか知らないが、TV向け御正月映画の定番だったと思う。その頃は、悲恋の御話をロマンティックに観ていただけだったけど、今、改めて観ると、新しい発見にビックリ。本作序盤で、皇太子ルドルフが父皇帝フランツ・ヨーゼフと会話するシーンでは、室内の壁に皇后エリザベートの、後世にも伝わっている肖像画が、しっかり掛かっていた。シシィが自慢の髪を胸前で交差させている肖像だが、今まで、全く気付かなかったのは、それまではエリザベートのことには関心なく観てた証拠。だから、今となっては、もう少し当時の社会情勢に踏み込んで描いても? と思うのだが、そうなると1時間30分枠では、辛い。舞台を思えばカラーで観たいなぁ。ダニエル・ダリューが、物言いたげな瞳と唇が印象的で、何より綺麗である。