4.《ネタバレ》 もう長い死でしかない。時間をかけた自殺といってもいい。それを縦軸に、変態が妄想する最高の変態の具現が横軸に、話が進む。この映画のエロスに人間の中身なんか必要ない(名前を言わない事が象徴、鏡が汚れているのもそうか)。愛が必要ないといってもいい。外見の格好良さもいらないだろう(男はおじさんだし、女は滅茶苦茶美人という訳でもない。部屋にインテリアはない)。ただただ純粋なエロスの姿。若い方がこの映画を分かろうっていっても無理。分かった方も分かったような自分に酔っているだけ。中年以上の、自分の人生の先が見え、しかも、変態の男しか、分からないのだと思う。どうも、私はそうであるようだ。