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太陽はひとりぼっち

[タイヨウハヒトリボッチ]
The Eclipse
(L'eclisse)
1962年上映時間:124分
平均点:6.30 / 10(Review 23人) (点数分布表示)
公開開始日(1962-12-19)
ドラマモノクロ映画ロマンス
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タイトル情報更新(2022-02-24)【イニシャルK】さん
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監督ミケランジェロ・アントニオーニ
キャストモニカ・ヴィッティ(女優)ヴィットリア
アラン・ドロン(男優)ピエロ
フランシスコ・ラバル(男優)リカルド
ルイ・セニエ(男優)ピエロの上司
脚本トニーノ・グエッラ
エリオ・バルトリーニ
ミケランジェロ・アントニオーニ
音楽ジョヴァンニ・フスコ
撮影ジャンニ・ディ・ヴェナンツォ
製作ロベール・アキム
レイモン・アキム
配給日本ヘラルド
あらすじ
イタリアの巨匠、ミケランジェロ・アントニオーニの“愛の不毛三部作”の一つ。乾いた都会を背景に、意思疎通の不可能性を描いた哲学的とも言える作品。主演はアントニオーニ作品のミューズ、モニカ・ヴィッティ。相手方に“世紀の美男子”アラン・ドロン。モノクロ映像は極めて美しく、アントニオーニ監督の代表作の一つである。
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3.《ネタバレ》 極めてシステマチック。極めて論理的。この映画は見事なほどソナタ形式の音楽として「聴ける」。この、全体を統一する伽藍のような美を心行くまで堪能しました。
普段はアート系映画を観る際、自分の「画を観る能力のなさ」に悲しくうなだれてしまうワケなんですが、今回ばかりは「まだオイラにゃ構成を聞く能力があらァね」って自信持っちゃったよ。

というワケでいきなりネタバレ解説ですが、全体はソナタに倣って3部構成+プロローグ&コーダになっています。序盤(序奏)/1日目(提示部)/2日目(展開部)/それ以降(再現部)/最後の夜(コーダ)、という分かれ方ですね。
主題は自然的・非論理的・女性的な世界観と、都会的・合理的・男性的な世界観に分離されてます。それぞれを背負ったキャラクターとして、ヴィットリア(モニカ・ヴェッティ)とピエロ(アラン・ドロン)が配置される、と。
第一主題と第二主題が交互に現れては呼応しあって、互いの距離を近づけて行く。これはまさにクラッシックでのソナタの構築法であって、一番盛り上がるお約束になっている展開部が「株大暴落とその後」に当たっているあたりニクいニクい! 二つの主題は共にビシッと立ちすぎていて、両者が変奏を重ねてひとつのメロディに繰り込まれても多分楽しくないだろうな…と大体予想がつきます。
このあたりはセリフを聞く必要もストーリーを追う必要も全然なし! なぜなら画面いっぱいに広がる、雲や、路上の雑踏や、犬たちの群れこそが重要な劇伴となって主題を装飾し、流れをサポートしているからです。
一番判りやすい雑踏を例に挙げると、最後の方で「また会おうね~」と言って別れた二人。ヴィットリアが屋外へ出ると、息の詰まりそうな雑踏に呑まれてしまう。彼女がいる世界の路上は、提示部では常に無人でした。「無人」という、言い換えれば「ゆとり」という伴奏が、画面で彼女をサポートしていた。第二主題との掛け合いによって「彼女の画面」の装飾はどんどん崩れていく。路上にはチラホラと人が登場し始め、いつのまにか息も詰まるほどの雑踏になって彼女を圧倒し…これと同時に、電話でリズムを律せられていたピエロが電話を受けなくなるのを描き、彼の主題世界も崩れた事を現します。

画面そのものが伴奏であり、主題であり、それが古典的な美しい構成をもって、決められた手順通りに反復され、予定の結末(この映画の場合は和声崩壊)に至る。この、病的なくらいのクラッシックな完全性は、何というかラストに訪れるメランコリーな演出を帳消しにしてしまうほどに美しい。わくわくと胸躍らされるモノがあるのですわ。
予想通りの場所で「FIN」が出た時、初めてサン=サーンスの『オルガン』を聞き終わった時のようなため息が漏れました。話は60年代の終末観にあふれてたかもしれないが、監督の意図とは別に天国へ行かせていただきましたよ。
まったくもう見事な演奏。名盤でした。
エスねこさん [ビデオ(字幕)] 8点(2008-03-02 23:14:18)(良:1票)
2.《ネタバレ》 これも大好きな映画。研ぎ澄まされた映像、描かれている出来事や現象の理由は殆ど明らかにされないけど、その視覚的効果によって次々とイマジネーションを呼び起こされていく為、静寂が続く画面の切り替りであってもグイグイと引きつけられていく。もの凄いリアリティ、モニカ・ウィッティも素晴らしい。
よし坊さん [DVD(字幕)] 8点(2006-08-27 09:03:15)
1.自身も10年連れ添った妻に突然別れを告げられたという過去を持つアントニオーニの「愛の不毛三部作」の三作目。前作『夜』では愛の喪失の理由が語られるが、この作品では「わからない..」を繰り返す。こちらのほうがより現代的で「愛の不毛」の名に相応しい。 株価暴落で損をした顧客たちが怒る。損をするというリスクは最初からあったのに損をしてはじめて現実を見る。突然やってくるこの現象は冒頭の突然の別れと似ているように感じた。愛したいが愛に意味を求める、あるいは本当に愛したいのかさえ分からない、そんな女が作りだす乾いた関係が建設途中の高層住宅の殺伐とした風景にオーバーラップして描かれる。背景のひとつひとつが心情をあらわしており、どうしようもない不条理感で溢れている。私見ですが、背景になんらかの意味を持たせる作家は数多くいれど、アントニオーニほど徹底している人もアントニオーニほど的確な人もおそらくいない。
R&Aさん 8点(2005-01-19 12:25:50)(良:1票)
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【点数情報】

Review人数 23人
平均点数 6.30点
000.00%
114.35%
200.00%
3313.04%
414.35%
514.35%
6626.09%
7417.39%
8313.04%
928.70%
1028.70%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 4.66点 Review3人
2 ストーリー評価 6.66点 Review3人
3 鑑賞後の後味 8.33点 Review3人
4 音楽評価 7.66点 Review3人
5 感泣評価 7.00点 Review2人
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