61.《ネタバレ》 原作のことはほとんど忘れてしまいました。 ホフマンの演技に沿うならば、カポーティというのはスノッブで軽薄なヤッピーを「演じている」成り上がりのゲイだった、ということになる。 彼は作品のためなら他人を平気で利用し、嘘をつき、必要なら賄賂も使い、出版社からも抜かりなく金を引き出す。作家としてプロとして完璧だ。 そんなカポは一家4人殺人犯という「極悪人」を「同じ家で育って裏口から出て行ったやつ」というふうに認識して会いに行くわけです 彼は「最悪の冷血」のなんたるかが知りたい。正体が見たい。そして、彼の目的は「スミスに事件の詳細と動機をしゃべらせること」となり、ひたすらその「お宝」に焦点をあててカポの人生は集束していくのです。 何年もの努力や嘘の甲斐あって、ついにスミスは語ります。「動機は金」「殺したのは相手も殺されると思って怯えていたから」。…。 この時点でカポの頭は点になってしまったでしょう。殺したのは、「すでに仲間と強盗に入ってしまった」という事実と「相手が怖がっている」「自分は凶器を手にしている」という「お膳立て」が揃っていたから、だというのです。何年も待ち望んだ答えが、「ゼロ回答」だったのだ。 というか、スミスという男は「悪魔」というほど立派なものでは全然なく、ヒコックもそうで、カポにとっては「お宝を求めて飛び込んだら、中心部は空洞だった」というようなもの。 「悪魔のような所業」が「ぜんぜんしょぼいチンピラ」によって「成り行き」で行われたという。それはどういうことなのか。4人も惨殺した犯人がそうでなかったのなら、ではカポの求めてきた「ホンモノの悪」「最悪の冷血」はいったいどこにいるというのか…。 そして「悪魔の正体」が見たくて今までカポがしてきた二枚舌外交はなんのためだったのか。それに騙されて「アミーゴ」と呼んで死んで行くスミスに対し、どんな落とし前がつけられるというのか。「僕の見込み違いだったよ。求めていたのはキミじゃなかった。」などと今さら言えない、死刑の前に。 目の前には、死刑を前にしてカポを気遣う「成り行きで死刑囚になったしょぼいチンピラ2名」、そうして、カポは情けなくてむなしくて泣くしかない…。 カポは最期まで嘘をつき、スミスたちは感謝したまま死ぬ。やつらこそ「冷血」のはずなのに、まるでこれではカポが糾弾されているように見える。…。 【パブロン中毒】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-12-03 20:13:22) (良:2票) |
60.《ネタバレ》 カポーティというと「天才・ゲイ・アル中」という三拍子が揃ったスキャンダラスな作家というイメージが私には強かったのですが、この映画をみると、巧みな話術によって社交界から持て囃される華のある男という面白い一面も見せている。一見すると一流作家としての矜持を誇っているかのように見える主人公ですが、カポーティの本質はやはり子供のころのトラウマに根ざしており、彼の母親は母性本能の欠如した女だったので、わが子の顔を見るのが嫌で仕方なかったようです。したがって親の愛情を受けずに育った彼は異常なほどに他人から愛情をもらうことに執着し、名声に飢えていた、その飢えが「野心」となり、彼の揺るぎない創作意欲の原動力となっていたことも事実だと思う。歴史的な傑作「冷血」が生まれた背景には強烈な野心があったことは疑う余地もないのですが、その野心とはカポーティが持つトラウマの裏返しだったと考えます。そしてこの不幸な作家と同じく愛情不足で大人になってしまった凶悪犯人ペリーに対する不思議な友情も非常に丁寧に描かれており、ペリーを助けたいけど、早く処刑という結果が出てくれないと本が完結しないというジレンマ、助けたいけど死んで欲しいという相反する矛盾、その葛藤がうまく表現されていて不思議と違和感を感じませんでした。この作家は人格破綻者ではあるけれども、けっして冷酷な偽善者ではなかったと思う。カポーティーという作家は野心家であるがトラウマを抱えた孤独な人間、そして繊細な性格の持ち主であるが華やかな饒舌家でもある。こんな複雑で奥深い人間をどうやって役者が演じることができるのだろうか?見事に演じきってしまったフィリップ・シーモア・ホフマンに脱帽。 【花守湖】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-10-25 18:16:33) (良:2票) |
59.《ネタバレ》 小説家という業の深さを丹念に描写した佳作。冷淡なトーンで静かに進みながらも、作品の完成のために分身と呼べる死刑囚を死なせるまでを迫力ある筆致で綴る。フィリップ・シーモア・ホフマンがカポーティの精神的な死を鮮烈に体現。後に『冷血』の原作を読んだが、一人の死刑囚に対して重きを置いていることを見ても、野心と憐れみの狭間で如何にして心身を削っていったか分かる気がする。 【Cinecdocke】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-02-15 18:03:21) (良:1票) |
58.《ネタバレ》 「冷血」の解釈が2通りありますが、犯人が冷血なのか、犯人を観察して本を書くカポーティが冷血なのか、後者も強く取れるのではないでしょうか。細かいところまで表現していてよくできた映画だと思いました。 【HRM36】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-03-18 12:15:52) (良:1票) |
57.《ネタバレ》 冒頭からひどい皮肉をとばすトルーマンを見て、「性格の悪そうな作家だなあ」と引いてしまったが、事件の取材で、いとも簡単にナンシーの親友から彼女の日記、捜査担当刑事から捜査ノート、犯人のペリーからは日記の提供を受けるのに驚いた。信用がなければ決して人にゆだねることはできない個人的な資料ばかりだ。また、仕事の名誉欲はある、しかし人並みの情もあり、ペリーの死刑を望むべきか否かで苦悩する羽目になるトルーマンの人間臭さに恐れ入った。まるで人間の不合理さを絵に描いたようだ。「もう1人の自分」であるペリーが目の前で処刑され、彼の精神的な何かが一緒に壊れてしまった気がする。自分が処刑されたような自己暗示にかかったのかもしれない。もしペリーがトルーマンと生まれ育ちが全く違い、被害者に対する奇妙ないたわりを見せず、単なる残虐非道な人物であったら、「冷血」以降も作家はペンを取り続けただろう。私には途中からペリーとトルーマンがドッペルゲンガーの関係に見えた。 【tony】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-04-22 21:07:03) (良:1票) |
56.偽善もここまでやれば立派。良いか悪いかは別としても。 【mimi】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-06-26 23:39:21) (良:1票) |
55.《ネタバレ》 あまり共感できない。ホフマンの演技はカポーティの特徴をとらえているのかもしれないけど、観ていて気持ち良い映画ではなかったです。 【ぱんこ】さん [映画館(字幕)] 5点(2006-11-12 20:15:39) (良:1票) |
54.《ネタバレ》 小説「冷血」は未読。せめて映画「冷血」は観たかったが、常にレンタル中のため、待ちきれず本作を鑑賞することにした。読んでおくにこしたことはないが「冷血」を知らなくても、なんとか本作は十分鑑賞できるのではないか。 本作の主眼は、事件の真相というよりも「人間の内部に潜む冷酷な二面性」だろう。カポーティは、ペリーに近づき、親身になって友人として振る舞うことによって、小説のネタにするための事件の真相を探ろうとしたに過ぎない。徐々に、彼の心の闇を垣間見てしまうとふいに気付いてしまう、彼は自分自身と同じであると。「表出口から出て行ったのが自分で、裏口から出て行ったのがペリーだ」と気付く。一方は、賞賛される人気作家であり、他方は、死刑が待ち受ける犯罪者であるが、その根っこは同じである。人々から、奇異と受け止められ、周囲から疎まれ、誰からも自分のことなど理解してもらえない。ゲイの恋人はいるものの、真の意味で通じ合っているわけではない。カポーティは自分自身しか愛せなかったからだ。そんなカポーティに、真の意味で通じ合えたのが、家族から愛されず、理解もされないペリーだ。彼は、どんな日常生活よりもペリーと過ごす時間の方がくつろげたはずだ。自分自身しか愛せなかったカポーティが自分と同視できる存在と向き合えるのだから。 そんな心の安らぎであるペリーに対して、誰よりも死を待ち望んでいるのは、紛れもなくカポーティである。4年もの歳月を費やした小説を完成させるためには、彼らの死がなければ始まらない。本作のポスターのうたい文句にもなっていたが、まさに「彼の死を恐れるとともに、彼の死を望む」という状態である。カポーティこそ「冷血」であることは間違いない。クリスクーパーの「事件を起こした犯人が冷血なのか、それともそれを描く作家が冷血なのか」という問いかけは見事としか言いようがない。 そして「助けることができなかった」と嘆くカポーティに「助けたくなかったんでしょう」と言い放つネル。ネルでさえもカポーティの二面性に傷つく心を理解できず、彼は一層立ち直れないほどに孤独になっていく。 この矛盾するような感情を抱え、精神が徐々に蝕まれていく様子を、見事にホフマンが演じきっている。彼のアカデミー主演男優賞には全く異論がない。ただ単にカポーティの仕草を似せたのではなく、内面までも深く演じきっているから素晴らしいのである。 【六本木ソルジャー】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-10-16 22:12:38) (良:1票) |
53.《ネタバレ》 「ティファニーで朝食を」の原作小説家として著名な、トゥルーマン・カポーティが主人公。カポーティが、1959年にカンザス州で実際に起こった農場一家惨殺事件の犯人を密着取材して、小説作品「冷血」に結実させるまでの過程を描いています。自身が「ノンフィクション・ノベル」と呼ぶこの手法は、当時は斬新なもので、一大野心作なわけですが、それを成功させるためには、野心を隠して、犯人の心の友になり情報を引き出す必要があります。その狡猾な立ち回りに、主人公自身が毒され、苦悶、葛藤しはじめ、病んでいくというような話だと思います。主人公は(才能ある人にはありがちで)いささか変人であり、演じ手のフィリップ・シーモア・ホフマンが、細かい役作りしているのがわかるのですが、ちょっとうるさく感じてしまいました。主人公以外の役者達が、逆に自然でよかったです。特に、犯人役の人。心の闇がありながらも、終盤までそれが表層に出てこない感じがよかったです。 【camuson】さん [DVD(字幕)] 5点(2023-03-14 18:17:24) |
52.冷血は未読でカポーティについても無知だったが何といってもフィリップ・シーモア・ホフマンの凄みに尽きる。 哀愁、表現力は勿論のこと作品との一体感がある。 伝記なので興味が無ければ中々入ってこないが、彼の名演が非凡へと押し上げている。 今までの脇役の印象が吹っ飛んだ。 |
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51.《ネタバレ》 面白いという言葉を使うのはふさわしくない種類の映画なので 同じ意味のつもりで別の言葉でいいかえよう。見応えのある映画だった 自分はこの映画を見る前にカポーティ原作映画作品「冷血」を2タイプ観ていたが、 それらよりも本作は、より見応えがあった フィリップ・シーモア・ホフマンってすごいし、ずるい カポーティが大事なところでことごとく嘘をつくのだが 最後の最後泣きながら嘘をつきとおす姿を見ていたらこちらも激しく心が揺さぶられた 嘘か本当かなんてどうでもよくなってしまった この感情は言語化できない 【うまシネマ】さん [DVD(吹替)] 7点(2019-08-24 02:05:12) |
50.《ネタバレ》 ノンフィクション「冷血」は稀代のルポルタージュである。その著者であるT・カポーティの人物をなぞろうとすれば、この著作を手がけた5年余りに絞ったのはしごく当然と思う。 本人も認めているように、この作家と一家惨殺犯の一人、ペリー・スミスとは魂のありようが似ている。恵まれなかった子供時代、容姿へのコンプレックス、言葉への敏感な感性、決して埋められない孤独感。 新聞記事で事件を知り、彼らを「飯のタネ」にしようと思いつく作家。地元保安官は眉をひそめ、友人らも若干引き気味なある種の厚かましさをもって殺人犯らと交流を持つカポーティ。「飯のタネ」ではあるのだけど、一方でペリーへの親近感や同情といった自分の心に気付いて動揺する彼。嘘や誇張で死刑囚の気持ちを引き寄せ、かと思えばセレブらとの社交パーティではへらへらと空騒ぎ。 なんとも複雑で繊細な有名作家の姿を、名優P・S・ホフマンは見た目や発声の仕方、仕草に至るまできっちり再現してみせた。取材対象に近づきすぎて、その処刑の場に立会い衝撃を受ける作家。目を宙に泳がせたり、薄皮を一枚被ったように顔つきを捉えどころ無くしたり、表情筋のわずかな動きで作家の心の空疎なことを表現しつくしたホフマンに圧倒された。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-04-21 14:47:42) |
49.《ネタバレ》 どこかで見たような話だと思っていたら、以前に鑑賞した「冷血」でした。タイトルに惹かれた思いは空振りに終わった作品でした。本作は作家カポーティが作品を完成させる過程を描いています。語り口と立居振舞が無機質な彼こそが「冷血」であり、彼にも作品にも魅力を感じられず、真っ当な一家四人の無念が晴らされるのを長引かせた一因に腹立たしさが募りました。フィリップ・シーモア・ホフマンの怪演に接し早逝が惜しまれます。 |
48.《ネタバレ》 ○予備知識なしで多少冗長なテンポだったため、少し見るのがつらくなったところもあったが、フィリップ・シーモア・ホフマンのさすがの存在感に圧倒された。○その存在感故なのかは分からないが、死刑囚との会話がいまいち。実際にその俳優のせいなのか死刑囚自体のせいなのか不明だが。 【TOSHI】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-05-17 16:35:03) |
47.《ネタバレ》 実話ものの重み、フィリップ・シーモア・ホフマンの「葛藤」の表現力の素晴らしさ、まさに数多くの賞受賞も納得の一作。カポーティが5年の歳月をかけて書いた「冷血」。殺人犯が冷血なのか、それとも作家としての虚栄心が冷血だったのか、カポーティの「その後」を考えるととても感慨深いです。とても深く悲しい物語でゴザイマシタ。 【Kaname】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-12-29 11:42:14) |
46.《ネタバレ》 改行表示で読んで下さい。 フィリップ・シーモア・ホフマンが出てると言う理由だけで鑑賞 ○ ・フィリップ・シーモア・ホフマンすばらしい演技だった。 ・冷血を読んでいたらもっと楽しめたと思う。(こんど読んでみよう) ・60年代社会的風景(差別や死刑制度など)勉強になった。 ・執行シーンなど結構、辛辣に描写していた。 ・人物モノにしては、いろいろ考えさせるメッセージ性が強い映画 × ・テンポが独特で遅く感じる(この時点でダメな人いると思います) ・死刑囚との会話にもう少し緊迫感がほしかった。 ・もう少し60年代について、カルチャー的情報が欲しかった。 ・執行されない=本が出版できない、ジレンマをもっと濃く表現して欲しかった 寸感 題材はとても良いなと思いましたが、しかし、全体的に淡白に仕上がった気がします フィリップ・シーモア・ホフマンだけが目立ってしまっていたのもそのせいなのかも 知れません。死を利用して自滅していく著者の苦悩と挫折をもう少しエグって欲しかったです。 【はぶじ】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-04-26 03:43:40) |
45.《ネタバレ》 合わない人には本当に合わない映画だと思います。これが小説だったら、もう少し楽しめたかもしれません。一番知りたいカポーティの本音が見えない。うえにテンポが遅い。話がなかなか先に進まない。友人達との談笑のシーンも、きっと意味があるのだと思います。ですがその意味がわからなければ、ただの退屈なシーンです。パブロン中毒さんのレビューを先に見ていたら、もっと映画を楽しめたかもしれません。めちゃめちゃわかりやすい解説でした。そういうことだったのですね。失敗しました。あ、そう言えばパッケージにも、「だれよりも君の死を悲しみ、だれよりも君の死を望む」みたいなことが書いてありました。あれはヒントだったのか。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 1点(2011-07-09 19:58:32) |
44.《ネタバレ》 わー、本作を観て昔『冷血』を読んだときに味わった衝撃がまた甦ってきました。本作をご覧になった方で未読のかたは、ぜひカポーティの『冷血』も一読されることをお奨めします、ノンフィクション小説というジャンルを開拓した文学史に永遠に残る金字塔です。映画の中でもカポーティが『冷血』を朗読すると大劇場の聴衆が凍りつくシーンがありましたが、あれは決して誇張ではないと思います。この映画のカポーティ像は、自分が『冷血』を読んで残った「ああ、カポーティはペリーと一緒に処刑されちゃったんじゃないか」という感想とまったく同じなのでびっくりしました(まさかその当時は、カポーティがそのまま新作を発表しないで亡くなるとは予想してませんでしたが)。フィリップ・シーモア・ホフマンの演技は神がかり的で今さら論じるまでもないのですが、自分はキャスリーン・キーナーのネル・ハーパー・リーがまた素晴らしかったと思います。彼女はけっこう地味でおばちゃん顔(失礼!)なのでハーパー・リーの様なキャラはピッタリだと思うんですけど。 【S&S】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-05-16 21:25:43) |
43.終始薄暗い雰囲気が作品を支配する映画ですが、これはカポーティの全てうかがい知ることが出来ない心の闇を現わしているかのようでした。同業者仲間や知識人達とのパーティ会場で自身の心の闇を悟られまいとするかの如く必要以上に陽気に、あるいは道化のごとく振る舞うカポーティの姿、その一方で暗い独房の中で殺人犯と接している彼の方が自然体に映る。終盤には「君と本当に友達になりたかった」とまで言った。しかしそれは「冷血」を完成させようとする彼の野心とは相反する。そんな彼の非常に複雑な心境を見事に演じたホフマンは流石と言う他ない。映画としては全編を通して暗く全く抑揚が無い作品ではありながら退屈する事なく観ることができましたが、これは非常に複雑なカポーティという人間を見事に演じたホフマンの卓越した演技力によるところが大きい映画であるように感じました。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-09-12 23:50:38) |
42.小説「冷血」は未読、トルーマン・カポーティについては「ゲイで人格破綻者」という知識のみで観たが、職業柄(性格も)多くの人にとって共感しづらい人物であろう主人公を見事に掘り下げ、演じ、その苦悩を提示してみせたフィリップ・シーモア・ホフマンは、やはりアカデミーに値したのではないかと思う。ただし作品自体は、彼の演技に救われた部分が多分にあったように感じた。 【wood】さん [映画館(字幕)] 6点(2010-05-08 17:47:46) |