1.《ネタバレ》 原作マンガは読んだことがない。イケメンで料理上手な同性愛者とヒロインが同居する、という設定にどういう必然性があるのかわからないまま進んでいくが、恐らく女子の人々にはこういうシチュエーションが心地よく感じられるのだろうとは思った。また自分は何とも思わないが、野菜料理の映像面でそそられる観客もいたかも知れない。ブロッコリーの茎の部分まで刻み始めたなと思っていたらそこが重要なところだったらしい。
一応のドラマらしきものもないではないが話が薄いので、まずはこの状況自体を楽しむことの方が大事なのだと思われる(連続TVドラマ向きか)。男女関係の方は進展しないままで焦らす感じになっているが、男同士の関係も濃密にはならず、キュウリの件などで気を引いておいてはぐらかすのは女性向けの刺激的サービスか。バカバカしいので笑ってしまうところもあり、キノコの件は発想の原点がどこにあったのか聞きたい(ある程度以上の年齢なら昔の記憶を呼び起されるものがある)。また個別の場面としては、元同居人のシャツをヒロインが直球で投げたところは悪くなかった。
自分としては主な対象層に含まれているとは全く思わないが、見れば意外に悪くない雰囲気だったのでそれなりの点にしておく。男女関係のラブコメよりもかえって単純に面白がれる話ができている。
なおキャストに関しては、主演女優が好きで見たわけではないので、どちらかというとその母親(さぞかし昔は可愛かったろうと思わせるおっ母さん)に見とれてしまった。また途中で登場した美少女タレントは半端な存在感を出して終わってしまったので、出したからには最後にもう一場面くらいフォローを入れてもよかったと思う。ほかバーのマスターの出番は妙に心地よく感じた。