影の軍隊(1969)のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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影の軍隊(1969)

[カゲノグンタイ]
Army of Shadows
(L' Armée Des Ombres)
1969年上映時間:140分
平均点:6.62 / 10(Review 16人) (点数分布表示)
ドラマサスペンス戦争もの小説の映画化
新規登録(2004-02-27)【とらおとめ】さん
タイトル情報更新(2024-07-18)【イニシャルK】さん
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監督ジャン=ピエール・メルヴィル
キャストリノ・ヴァンチュラ(男優)フィリップ・ジェルビエ
ポール・ムーリス(男優)リュック・ジャルディ
ジャン=ピエール・カッセル(男優)ジャン・フランソワ
シモーヌ・シニョレ(女優)マチルド
セルジュ・レジアニ(男優)美容師
ナタリー・ドロン(女優)(ノンクレジット)
ポール・クローシェ(男優)フェリックス
原作ジョセフ・ケッセル「影の軍隊」(早川書房)
脚本ジャン=ピエール・メルヴィル
作曲ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン交響曲第6番「田園」第5楽章
撮影ピエール・ロム
ワルター・ウォティッツ(空中撮影&水中撮影カメラオペレーター)
配給東宝東和
特撮ワルター・ウォティッツ(special photographic effects)
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1
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16.《ネタバレ》 レジスタンスの映画。
見どころは、女性しかも母親が戦士になっている点。
むちゃくちゃ優秀なのだが、捕まって子どもを人質に取られると、かくも簡単に落ちてしまう。
この点において、やはり戦いに女性は使えないということかもしれない。

その女性、マチルダの練る作戦は、ものすごく優秀。
リノヴァンチュラが捕まった時に見せた作戦は、凄かった。
そのリノが、前半の主役である。
独特の風貌に似あう戦士ぶり。

しかし、映画は、アクションものではない。
レジスタンスの静かな戦いを描いている。
メルヴィルの作品。再評価の必要性があると思う。

どうでもいいが、手塚治虫のキャラクターにランプという人がいるが、リノヴァンチュラだと思う。
もう一つ、影の軍隊と言えば、我々昭和っ子には、漫画「男組」を思い出させる。
当時のワイルド7はじめ、こういう映画の影響が、漫画に強く出てたと思う。
トントさん [DVD(字幕)] 7点(2024-10-06 01:22:25)
15.《ネタバレ》 これほど地味で暗いレジスタンス映画は観たことがないというのが素直な感想です。派手な破壊工作や戦闘場面はほとんど皆無だし、ゲシュタポに囚われた者たちも拷問されるところは見せずに、終わってボコボコになった顔の姿を見せるだけ。仲間を救出しようと救急車を仕立てて監獄に乗り込んでゆくシークエンスなんかでも、これから派手な見せ場が来るぞと期待するのに、瀕死の同志を救い出せずにすごすごと退却してしまう、これは観ていてサプライズでしたね。リノ・ヴァンチュラたちが属するのはいわゆる自由フランス・ドゴール派の組織なので、共産党系の組織・マキ団の様な派手な武力行使が少なかったからなのかもしれませんが、まるでスパイ組織のお話しみたいです。劇中では殺したドイツ兵よりも密告者を粛清した人数の方がどう見ても多い、こりゃ話が盛り上がらないわけです。でも原作者も監督ジャン=ピエール・メルヴィルも戦時中に実際にレジスタンス活動をしていたわけで、きっとこれがリアルでしょうね。戦後フランスではレジスタンス活動は神話化されていたわけで、この映画はそのタブーを無言で批判する様な意図があったのかもしれません。 レジスタンス側のフランス人は全員フランス解放まで生き残れなかったという壮絶な結末、まさにフレンチ・ノワールの巨匠メルヴィルだからこそ撮れたストーリーだったと思います。
S&Sさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2024-03-26 23:07:28)
14.《ネタバレ》 途中まで誰が誰だかさっぱりわからず退屈であった。
ドイツ兵をやっつけるなら仕入れた手榴弾をもっと違う方法で使えば良い。狙撃銃を仕入れればもっと効率的だし仲間同士で殺し合う暇もないのに、と思ってしまった。
チェブ大王さん [地上波(字幕)] 3点(2020-02-09 09:50:25)
13.《ネタバレ》 なんとも地味でひんやりした印象の作品。真夏にちょっとした洞窟に入って涼みたい人向け。
一連のレジスタンス運動に対して一定の知識やイメージがあればもっと面白かったかもしれませんが、いかんせん不勉強なもので、不明な点が多々。だいたい抵抗らしい抵抗をしているシーンがほとんどなかったのですが、彼らはなぜ追われていたのか。「ド・ゴール派」というだけでアウトだったのでしょうか。
結局、全員が早晩退場してしまうわけで、しかもそれが後のパリ解放に結びついている風に描かれるわけでもなく、彼らの戦いとはいったい何だったのかと思わずにはいられません。まあ彼らに限らず、多くの人の人生は虚しく過ぎていくものですが。
眉山さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-09-06 01:17:32)
12.《ネタバレ》 フランスのレジスタンスを描いた作品ですが、地味系スパイ映画、といった感じ、そして何ともやり切れない虚しさ。
『史上最大の作戦』なんかを観てるとレジスタンス大活躍、なんですが、本作はまだそこに至らないホントの地下活動。リノ・ヴァンチュラが収容所で脱走とレジスタンスへの参加を持ちかけられるところから始まるけれど、劇中で最初に描かれるレジスタンス活動が、密告者である仲間の粛清である、ってのがまずやり切れない。これが現実。
そんな中で、シモーヌ・シニョレ演じる女性活動家の存在が、レジスタンス仲間にとって、また観てる我々にとっても、希望となるのですが、彼女にもどうにもならないことだってある。
彼女が最期にみせる曖昧な表情が、安易な納得感を拒絶し、誰もが等しく消耗品とならざるを得ない現実の厳しさと矛盾を、我々に突きつけます。
曇天の下、ひたすら閉塞感がたちこめて、そのまま終わってしまう。レジスタンス活動が最後にどう報われたか、なんて、テロップですらも示さないんです。
鱗歌さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2019-07-07 08:50:53)
11.《ネタバレ》 「サムライ」「仁義」などの一連のフィルム・ノワールで私を魅了したジャン=ピエール・メルヴィル監督の「影の軍隊」は、レジスタンスに身を投じた人間たちの姿をセミ・ドキュメントタッチで描いた社会派サスペンス映画です。

全編を覆うダークな色調。使命を果たすためには、愛する者すべてを捨てなければならない非情な世界で、自己を引き裂かれ、葛藤する男や女たち。
彼らの胸中をよぎる悲哀と情念のたぎりは、まさに"フィルム・ノワールの世界"そのもので、ジャン=ピエール・メルヴィル監督の簡潔で切れ味鋭い演出の技が冴えわたります。

この映画の主演俳優リノ・ヴァンチュラは、ボクサー上がりの体型通り、いつも見るからにタフな奴を演じてきたと思います。
だが、ただただ鋼鉄のごとく頑強な男というわけではないのです。
ある瞬間、フッと垣間見せる弱さ、脆さ。その時こそ、演技者としてのリノ・ヴァンチュラの真骨頂が発揮されるのです。

この「影の軍隊」でも、ゲシュタポに捕まった彼は、銃口の前に立たされ、その場に踏み止まり銃弾を浴びるか、誇りを捨て脱兎のごとく走り逃げるかの選択を迫られます。
レジスタンスとしての意志を貫こうと死を覚悟しながら、降りかかる銃弾の雨に、思わず走り出すヴァンチュラ。

辛うじて生き延び、本心は死ぬのが怖いと呟く彼の悲痛と絶望に疲弊した面持ちは、逆に人間本来のあり様と生と死の重みをを映し出し、緊迫したドラマ展開の中で、生身の人間の肌の温もりにも似た一種の安堵感を覚えさせてくれました。

人間の感情の二律背反をごく自然な演技で、しかもまざまざと見せつけるヴァンチュラの演技はとても素晴らしいと思います。

ひしゃげた鼻と猪首、それほど背丈はないが、むっちりと肉の付いた雄牛の如き体軀は、お世辞にも眉目秀麗とは言えません。
だが、他人の同情を拒絶するような厳つい肩に揺らめく"孤独の影"はなぜか妙に愛おしく、男心をそそらずにはおかない男の魅力は、誰よりも強烈なものがあると思います。
dreamerさん [DVD(字幕)] 8点(2019-03-30 16:53:27)(良:1票)
10.影の軍隊の名のごとく、暗く重々しい雰囲気が続く。レジスタンス映画なのだが、そこに描かれている様は、逃げた、捕まった、密告したの世界、拷問や処刑などの生々しい場面が続く。全編を通じてがこうだから、少しも安らぎになる場がない。正直おもしろい映画とは言い難いが、こういう歴史があったということだけで価値があるのかもしれない。ところで映画の中のクラシック曲はベートーヴェンの「田園」のはずだけど、Imdbがまちがうということがあるのだろうか。
ESPERANZAさん [DVD(字幕)] 5点(2013-04-06 09:08:59)
9.全編を覆い尽くす陰鬱な空気はメルヴィル監督ならではのもので、陰惨極まりない展開と結末が胃に堪えます。
The Grey Heronさん [DVD(字幕)] 6点(2011-11-11 00:05:58)
8.《ネタバレ》  扱ってる題材はすごく興味深いもので、個々のエピソードにも面白いものはあったんですが、演出と全く感覚が合いません。どうしてこの場面にこれだけの時間を割かなければならないか分からないシーンが多々あり(例えば、ロンドンでの英軍兵士の楽しんでる姿とか、潜水艦への乗艦シーンとか、それから前半部分の裏切り者の処刑シーンにしても、意味あるエピソードではあるんですが。映画全体のバランスから言えば随分冗長な無駄な時間を費やしているような)、非常にもったいなかった感が強いです。
 あと、ストーリー全体の構成としても、もっと最初からジェルビエとマチルドに焦点をしぼった方がより感慨が深かったのでは?
 終盤においてのマチルドの重要性から言えば、彼女が登場するのが中盤過ぎというのはふに落ちません。
 最初の収容所、それからパリのゲシュタポからの脱走シーン、途中でほとんど主役の一人と思わせるくらい重点を置かれたジャン・ソワールの描写とか、終わってみると妙に散漫なストーリーに感じざるを得ませんでした。
 もちろん逆に群集劇と捉える見方もあるかとは思うんですが、そうすると逆に終盤のマチルドの扱いが重すぎるんですよね。
 あと、主人公の二度の脱出とか、あまりにもドイツ軍を間抜けで無能に描いているのはリアリティという面から見てどうかと。特に最初の脱出とか、パリのドイツ軍司令部(少なくとも字幕ではそうなってた)ドイツ兵がせいぜい10名くらいしかいなかったしw 、後は後で煙幕が張られるまでの数十秒間、まっすぐに走っていく民間人に機関銃の弾一つ当てられないとか、渋い映画にしてはちょっと興ざめでした。
rhforeverさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-08-02 18:29:08)
7.《ネタバレ》 ひたすら地味というか、前に進まないというか、一時的に成功があったとしても、すぐに次の拘束の恐怖がのしかかってくる。見ているときは終始単調な印象なのだが、作中で描写される現実の厳しさは、強烈なラストシーンで結実する。各登場人物にもう少し個性があると、もっと良かったのですが。
Oliasさん [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-04-03 22:45:18)
6.私の大好きな映画のひとつに『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』というギャング映画があるのだが、この『影の軍隊』の至る所にその原型を見ることができます。いや、そんな気がするのです。内容は全然違うんだけど。でもこれはどう見てもギャング映画でしょ。トレンチコートに帽子、クラシックカーとその背景となる町並み。映像だけを眺めると、画面に映し出されているのはギャング映画でありアメリカ映画なのだ。そこにモリコーネ風音楽が挿入される。車が街から離れ、海の見えるところ(波音が聞こえるところ)で止まる。ここもまた『ワンス~』を思い出さずにおれない。そこからてくてくと寂れた雰囲気の場所へ。そして建物の中へ。中へ入ると外で遊ぶ子供の声が目立つ。窓を閉めカーテンを閉めると靴音だけが響き渡る。あることを悟るのにじゅうぶんな空気が満たされ、あとはさるぐつわから漏れる嗚咽と男のむせび泣きが聞こえるのみ。このセリフ無きシーンの素晴らしいこと。ラストシーンだって一言もしゃべらせない。トレビアン! (本作のレビューとは関係ないのだけど)思えばイタリア人レオーネ(『ワンス~』の監督ね)は西部劇を真似たマカロニウェスタンで新境地を開き、フランス人メルヴィルは犯罪映画の本家を凌駕する作風を確立している。アメリカ映画を愛し、そしてそこから新しいものを生み出した先人なのであった。とムリヤリに共通項を探したくなるくらいに同じ(好みの)匂いを両者に感じるのでした。
R&Aさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-12-16 16:41:11)
5.《ネタバレ》 レジスタンスにおいて華々しく描くことなく、ひたすら暗く、どの人物にしてもクールというかとにかく常に何かに怯えているような感じがこの映画の緊張感を生み出しているように思う。所詮、人間は誰よりも自分が一番信用出来る。他人を疑ってかかるというものを徹底した乾いた感じ、派手な場面なんてほとんどこの映画にはない。唯一、あるとしたらそれはシモーネ・シニョレが己の男への愛を抑えて任務を実行した挙句に殺される所ぐらいで、この何とも淡々とした演出はどこをどう見てもハリウッド映画とは明らかに違う。ところで、この映画の中で皆で映画を見ている場面が出てくるが見ている映画がアメリカ映画の「風と共に去りぬ」であるというのもある意味、興味深く、戦争映画としても素晴らしいあの名作「風と共に去りぬ」を見て「早く平和を迎えてフランスでもこんな名画が見たい。」という台詞にこそこの映画を通して訴えたかったもの、平和を唱える。願うという行為、それはアメリカもフランスも関係ない。どこの国でも平和が一番であるという強いメッセージを感じることが出来る。
青観さん [ビデオ(字幕)] 8点(2009-07-21 21:45:15)
4.《ネタバレ》 連合赤軍のイメージが重なる。
この映画に触発されていたわけではないだろうが・・・。
組織を守るために、ゲシュタポの拷問で口を割った仲間を抹殺するルールが厳しく描かれている。組織トップの著作5冊があって、それの題名は難しく意図が今一歩私には難解であるが、組織トップはかなりイデオロギーに凝り固まった人物であったと考えられる。実存する生命よりイデオロギーを優先する姿勢。それを冷えた映像で描いている。結局、戦争は、レジスタンスもドイツ軍もそういった「体制」維持が優先するのだと、あらためてうったえていたように感じた。
小鮒さん [DVD(字幕)] 8点(2008-06-22 09:41:19)
3.《ネタバレ》 仏暗黒街映画の名匠、メルヴィルの名作。第二次大戦下の対独レジスタンスの日々を描いたこの作品、下の方も書かれているが戦争映画のスパイ物のような痛快な場面はまったくなく重く、暗い場面の連続。裏切り者を処分するのにガタブルな暗殺者。へこむレジスタンス。ただ戦火の中で生きていかねばならない彼らの行動にはちゃんとした筋があり、それを映し出す映像表現はやはりフランス映画、これが良いのだ。
Nbu2さん [映画館(字幕)] 8点(2007-11-24 23:46:01)
2.うーん、メルヴィル作品は雰囲気は最高なんだけどなぁ・・・
実際に最後まで観てみると、どうも退屈感が出てしまう。
にじばぶさん [ビデオ(字幕)] 5点(2007-10-12 16:41:45)
1. 今まで誰もコメントしていないなんて不思議。フィルム・ノワールの名匠J・P・メルヴィルの代表作ですから。一般的にはアラン・ドロンの「サムライ」の方が有名ですけど。確かにこの作品、余り観た人が多くはないんでしょうね。ナチスドイツに占領されていた、フランスのレジスタンスの話です。良くアメリカ映画に、アメリカ軍に協力するカッコいいレジスタンスが出てきますけど、実際はこの映画のように、辛く悲惨な戦いに明け暮れていたんでしょうね。本当に地味で、暗くて、救いのない映画なんで、誰にもお勧め、とは言えないんですけど、見終った後、何ともジワッと暖かいものが残る映画です。兵士のように徴集されたわけでもないのに、自らの意志だけで、自由のために命を賭ける彼ら「影の軍隊」の心意気に打たれるからでしょうか。
とらおとめさん 8点(2004-02-28 18:45:53)(良:2票)
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【点数情報】

Review人数 16人
平均点数 6.62点
000.00%
100.00%
200.00%
316.25%
400.00%
5318.75%
6318.75%
7212.50%
8743.75%
900.00%
1000.00%

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