1.いくら寓話とはいえ、この度を越してメルヘンチックで空虚で生活実感のない
主人公夫婦のキャラクターの空々しいあり方は何なのか。
いくら絵空事とはいえ、この度を越して退屈で幼稚で深みのない
妄想エピソードの漫然とした並べ方は何だろう。
生計であるとか労働であるとかは、ことごとくオママゴト以下の描写でしかなく、
山や湖は単に観光向けの小奇麗な風景でしかない。
そしてカップに注がれるコーヒーを、皿に盛りつけられる野菜スープを
単に真上から撮って良しとする安直なショットからは、
食の魅力というものがまるで伝わらない。
そもそも肝心のパンが大して美味しそうにみえないという、
褒めどころのない映画である。