3.馬に代わって自動車やバイクといった新たな移動手段が現れ、西部開拓の時代も大きな転換期が訪れてる。。
本作が制作された1970年頃は映画界にとっても大きな曲がり角に差し掛かった頃。
ペキンパーが愛した西部劇も徐々に衰退していく時代と重なります。
本作は「ケーブル・ホーグのバラード」の原題の通り多くの歌が挿入され、ミュージカルっぽいシーンもありますが、
ミュージカル映画もまた同時期に同様の道を辿ることになり、何とも言えない感傷的な思いにもなります。
西部開拓の時代もまた時代が大きく変わろうとしている時期にあって、
ジェイソン・ロバーズ演じる「俺は町では何の価値もない男だ」という時代から取り残されようとしている我が道を行く男を主人公に、
60年代が終わり70年代が幕を開け変わりゆく時の流れの中で、西部劇や古き良き映画の時代への郷愁を感じずにいられません。
男の闘いもバイオレンス描写も控え目な作品ではありますが、これもまた反骨の人ペキンパーらしさのある西部劇の傑作だと思います。