1.日常的な隠蔽工作が白日の下に晒され、美浜では遂に死者まで出した大規模事故が発生、しかし電力の大部分を依存せざるをえない今日の日本では、原子力発電所はより社会的で重要なテーマだと思いますが、こういうテーマの邦画って、(ドキュメンタリーを除くと)これと「東京原発」位しか無いんじゃないでしょうか。本作は発電所正門でのゲリラ撮影シーンから反原発の匂いも漂ってきますが(こんなものを劇映画で使用するなと言いたい)、基本的には原発とその「地域」までをも描こうとした社会派スリラー。しかし、悪魔的容姿で一人だけ浮いてる山口小夜子の扱いが象徴する様に、映画としては少し中途半端な仕上がりになってしまってると思う。ま、それでも貴重な一作であることには間違いないでしょう、5点献上。