1.主人公の刑事に対し、彼を逆恨みする犯人が、12ラウンドにわたるイヤガラセを繰り広げる映画。いちいち「次は第●ラウンドだ!」とか宣言する犯人のマニアックさに比べ、さほど映画自体が“数”に対してこだわるような演出でもなく、この“12ラウンド”ってのは何だか、尺を埋める言い訳に過ぎないような。1ラウンドごとに区切っていくことで、様々なアクションを何の工夫もなく盛り込めるという趣向。消防車でのクラッシュシーンなどはなかなか盛り上がり感涙モノ(あくまでワタシ個人的に。ターミネーター3のクレーン車クラッシュと並んで、子供の頃からの夢だったクラッシュシーンなもんで)。しかし路面電車の暴走シーンはイマイチ何をやりたいのか、アタフタするばかりで、もひとつパッとしない。しかもこういうアクションを、いちいち区切って提示していくのが、いかにも段取り臭くてノリが悪い。最初は「え、今ので1ラウンド分かよ、せこいな」と思わんでも無いけど、12も続くとお腹いっぱい、結構くどい。もっとも、実はその展開の中に、涙ぐましいようなストーリー上の工夫が隠されていることがラストで判るのだけど・・・この辺りは何だか『ダイ・ハード』で聞いたようなオハナシで、これじゃあ『ダイ・ハード2』よりよっぽどコチラの方がダイ・ハード2だよなあ、監督さんよ。あと、プロレスラーならばやっぱり、“12ラウンド”よりも、“一本勝負”でしょ、と。