1.IMAX3Dにて鑑賞。ファルコンの飛翔シーン等で3D効果は発揮されていたものの、そもそもアトラクション映画として作られていないためか、全体としては3Dで見る必然性のある場面に乏しく、3D料金分は損したかなという印象を受けました。。。
他方、内容の方は骨太アクションとして堂々たる仕上がりで、なかなか見応えがありました。弱いだの、ダサいだの、役立たずだのと、今まで散々な言われようだったキャップですが、本作では彼が強すぎないことを活かした舞台と物語が用意されており、そこではキャップが十分にかっこよく、かつ、男らしく見えています。ジェイソン・ボーンのようなキレっキレの肉体アクションの合間に、彼のシンボルである盾を実にクレバーに使うことで、これはキャプテンアメリカの映画であるという印象も残す。リアリティとファンタジーの間で見事なバランスをとってみせた監督達の采配には脱帽なのでした。物語の方も、ヒドラだのヘリキャリアだのと漫画的な要素を散りばめつつも、全体としては70年代のポリティカルサスペンス風にまとめられており、おかしな組み合わせをとりつつも、総体としてはまったく破綻が生じていないという点では驚かされました。さらには、平和のための予防措置として政府が国民生活を脅かすことの是非をも問うており、今日の社会問題までが作品に織り込まれています。本作は、クリストファー・ノーラン作品をも射程に捉えかねないほどよくできたヒーロー映画だと思います。。。
不満だったのは、タイトルロールであるウィンターソルジャーの印象がイマイチだったこと。キャラ造形は決して悪くはないものの、作品全体の志の高さと比較すると、彼の存在は小さすぎたかなという感じでした。強力なヴィランを生み出せていないことが本作を含む一連のマーブル作品の欠点であり、来年公開の『アベンジャーズ2』に向けて、この課題をどう改善していくのかに注目なのです。