7.テーマも深く、物語としてもたいそう面白い。複雑な人間関係を上手く整理して、じっくり時間をかけて小出しに見せていってくれるので中だるみがない。史実に沿った話でもあり、要所に書記の視点を挟む構成も説明調の台詞もナレーションも、ドキュメント風味の味付けに貢献していて実に心地良い。特に複数の証言者の回想を劇中の実時間と無理なくからめていく手腕には感心した。主要登場人物のすべてが、ストーリーの中で重要な役割を与えられていて一切無駄がないのも素晴らしい。さすがは「幻の湖」を世に出した脚本家だ。わずかに残念なのは、脇を固める役者陣の説得力に比して、肝心の三船氏の演技がいまいち地に着いていないように見える点。舞台劇調の台詞回しをうまく消化仕切れていないように感じるのだ。 【皮マン】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2010-05-06 13:26:50) |
6.桜田門外の変を題材にしたシリアスな時代劇。映像その他もろもろのセンスはやはり突出しているように感じますし、その点は文句のつけどころはありません。 しかし、今作は三船主演・橋本忍脚本といううこともあってか、なんだか半端に黒澤映画っぽい。本当はもっとふざけたいのに、そんな気持ちを抑えてつくってるような、じれったい回想と説明的なセリフばかりの展開がちょっと気になりました。眼がイってる伊藤雄之助氏の快演には魅せられました。 【すべから】さん [映画館(邦画)] 7点(2008-11-02 01:14:51) |
5.確かに前半は説明が多くやや退屈してしまったが、監督 岡本喜八、脚本 橋本忍という「日本のいちばん長い日」コンビの作品だけあってとても重厚な時代劇となっていて全体的に見ればとても面白い映画だった。やっぱり三船はこういう時代劇の主役をやっているととてもカッコイイし、井伊直弼(八代目松本幸四郎)を暗殺するラストの雪の降る桜田門外のシーンも迫力充分で緊張感が伝わってきてとても印象的だった。三船以外の出演者ではやはり伊藤雄之助がいかにもな悪人ぶりで抜群の存在感を発揮していていいし、最近見た川島雄三作品で改めていいなあと思った新珠三千代もやっぱりキレイ。三船演じる鶴千代の友人栗原役の若い小林桂樹も多少違和感がありながらも好演しており、鶴千代が栗原を斬るシーンの「なぜだ」というセリフが悲しい。しかし、この二人の関係をもっと深く描いていたら、さらなる傑作になったように思えてちょっと惜しい気もする。 【イニシャルK】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-02-21 17:23:10) |
4.2回目鑑賞。40年も前の作品も時代劇だけあって古さを感じさせない。桜田門周辺のセット?いい感じ。筋書き、脚本も面白い。“椿三十郎”の影響が随所の見受けられるし、役者も同じが多い。でもよく出来ており楽しめた。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-12-12 22:37:29) |
3.タイトルにもあるように三船敏郎の侍はやはり凄い。こういう演技を見せられると、今の日本映画、特に時代劇の俳優としての魅力の無さ、それに比べてこの三船敏郎は本当に凄い。作品の出来としては、岡本喜八監督作品としてはごく普通の出来のようにも思えるが、それでもあの雪の降る中の壮絶な決闘シーンの迫力、流石一流の監督は違うなあ!と感じると共にそれだけ今の日本映画で本物の時代劇を撮れる監督は少ないのだと感じせずにはいられない。三船敏郎以外では伊藤雄之助が上手いし、憎いほどの凄み、悪人ぶりを発揮している。あと、小林桂樹に関しては、どうしても社長シリーズや駅前シリーズのイメージが強すぎて、何だか時代劇には不向きのように感じてしまう。 【青観】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2007-02-12 21:18:07) |
2.喜八監督=喜劇というイメージを覆される本格時代劇の力作です。物語からすれば三船の侍役はもっと若い俳優さんの方が良かったと思いますね、どうしても三十郎に見えてしまうんですよ。時代に翻弄される若侍の悲劇であるべきなんでしょうが、物語の面白さは損なわれていないし、ラストシーンの迫力はやはり三船でしか出せないものでしょうか。クビを掲げて雪道を彷徨い歩く姿の狂気さに寒気を感じました。 【亜流派 十五郎】さん 7点(2005-03-08 22:26:43) |
1.ラストの吹雪の中の立ち回りは迫力!凄惨であり且つ美しい。モノクロ映像の良さが存分に味わえます。 【黒猫クロマティ】さん 7点(2005-02-28 13:17:40) |