6.20年近くまえ、映画館で観た。まだ10代の自分には早すぎた気がして、撃沈した。そして、アラフォーの年末、ふと見返してみた。「ショートカッツ」というタイトルのとおり、短いシーンがめまぐるしく移り変わる。それがとにかくスリリング。ある程度まとまった「エピソード」を重ねるオムニバスとは全く違う。最初1時間は話も見えず、やっぱりしんどかったが、途中から突然物語がつながり、登場人物が生き生きと動き始める。そのへんは後発の群像劇『マグノリア』や『クラッシュ』とも似ているけれど、やっぱりぜんぜん違う。何が違うか考えてみたのだけれど、結局、この映画は、徹頭徹尾、登場人物のあいだの「関係」を執拗に描く。関係を欲望し、関係に絶望し、関係を喪失し、関係がうまれる。アルトマンらしい「文明批評」。唯一無二の映画体験だと思う。残念なのはラストかな。『マグノリア』の元ネタではあるといえるが、この映画に限っていえば、もっと別の可能性があったように思える。 【ころりさん】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-01-06 18:10:27) |
5.何組かの夫婦の日常を淡々と描いているわけですが、それを飽きさせず、どうなっていくんだろうと思わせてくれるアルトマン。下品になることなくシニカルに見せてくれるのがよいです。ジェニファー・ジェイソン・リーのテレフォン・セックスのシーンは現実的で笑いました、その仕事ぶりを見ているクリス・ペンの表情がまた良いのです。「マグノリア」?んー このスタイルを引用したってだけで視点、焦点がまったく違うと感じる。イっちゃってる人も結構出てはくるけど、こっちにはユーモアがあり登場人物たちの性質ね、ここが違うのよ。 【envy】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-09-10 12:36:19) |
4.ちょっとした事で突然昨日までの自分には戻れなくなり喪失感を感じる。そんなお話が多いレイモンド・カーヴァーの原作の世界をとっても良く表現していると思う。手順をすっとばしていきなり心の中のデリケートな部分に触れてくるような映画だと思います。但し結論が無い話しが苦手な方には退屈かも。 【黒猫クロマティ】さん 8点(2003-11-14 17:49:15) |
3.いろいろな人間が勝手に動いていて、それが世の中なんだなあと思ってしまう映画でした。昨日まで笑っていて明日は三面記事の主役になっているかもしれない、そんな現実を感じさせます。アルトマンの群像劇はどれも大好きですが、これも良かったです。 【omut】さん 8点(2003-07-27 03:16:25) |
2.こういう淡々としたストーリーに欠かせないのが人物描写の厚み。いい俳優を揃えたもんだ。全員が関係の糸で繋がっているという展開は、「マグノリア」に通じるものがある(でも○○○は降らないわよ)。でさ、なんでJ.レモンが「あの写真」持ってたの? 【ぶんばぐん】さん 8点(2001-07-23 04:31:47) |
1.ロサンゼルス郊外の中流住宅街での人間模様。R・アルトマンはこういう群像劇を撮らせるとやはり巧い。その群像一人ひとりに分け入って、個々の人生や生活感を丁寧にリアリティをもって描くことで、アメリカの現代を我々に示してくれる。3時間を越える長尺でありながら、多彩な俳優陣のいずれ劣らぬ好演もあって、最後まで一気に見せきってしまう手腕はさすがだと思う。 【ドラえもん】さん 8点(2001-07-22 17:48:23) |