2.長回しが多いと言う事で、手持ちカメラの酔っぱらい映像ばかりの
疲れる映画かと敬遠してましたが・・・、周りの評判につられ先日やっと鑑賞してきました。
さすがに近年の撮影技術の向上で、手ブレ補正されていて落ち着いた絵が続きます。
ワンショットはそれぞれ30分続くかどうかで、編集が一切ないとは言えませんが、演劇的な同時進行感はある。
無理に長くして、絵や演出がおろそかになっては本末転倒であり、これでも充分に臨場感はあると思う。
CGが使われたのかどうか自分には情報が無いので断言できませんが、リアルな映像だと驚きました。
ただ、演出的にどうかと思ったのが、地下の閉鎖空間で爆発に巻き込まれたのに、体はともかく鼓膜が無事って
無いような気がします。鼓膜破れなくても、かなりの長い時間聴力は戻らないはずですが、役者は会話してました。
大正時代の戦争なので、後の戦争に比べ爆弾の殺傷能力は低めかもしれませんが、全体にバラエティ感が散見。
最近の映画にように、CGで人体が粉々になるシーンが必要だとは言いませんが、割と表現は控えめでしたねえ。
それでも戦場を駆け抜けるスコフィールド君の気迫は迫るものがあり、探していた人物との対面後の最後の表情は
ラストシーンとして最高の時間になりました。
人気の有名な俳優が脇役に徹していて、映像がスコフィールド君に集中したところは正解でしょう。
反戦映画なのかどうかは置いといて、一人の若者の戦場での奮闘を疑似体験したような気分がしたので良しとします。
比較対象がジョーカーとパラサイトの昨年度なら、この作品こそが作品賞だったのではと個人的には思いました。