26.何度もTVで見ている作品ですがBSプレミアムでやっていたのでもの凄く久しぶりの再見となりました。 爆笑するシーンは無い。しかし終始全く変わらない作品の空気とシュールな世界観。 学校や思春期、受験そして家族の問題を音楽も使われず、独特の抑えたトーンで巧く描き出していく。 笑いドコロの少ないコメディとして、秀作だと思います。 ほとんど喜怒哀楽を出さない中に醸し出す危ない雰囲気。それでいてコミカル。 松田優作の存在感がやはり圧倒的なのですが、由紀さおりという人も凄いなと思わされます。 ラストシーンが松田優作や宮川一朗太ではなく、由紀さおりであることも印象的。 それにしてもその前の合格祝いがやはり強烈。優作先生からこの家族への最後のメッセージか。 優作先生が帰った後、家族みんなでめちゃくちゃになった食卓の後片付けをしている。 冒頭、4人がバラバラで1人で朝食をとっていたこの家族が、みんなで協力して何かをしている姿もまた印象的です。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2020-11-17 20:18:52) |
25.あえて焦点を絞りきらない作品という気がした。何か滑稽でいながら不気味なものが描かれているんだけど、それがはっきりしない曖昧なままくっきりと(!)提示されてる感じ。くっきりと提示された曖昧さ、ってつまり「夕暮れを完全に把握しました」っていうようなこと。曖昧さは周囲に充満しているんだけど、それを焦点を絞らないまま明晰に描ききった労作。それは思春期の曖昧さでもあり、家族というものの曖昧さでもある。映画は登場人物の人物像を結ばない。いわゆる「人間が描けてる映画」にはしていない。登場人物は人と関わることでのみ描かれ、ぼそぼそとした会話と行動だけが手掛かりだ。その会話を含むリズム感が抜群で、二度目に殴られても鼻血が出ないあたり、先生のガールフレンド美人ですか? と尋ねられてゆっくりハンカチを取り出すあたり、おかしい。これを最初に観た当時は想像することも出来ないことだったが、ラストのヘリコプターの音、サリンを撒いてるオウム真理教を今回はふと思った。カーラジオで事件が起こってないか確かめたり、そういうことにつながってもおかしくないような不穏の気配は、曖昧な夕暮れのようにひしひしと迫っていたのだ。それにしても監督が亡くなっても、もう夭折と言われないだけの時がたってしまっていたのだなあ。その間に松田優作の若死、伊丹十三の自殺、と不幸もあった。戸川純より健全そうだった妹さんの自殺もあった。ちょっとだけ顔見せた清水健太郎の逮捕は何度もあったなあ。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-01-14 10:06:55) (良:1票) |
24.むふむふと、こみ上げる笑いですね。この映画は。当時、私は家庭教師をしていたので、よけいに笑えました。今でもたくさんのシーンを思い出せるということは、名場面が多かったということですね。 【ジャッカルの目】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2010-11-09 00:24:29) |
23.カットやカメラまわしがおもしろいですね。30年近く前の映画と思えません。食事シーンで大笑いしました。すごい俳優さんたちです。 【HRM36】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2010-06-03 14:42:46) |
22.この映画を観て、「家族」という関係性において、その在り方に正解も不正解もきっとないのだろうということを思った。 「家族ゲーム」という映画タイトルの中で描き出される一つの家族。次男の高校受験を目前にして、家族皆が盲目的な”理想”を掲げて、混沌としている。 その混沌とした家族風景が、不幸かというと、決してそんなことはない。 食卓に横並びになって、互いに顔を合わせることのない会話をしながら、淡々と食事をする風景は、この家族の姿を如実に表しているのだが、その味気ない風景にさえ、この家族の切れることない繋がりを感じる。 それは、どんなに窮屈で、居心地が悪くても、それでも互いに寄り添って食事を続けるしかない、という家族そのものの「宿命」とも言えるものかもしれない。 たぶんそれは、実際とても幸福なことなのだろう。 この映画は、混乱する家族像を描きながら、それでも見え隠れする繋がりの強さと、繋がりが強いからこそ生じる“滑稽さ”を、抜群のユーモアセンスで表現した作品なのだと思う。 やはり何と言っても、松田優作が素晴らしい。 コミュニケーションが苦手な家族の中に家庭教師として突如現れ、その関係性を好き勝手にかき混ぜる飄々とした姿は、彼ならではの「表現」だった。ラスト、半ば意味不明に“キレる”様も、松田優作という表現者の真骨頂だったのではないかと思う。 おそらく、見れば見る程に、味わいが変わり、深まる映画だと思う。 【鉄腕麗人】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-03-13 15:27:28) (良:1票) |
21.◆この映画全てにわたって、快と不快が両立して撮られている様な印象をうけました。◆おいしそうな料理と食べるときの汚い音、夕暮れの色と煙を出す工場、家族の食卓とうるさいテレビの音・・・とにかく全てのシーンに渡って快と不快が両立されている。だから、見ていて何か気持ち悪い。◆ただ、これが15歳、すなわち中坊の時期なのだなと思います。受験に恋愛にライバルに・・・自分にとって不快なものと心地よいものをいっぺんに背負っている時期。そんな彼らの複雑な心境をうまく映し出しているなという印象を受けました。最近僕は、マナーをわきまえずに友達と好き勝手やっている中坊を見ると嫌悪感を覚えているのですが、この作品を見て、彼らも彼らで大変なんだなと思いました。◆まあ、その考えに行き着くまでに、既に僕は映画を見ているあいだ中、口が開きっぱなしでしたので、これはかなり凄い映画なのだと思います。◆終始僕の口を開かせたこの作品でしたが、全体的に何をテーマにしているのか曖昧ですし、ブラックユーモアという印象をあまり受けなかったことから-2点で、8点を献上させていただきたい。 【もりたろう】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-11-04 13:44:40) (良:2票) |
20.あの一列に並ぶ食卓の風景は独特というか滑稽というか・・。なかなかのセンスだとおもう。松田優作の演技をみていて気づいたんですが、キムタクの演技は松田優作の影響をかなり受けていますね。本人もモノマネ上手かったし。最後のシーンは一体どういうことなの?としばらく頭から離れませんでした。 【稲葉】さん 8点(2004-06-26 01:45:49) |
19.こういうシニカルな作品は貴重。大笑いすることはなく、ニタニタしながら共感してる自分にちょっと怖さを感じる。 【もとや】さん 8点(2004-03-26 01:20:11) |
18.若き森田監督の野心と松田優作のユーモラスが化学反応。 2020/11 BSで10数年ぶりに観た。長いこと本作は若き森田監督の野心味あふるる作品かと思いきや、 今見ると、印象的なシーンは伊丹十三のアイデアではないかと思える。その後の、職業監督的な森田作品と 攻めている伊丹作品の『たんぽぽ』がなによりの証左ではないか。 【michell】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2004-03-19 01:30:52) |
17.かなり笑える。松田優作の無表情が良い。笑いに必要な、対象を冷ややかに突き放す視線は十分に感じましたが、温かさは全然無い。現実的なのか悲観的なのか。頭が切れすぎる監督の冷酷さを感じた。 【ラーション】さん 8点(2004-03-11 18:35:07) |
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16.今まで見た退屈でわざとらしい演技の邦画とは全く異質だった。 【ロイ・ニアリー】さん 8点(2003-12-12 11:46:11) |
15.森田芳光の才気を再認識できる映画。松田優作の暴力性をうまくコントロールし、静かな恐怖と笑いを生み出している。現場での衝突があったらしいが、やはり森田監督は優作との仕事が楽しかったのだろう。『模倣犯』においてまで、中居に優作を演じさせようとしたのだから。優作の早すぎる死が映画界にとって大きな損失だったことを痛感する。 【恭人】さん 8点(2003-11-23 04:31:59) |
14.当時の家庭環境をうまく表している映画なのではないか。息子と親父の微妙な関係、ギクシャクした家族、あんな家庭ねーよと思うけど、意外やあれに近いもんはざらにある。監督の視点と松田優作がが光ります 【たましろ】さん 8点(2003-10-13 21:40:37) |
13.宮川一朗太、いい演技していました。この作品の後、いい作品が続かなかったのが残念です。テレビ版の松田洋治も良かった。作品としては、映画版の空気感が好きですが。 【ゆきむし】さん 8点(2003-09-23 23:49:56) |
12.当時の日本の家族の状況が良く出ていて、家庭教師という赤の他人が家族に混ざる事によってかろうじて安定が保たれている。また家族以上に家族の誰からも信頼を受けるパラドックスをユーモラスに描いている。追記:先日TVでダビンチの「最後の晩餐」を見てあの横一列の食卓シーンってココから来てたのかと思った。そんな目線でまた再見してみようかな。 【亜流派 十五郎】さん [映画館(字幕)] 8点(2003-08-28 22:00:10) |
11.家族ゲーム観て決めた!!自分が家庭を持ったら。食卓は横長で。椅子は片側だけに並べて。卵は半熟で。 【クー】さん 8点(2003-03-23 06:36:27) |
10. 何と言ってもアノ横一列の食卓シーン!!に尽きる。森田芳光監督の才気が殆どプラスに作用した奇跡的な傑作がコレ。しかし、勝因は演出よりもキャスティングの見事な迄のアンサンブルにあると思う。デビュー直後の宮川一朗太が新人らしからぬ達者な演技で曲者揃いの共演陣に一歩も引かず見事。伊丹十三扮する父親の「ちゅうちゅう出来ないじゃないか!」は名台詞として残るインパクト。本来歌手である(今じゃ姉と二人で童謡歌手?)由紀さおりが、こういう典型的な主婦を演じる可笑しさ。三流大学の家庭教師・吉本を独特のコメディ演技で怪演した松田優作は中でも出色の存在感。小津安二郎をパロディ化する森田監督の度胸の良さに当時は相当に注目したものだったが、その後「そろばんずく」や「愛と平成の色男」など駄作を連発して激しく失望。以後は彼の監督作は観てないが「失楽園」の悪評ぶりから判断すると、やっぱり本作はフロックだった…のか?甦れ、森田芳光!! 【へちょちょ】さん 8点(2003-02-27 19:31:32) |
9.<ネタバレ?>松田優作のコブラツイスト!これに尽きる。なんでコブラかな~笑。 【aksweet】さん 8点(2003-01-29 21:33:49) |
【リコシェ号】さん 8点(2002-12-29 01:50:21) |
7.松田優作最高!いつものコテコテのハードボイルドと違い人間らしい演技をする松田優作もかなり魅力的です。松田優作出演の「探偵物語」や「ブラックレイン」しか見たこと無いような人には特にお勧めです。 【恥部@研】さん 8点(2002-12-10 00:50:04) |