《改行表示》5.伊豆の踊子から6年、少女山口百恵が成人しついに結婚引退へ、彼女を見るのも最後と思って見た映画である。岩下志麻と比べるのは酷な話だが、ここまで成長したのかと感慨深いものがある。 映画の面では市川崑監督であり、川端康成の原作の雰囲気がよく出ていると思う。(原作も読まずによく言うよと我ながら思う)三浦友和をどう使うか心配したが、あれで良かったと思う。 【ESPERANZA】さん [映画館(邦画)] 7点(2012-01-04 17:23:21) |
4.山口百恵の出ている映画を観るのは初めてだけど、思っていたより良く出来ている。流石は市川崑監督である。単なるアイドル映画としては撮っていない。一人二役の山口百恵の表情、化粧や着物の違いなどを見せることで二人の生活の違いや性格というものを表現しているあたりの拘りなど市川崑監督はそういうちょっしたことでも手を抜かずに見せてくれている。古都の町並みの美しい映像美、祇園祭の場面での二人の表情の映し方も上手い。山口百恵の演技に関しては確かに本職が歌手であり、女優ではないのでけして、上手いとは言えないし、また、三浦友和の起用も確かに二人を売り出そうというものが見えてしまいマイナスではあるけれど、脇を固める俳優陣が芸達者な人が勢揃いで中でも岸恵子、やはりこの人の上手さは特に市川崑作品の中ではいつもながら感心させられる。そして、この映画、市川崑監督と言えば私が初めて市川崑監督の映画を観た作品が「犬神家の一族」である。そんな「犬神家の一族」にも出ている加藤武、小林昭ニに三条美紀というキャスティングが何とも言えず嬉しさを感じてしまいます。岸恵子にしても同じ市川崑監督で横溝正史原作の「悪魔の手毬唄」に出てるというように私が市川崑という監督を意識するきっかけを作ってくれた二つの作品の共演者がいる。それだけでも見て良かったと思えてならないし、何よりも京都の美しさ、言葉の美しさ、これは後の「細雪」に通じるものを私には感じずにはいられず、何度も言うけど単なるアイドル映画とは大きく違う日本的な様式の美しさが心に残るそんな作品です。 【青観】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-01-04 22:05:30) |
3.市川崑作品としては、横溝正史シリーズと『細雪』との中間にあって、まだ前者の雰囲気をひっぱりながら後者への準備となった、と思えばそれなりの意味もあったのかもしれないが、いかんせん、つい中村登監督1963年松竹版が思い出されて比較してしまう。この映画が撮られた1980年の京都というと、市電もなくなり、それまでのみやびさが陰湿さ一方につつまれた京都とちがって、明るさと小綺麗さが出てきた京都だったように記憶する。もうしっとりさも薄らいできた時分だった。そうした時代性もあるのか、松竹版の深みが感じられない。松竹版の成島東一郎の撮影、武満徹の音楽の調子の高さにも比べようがない。岩下志摩に比べると、山口百恵は呉服屋の箱入り娘の雰囲気にはなく、なにか問題ある家の薄幸の若い女(テレビの赤いシリーズの延長線!)という感じだった。せっかくの市川崑の映像美もからまわりというべきか。残念。 【goro】さん [DVD(邦画)] 6点(2007-09-17 21:26:33) |
2.市川作品の常として、画調が深く沈んだ陰影で統一された格調高い仕上がり。アイドル映画としての枠を越えた川端康成原作の文芸映画と言ってもいい出来だと思います。ただあくまで百恵&友和コンビも売りにしなければならなかった故か、全体としてのバランスがおかしくなっちゃった感じ。「ヒュ~ルヒュルヒュ~ルヒュル、風が哭きます」ってこの映画の主題歌でしたっけ? 【放浪紳士チャーリー】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-12-10 13:23:26) |
1.ただ、ひたすら市川崑の仕事っぷりを確認しただけでした 更紗に鋏を入れるシーンや、衣擦れの音、北山杉をわたる雲の影etc 歌手が女優をやるのは無理があるかな 主役が他の人だったらもっと違ってたかもしれません 熱演はしてるんだけど… あ、でも、これってアイドル映画なんですよね う~ん 【宵待草】さん 7点(2004-01-29 20:17:51) |