99.脱獄モノといえば、「大脱走」や「アルカトラズ」などのように看守の目をいかに欺き脱獄を成功させるか、という所に映画としての面白さがあるのだと思う。しかし、本作は脱獄の過程に関しては意外なほど時間がかけられていない。 その代わりに、夢に出てきた「人生を無駄に生きてきた罪」と「自由」に対するパピヨンの強い意志が一貫して描かれ続ける。全編にみなぎるパピヨンの衰える事のない強い意志と演じるマックイーンが凄い。さらにダスティン・ホフマンという俳優の凄さも改めて感じさせられました。 ラストは絶海の孤島で平穏だが無駄に生きていく決心をしたかのようなドガの姿とは対照的にパピヨンは荒海の中へ飛び出していく。パピヨンの自由への思いと無駄には生きないという意志が最後まで伝わってくると共に波の彼方に遠ざかるパピヨンを見送るドガの表情が印象に残る。 後半に分かり辛かった所(島民と過ごす時間とその後の展開)もありましたが長尺にも関わらず最後まで惹きつけられました。久々に骨太で力強い映画を観ました。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-10-10 16:25:13) (良:3票) |
98.もう30年も前になるのですねぇ・・でもかなり鮮明な記憶があり、それだけ強烈なインパクトがあったのですね。パピヨンとドガの友情、脱獄への不屈の精神、劇悪な環境に耐えて生きぬき、最後の死ぬかもしれない賭けにも等しい脱獄をよくぞやってのけたと思う。海原で漂いながら自由をかみしめるラストも忘れられない。パピヨンのテーマ音楽も美しく哀切。脚本がダルトン・トランボだから、パピヨンがドガの名前を言わずに耐えた友情がことさら印象深い。もう一度みたい、、というので久々に再見。あんな劣悪な独房で生き抜くという一心で耐える描写がすさまじい。同じ彼の脱走ものでも大脱走とは異質で、偏執的なまでに「懲りない」脱走劇をマックイーンが鬼気迫る演技で見せ圧巻。人間がここまで強く生きることができるのかと信じられない思いがする。 【キリコ】さん 9点(2003-06-03 22:00:08) (良:3票) |
97. 「人生を無為に過ごした罪により、有罪...」 パピヨンの夢に出てきた挿話にこの映画のメッセージがこめられている。 独房監獄の所長。所長はパピヨンが5年間の独房から出てきた後も、全く変わらない風体で出てくる。パピヨンは5年間という時間をまったく無為にすごしたように見えるが、脱獄の夢に人生を燃やしている。所長はといえば、役目を几帳面にこなすことでやっと人生を支えている。どちらが悲惨なのだろう。 囚人でなくても、つねに自由を渇望していなければ、自由人に見えるその人生もその日常もこの囚人たちと同じく悲惨なのではないか? しかし、平凡な人生とはそういうもの。所長の実直な様や、最後に描かれたドガの羨望と諦念は、大多数がもつ平凡な人生感そのものである。 【sowhat】さん 9点(2002-07-16 14:52:30) (良:3票) |
96.この映画のメッセージ、それは「自由への挑戦」だと思った。人は「生きる」ために生きてない。「自由」になるために生きている。どんな困難にも屈せず、友情を守り、自由を目指すパピヨンのひたむきな姿が社会に雁字搦めに囚われた僕の心に深く突き刺さる。 【関白宣言】さん [映画館(字幕)] 10点(2010-09-17 01:57:04) (良:2票) |
95.そりゃまあ、マックィーンが男前だとは言いませんけどね、かのヒーローがどうしてこの役にここまでフィットしてしまうのか(こりゃまるで、サルが人間にとっつかまって虐められる『逆・猿の惑星』by フランクリン・J・シャフナー、ですね)。見事なハマリっぷりに、観た後でふと一抹の寂しさすら感じないでもなく。一方、ダスティン・ホフマンはと言うと、いつになく役作りを放棄、地で演じてます(そんなワケないか)。この役は彼以外の役者が演じたら絶対イヤミになる。彼のスゴさは、演技力云々よりも、‘どんな「共演」もこなしてしまう’ところ、ですかね。それにしても、観てて切なくなる映画でありました。実録っぽさと、幻想味が、奇跡のように両立しております。残酷なまでに青い空、そして海・・・はあ~(溜息)。ゴールドスミスの音楽、甘いメロディも提供しておりましたが、エンドタイトルに硬派な音楽をぶつけてきたのが、映画をぐっと引き締めており(廃虚の映像に実にマッチしてる)、たまらない余韻を残します。必聴です。彼ほど、無調でありながら親しみ易い音楽を書いて来た作曲家もザラにはいないのではないでしょうか。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2005-04-09 11:08:30) (良:2票) |
94.自由への飽くなき意志への尊敬の念よりも、十分がんばったからさ、もうやめようよ、と諭してやりたい気分になってしまった。でも、半年間暗闇に閉じこめられた末に食べる肉のスープは美味かろうなぁ 【永遠】さん 3点(2004-11-02 02:01:46) (良:1票)(笑:1票) |
93.「自由」を求め続ける執念みたいなものがクローズアップされる作品だと思うけど、自分的には「友情」というものがひしひしと伝わってきた。特に最初に独房から帰ってきたときのマックイーンを見つめるホフマンの表情がなんとも言えず良かった。 ただ終盤ちょっとくどく感じたのでそこだけマイナス。 【ボーリック】さん 8点(2004-08-27 13:07:30) (良:2票) |
92.自由の価値って大きい。だけど普段気づかないものだったりする。彼が必死になって追い求めていたものを俺は意識もせず過ごしている。 【taron】さん 7点(2004-07-04 20:31:59) (良:2票) |
91.淡々とした描写の中にパピヨンの人柄の奥深さを感じさせる。しかしただただ自由を夢見ているだけで自由を手に入れている場面がほとんどなく、全体的に陰鬱になっている。もう少し現実に自由を得ていられるシーンを増やして欲しかった。また、ダスティンホフマンのメガネはやりすぎだと思う。 【ぷりんぐるしゅ】さん 5点(2004-05-31 23:22:53) (笑:2票) |
90.「大脱走」と本作に主演したスティーブ・マックイーンが、もし犯罪を犯して刑務所へ入ることがあったとしたら、たとえ模範的な振る舞いをしていても、要注意人物として常にマークされることだろう。 【STYX21】さん 6点(2004-05-08 18:14:36) (良:1票)(笑:1票) |
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89.パピヨンには脱出劇の面白さを期待していました。 しかし、実話という事もあり、脱出劇といより、自由を求める男の生き様と、友情が 描かれており期待とのギャップに苦しみました、独房シーンの悲惨さとかが凄くて 数年間も、あんな最低な環境に拘束させる人間って怖い生き物だ・・・ なんて事を思ってしまう程、その中の「人生を無駄に浪費した罪」にも 深い意味を感じましたし、脱獄を繰り返す主人公の生き方も考えさせる物があります。 と言っておきながら低評価が申し訳無いので、異論反論あると思いますが、いくつか言い訳を言わせて頂くと・・・ 1.映画に対して一番重要で、求めるものは哲学とか、メッセージじゃなくて面白いかどうか?である事。 2.マックィーンとホフマンを知らない現代っ子である事。 3.パピヨンが実話と知らず見ていた事。 4.演出方法とか、現代の映画が見慣れている事。 (例えばBGMが殆ど無い事に、違和感を感じてしまう。) などなど、色々な理由から面白くないので4点です。 ですが、深くて良い映画だと思います、なので面白いか?では無く、 良い映画か?で言えば8点ぐらいで、そう考えると現代っ子の私としては 昔の映画は「退屈だが良い映画」、今の映画は「退屈ではないが、良い映画ではない」となる事が多い気がします。 【六爺】さん [映画館(字幕)] 4点(2004-05-04 20:08:16) (良:2票) |
88.脱獄映画の名作です。このジャンルの面白さは「手段が限られている環境のなか、どうやって脱出を成功させるか」という創造性にあると思っています。ところが、本作は『ショーシャンクの空に』や『大脱走』とは違って、このHOWの部分が薄い。狂気めいてすら見える、パピヨン(スティーブ・マックイーン)の脱獄への執念がメインです。腐汁をすすり、虫を食べてまで、脱出の機会を窺う主人公。「面白いかどうか」という安易な批評を拒むほどの、マックイーンの迫力ある演技。あまりそういう流れでは語られないようですが、『俺たちに明日はない』などに代表される、アメリカン・ニューシネマ色を濃厚に感じました。 【円盤人】さん 7点(2004-02-12 21:13:55) (良:2票) |
87.学生の頃、自由人と言えば聞こえはいいが後先考えない私の行動に後輩の一人がカルチャーショックを受けたと言う。(ショックを受けられるほど変人ではないと思うのだが。)彼は非常にまじめでほとんどの科目をAで通るほど。そんな彼があと2、3単位を取るだけの4回生の時、ある日忽然と姿を消した。留年決定後ふらっと帰ってきた。あても無く旅をしていたらしい。まわりからはバカだと言われ、すでに社会人の私までおまえの影響と言われる始末。そんな彼の大好きな映画がこの「パピヨン」であると言う。いい映画であるが1番に選ぶ人はなかなかいないのでは..。人生を有意義に生きる為に困難に立ち向かう一人の男の波乱万丈伝である。この映画を大好きだというぐらいだから、そもそもそういう願望があったに違いない。私の影響ではなく「パピヨン」に影響されたに違いない。そうに決まっている。私はそう思うことで少し救われるのである。因みに彼はこの作品のダスティン・ホフマンに容姿も性格も似ている。 【R&A】さん 7点(2003-12-02 15:52:15) (良:2票) |
86.観終わった後に気持ちが前向きになるような映画ではない。じゃあ駄作かっていうと決してそうでもない。こういう映画って難しいなあ。いろいろ考えさせられるんだけど、面白いって感じでもないんだよね。でもこの映画自体すごく丁寧に作られてるのは確か。5年後ってな字幕が出たりするけど、俳優の外見もちゃんと5年後って感じになってるし。一見の価値はアリかな。 【ブン】さん 7点(2003-11-01 06:13:10) (良:2票) |
85. 仏領ギアナの刑務所に投獄、1945年脱獄に成功し、ベネズエラに市民権を得たアンリ・シャリエールの大ベストセラーが原作。迂闊なことに原作を読んでしまったため、映画の展開を楽しめずマックィーンとホフマンの演技を確認する結果となったのが何とも悔やまれる秀作。ラストの感動が半減してしまった…嗚呼オレって馬鹿!それでもマックィーンの演技は渋かったし、ホフマンの上手さは絶品!二人の好演にもまして印象的なのはジェリー・ゴールドスミスの哀愁に満ちた主題曲。「事実は小説より奇なり」映画としてオススメ。ただ、相当ヘヴィなので呉々も覚悟して観るが吉。面白くも楽しくもナイからね~。 【へちょちょ】さん 8点(2003-01-26 01:24:24) (良:2票) |
84.この映画で描かれているものは「いかにして脱獄するか」ではなく「いかにして生きるか」。 前者を期待すると楽しめないかもしれない。 加えて、後者を主軸として見ると原住民とのエピソードなどは冗長な印象を受ける。 だからエンターテインメントとして見るとどれほど楽しめるかは疑問だ。 しかし、それらを差し引いても視聴者の心に問いかける「人生を無駄にした罪」という痛烈なメッセージ。 身に覚えがある人にとっては、ただの娯楽作を超えた問題提起になりうるだろう。 【Donatello】さん [インターネット(字幕)] 7点(2018-01-02 21:39:43) (良:1票) |
83.重い…重苦しい… 脱獄のシーンは緊迫感があるけれど、刑務所でいたぶられている場面は見てると鬱屈した気分になる。 だからもう一度見たいかと言われると、そうでもない… 実話らしいけれど、この原作者(パピヨン本人)は、自分がどれだけひどい待遇を受けたかという告発的な意味で書いたようにも思う。 実際その後、この刑務所は閉鎖されたそうだし。 【フィンセント】さん [インターネット(字幕)] 5点(2021-03-02 11:13:51) |
82.すごい映画ではあった。 二人の友情というか、絆の深さが良かった。 【愛野弾丸】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-09-06 12:24:11) |
81.うだるほど長いという感覚とその時間がきちんと充実していたという感覚を併せて味わえる映画。だが、どうしようもなくエンターテインメント映画であって、観たからどうということもない。 【浅田荷葉】さん [DVD(字幕)] 5点(2019-03-25 10:09:25) |
80.強烈な印象を残す作品ですね。パピヨンの脱獄の生涯を描いた実話だそうですが、正直信じられないです。最期の自由へのダイビングは音楽も相まって胸が痛くなりました。絶対助からないのに・・・、何という生き様だ。 【SUPISUTA】さん [DVD(字幕)] 9点(2019-02-24 01:49:53) |