277.テレビ初放送時、何気なく見て翌日ディスクを買いに走った映画です。ディスクを入手して何度も何度も見返すと更に奥深い作品でした。清兵衛(真田広之)と朋江(宮沢りえ)の演技が素晴らしいのは言うに及ばず、もちろん中田豊太郎(大杉漣)、余吾善右衛門(田中泯)らも非常に奥深い演技を見せてくれます。また脇を固める幼い娘たちや小林稔侍、丹波哲郎、中村梅雀(「余吾を討ち取れ」と命令する人)らもイチイチ的確な配役で本当に恐れ入ります。 原作本と異なるという意見も見られますが、原作の美味しい部分を上手く取り込んであり、原作の雰囲気を損なわない程度に盛りだくさんに仕上げてあると思います。斬り合い、貧乏、子育て、恋心、仕事、上司など、色んな要素を上手く盛り付けつつもスッキリとまとまっていて、刀で斬り合う激動の時代の中で清兵衛と朋江の淡い恋心がとてもピュアに表現されています。泣けるよあんたら・・。 また、エピローグが蛇足だとおっしゃる方もいますが、私はあの音楽とナレーションがあって初めて彼(清兵衛)と家族の心情が観客にストレートに伝わると感じます。父は無駄死にしたけど間違いなく幸せであったと以登の口から発信することが重要で、特典(NHK特番)でも監督がおっしゃるように、戊辰戦争で結果的に賊軍扱いとなった顛末も含め「清兵衛の人生」がいかに不遇であったか、本来であれば坂本龍馬の思想のほうが清兵衛の性格的には合っていたと思いますがそれを主張することができない人生、しかしそれでもなお本人は幸せであったという考え方をエピローグできちんと語り切りますので、やはり非常に重要なパートだったと思います。(藤沢周平らしさは薄れてしまいましたが) 刀での斬り合いという意味での完成度も高く、今まで時代劇や戦国ドラマを見ても刃物で斬り合いをしているという事実にピンと来なかったものですが、この映画を見て初めて「斬り合う恐怖」を実感しました。自分があの時代に生きていたら誰に罵られようが絶対に百姓か商人がイイ。武士の人生は地獄だろうなと改めて恐怖を感じました。時代物(邦画)としては異例の完成度で、間違いなく世界に通用するレベルの映画に仕上がっています。「あんた表面的にしか判ってないなあ」と言われるかもしれませんが、たった150年ほど前の古き良き日本人の振る舞いが感じられただけでも本当に素晴らしい作品でした。 PS. DVDから買い直したブルーレイの画質が悪すぎるのには違う意味で泣けますた。(かなり悪いものの、DVDと比較すると明らかにBDのほうが綺麗なのが余計に泣けます、頼むよ松竹さん) 【アラジン2014】さん [地上波(邦画)] 10点(2024-11-10 15:41:11) |
276.役者さんの演技にはなっとくですが、話自体は陳腐でそう面白くもないと思う 【pokobun】さん [地上波(邦画)] 5点(2021-06-26 18:02:58) |
275.(2005年 テレビ録画視聴時のレビュー) 山田洋次が初めて挑んだ時代劇。初の時代劇ながら、山田洋次らしい作品になっていると思います。 この作品を観る前に、藤沢周平の同名原作を読んでいただけに、藤沢作品の清廉さにはやはり及ばないかな、と正直思ってしまいます。清廉な世界を表現していたとは思いますが、藤沢作品の世界の美しさは、映像で表現しきるのは不可能なのかもしれません。 庄内(山形)の小藩・海坂藩の平侍、井口清兵衛が主人公。彼は妻を亡くしたために、二人の娘と耄碌した母の世話に追われる毎日。勤務後のたそがれ時に、同僚の誘いも聞かずにまっすぐに帰宅する姿を揶揄され「たそがれ清兵衛」と呼ばれている。 幕末の混沌期、京や江戸とは遠く離れた小藩で、時代の変革期であることは感じていながら、平穏な生活を粛々と営んでいる清廉な武士の姿を描いている作品です。 違和感を感じずにはいられなかったのは、清兵衛の恋物語が妙に強調されている点です。原作では、清兵衛はもっと清廉な人物だったはず。いい年して恋に迷う姿を見せられると、清兵衛の魅力も半減です。 そこが山田洋次らしいところなのかもしれませんけどね。 実はこの作品、エンドロールでわかったのですが、「たそがれ清兵衛」「竹光始末」「祝い人助八」という3つの短編をごった煮にしたもののよう。それがわかれば合点がいきます。この作品での清兵衛は、むしろ「祝い人助八」の助八に近い人物像なんですね。 原作による先入観抜きにこの作品を観ていれば、すっきりとこの作品の世界に浸ることができ、また、清兵衛の人物像にも好意をもてたかもしれません。真田広之の演技の素晴しさにも素直に感動できたかもしれませんね。 【りょうち】さん [地上波(邦画)] 6点(2021-02-06 00:38:14) |
274.これ、藤沢周平の原作が良いんだな。「たそがれ清兵衛」と「祝い人助八」の話をミックスしている。真田広之と宮沢りえ、ほか脇役の演技も素晴らしい。 いちばん残念なのはエンディングの岸恵子のナレーションと井上陽水の歌。蛇足なんだよね。こうういう部分邦画ってのは下手。 いちいち説明しなくていいんだよ!エンディングに歌は不要なんだよ!よって減点。 【大治郎】さん [DVD(字幕)] 5点(2020-02-13 17:06:08) |
273.自分にとっては淡々としすぎていた。起伏がなさすぎてドラマとして物足りない。年末年始に、NHKのドラマ見てるんだったら、ちょうど良い感じ。 【センブリーヌ】さん [地上波(邦画)] 6点(2019-12-09 00:49:28) |
272.すばらしい作品だった! 山田洋次監督ありがとう。 【へまち】さん [DVD(邦画)] 10点(2017-12-04 16:22:12) |
271.いや~ 最近の邦画としては、すばらしい出来ですね~ 主人公 清兵衛 のとても切ない、哀愁漂う..しみじみとした、イイ映画です..山田洋次 監督ならではの演出..真田広之 の太刀裁き、見応えあり!です(本当の真剣勝負とはこうであろう!というお手本、さすが元アクション俳優) 宮沢りえ も好演..とてもシリアスでレベルの高い作品です..最近観た 「雨あがる」 も久々に良い時代劇でしたが、本作の方がさらに上をいっています..邦画ファン、時代劇ファン、必見! です... 【コナンが一番】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2017-06-26 00:49:27) |
270.最初に観た時はこんなに響かなかったんだけど年食ったかな?なんで余五善右衛門を鉄砲で討ち取らないのかよく分からないけど、清兵衛と朋江の内に秘めた思いにやられたでがんす。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2017-04-14 23:07:19) |
269.私は頭を使ってイイ所を見出そうという見方ができず、何も考えずにぼ~っと見ていても何かを感じざるを得ない映画に点数を加えるようにしているので、この手の平坦な話はそれなりの点数になります。 ラスボスとの勝負は正にお偉方の見立てが正解だった訳で、腕は相手が上だったのは明白。作り手の意図は解りますが、真剣勝負に水を差さされた感は否めません。 また、どうせなら、貧乏侍は仮の姿で、裏では名の知れた殺し屋稼業という設定にして、不治の病の娘を救うため最後は壮絶な死を遂げる。。。みたいな話の方が、私は好きです。 【マー君】さん [DVD(邦画)] 5点(2016-11-06 13:03:08) |
268.この映画は幕末の人びとの生活をよく表現していて、その時代の空気を少し感じれて良かった。 清兵衛の家禄が50石(月収約10万円)というような当時の年収など具体的に表現されているところもリアルを感じた。その他、着物や食事、子供達の遊び、論語の勉強、内職、餓死で川を流れている遺体、職場の 同僚が飲み屋でする会話など全てのシーンが興味深かった。 そして、娘を想ういい父親に真田広之がハマっていた。 最後の井上陽水の曲も良かったです。ああいう父親に自分もなりたい。 【キャメル】さん [DVD(邦画)] 10点(2015-04-02 03:26:36) |
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266.清貧の武士は好感が持てるが、感情を揺さぶられるようなストーリーでもなかった。 期待しすぎたのかも。 【飛鳥】さん [ビデオ(邦画)] 5点(2014-04-19 19:09:44) |
265.真田広之さん、いい映画に主演できてよかったですね。彼の代表作だと思います。井上陽水さんの「決められたリズム」は、意外とハマっていました。 【タケノコ】さん [DVD(邦画)] 6点(2013-10-02 15:06:33) (良:1票) |
264.清貧、という情景を美徳として描けるのはやはり邦画だけなのだろうな。美しい里山の風景、きちんとした時代考証、演技達者な役者、とこれだけ揃えば。宮沢りえの演技が上手いと思ったことは一度もないけど、彼女生来の陰のある美しさが朋江役にはまっていましたね。真田広之の殺陣はさすが。息をするのも忘れる。美しいといってもいいほど。別の映画でどっかの子供に「太ったおじさん」と評されてた真田広之。ボク、違うんだ。こっちが本物の真田広之なんだよ。 【tottoko】さん [地上波(邦画)] 7点(2011-08-10 00:28:29) |
263.貧しい、ある下級武士の生き様を描いた作品。 主人公の現代でも通用するような設定が面白くて、すぐに物語に入り込めた。 もちろん後半は時代劇らしい展開が待っているんだけど、とてもスムーズな流れで、 シナリオ、キャスティングともに、「武士の一分」よりも楽しめた。 少し説明的なセリフやシーンが多いかなという印象は受けたが、 一番下の娘さんのナレーションでお話を進める演出は良かったんじゃないかと。 大人の鑑賞に耐えられる佳作。 【MAHITO】さん [地上波(邦画)] 6点(2011-07-30 03:37:34) |
262.東北、山形の片田舎(と思われる)海坂藩。 映画の視点である「清貧をよしとする」感覚は、今の東北に なぞらえても、同じ感覚であると思う。 東日本大震災でも見られる、東北の人たちの粘り強いチカラは、 こんなところにも見えるんじゃないだろうか。 朋江が、清兵衛の身支度をするために襷を「キュッ」と締める場面。 清兵衛が、その朋江を見つめるラスト。 良かったですね。このラストシーンで映画は終わって欲しかったです。 【けろよん】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-06-30 19:00:32) |
261.この映画が心に響くのは、日本人が概念として持っている日本的な美しさが描かれてからなんだと思う。私は「名もなく貧しく美しく」という名作を思い出しました。主人公は好んで清貧をやっているのではなく、家が貧乏なことと、彼が謙虚なことは別のお話。でも、派手な部分が無い生活は身近なものが良く見渡せるのも確かです。それを慈しみ生き甲斐を見い出すには繊細な感受性が必要で、些細なことを愛でるのが日本的な美意識なんだと思う。貧乏をやってる方は堪ったものじゃないけど、観ている分には心が洗われる気分になります。私は礼節や謙虚といった言葉とは縁遠い人間ですが、この映画は美しく映る。日本的な美への憧れがあるのだと思う。江戸時代でも平成でも、ほとんどの人生はある時点からルーチンの繰り返しになります。そんな時、自分にとって大切なものが何かを正確に自覚できている暮らしは揺るがない。そんな部分にも憧れを感じました。宮沢りえの襷がけは良かった。あれって外出時は持ち歩いてるものなんですね。まさに心掛けです。 【アンドレ・タカシ】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-03-10 04:37:26) (良:2票) |
260.剣は一日サボれば遅れを取り戻すのに時間が掛かるだろうに、何年もサボっていた清兵衛がいきなりあの太刀さばきが出来るのか?と突っ込んでみる。そういう意味では「隠し剣~」の片桐宗蔵のほうが侍らしくて共感できます。ただ映画の質は高かった。特に日本映画お約束の感動の押し売りがなかったところ(最後のナレーション&エンディング曲除く)。押し売りがないので、地味な雰囲気になりがちだが逆に深みを感じる作品になったと思う。藩命で討ち取りにいく前夜、死を覚悟した清兵衛がそっと娘の寝顔を見るところは、淡々と描写されていたからこそ泣けた。 【ぱたぱた】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-10-10 18:52:06) |
259.涙ちょちょ切れました。下級武士の悲哀がよく伝わります。感心したのは宮沢りえの存在感です。子供達も良かったです。 【ジャッカルの目】さん [DVD(邦画)] 10点(2009-07-25 01:22:24) |
258.普通に観れました。普通でした。雰囲気はあるんだけど…。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 5点(2009-07-06 23:23:40) (良:1票) |