5.初公開時、渋谷パルコかどっかの上にあった劇場で観ました。手品が趣味の監督の人となりとタイトルから「これはだましにかかってくるんだろうな」と多少は用心していたのですがみごとにひっかかりました。最近見返してみてネタが割れていても充分楽しめることに驚きを感じました。単なる贋作にまつわるドキュメントでもなく、いわゆるミステリーというくくりにもあてはめられないけれど登場人物も作品のスタイルも内容も、また映画そのものの存在自体もとてもミステリアスというメタな作品。このように他に類例がなく、しかもちゃんと面白い作品を創造するというのは実はとてつもなく偉大なことであって作り手の頭とセンスの良さは尋常ではないと感じました。まるで手品のような作品なので、ミスディレクションに翻弄されることに快感をおぼえる私には最高のご馳走です。手品のタネを知ってくだらないと腹を立てるタイプの人にはまずお勧めできませんが。 【皮マン】さん [映画館(字幕)] 10点(2017-01-10 10:17:13) |
4.オヤが保養地に現れる場面までは、どうしようもないほど退屈。だが、最後まで観ると、それが計算ずくで演出されたものだったことがわかる。リアルタイムで見ていた人はオーソン・ウェルズというブランドを信じて席を立たずにいて、面白くなる17分間を堪能できただろうが、オーソン・ウェルズを知らない今の多くの人は、多分、途中で見るのをやめてしまうのではないだろうか。だが、この映画は終わりまで観ないと絶対に損をする、というのが今日はじめてこれを観た私が伝えられる掛け値無しの真実である。 |
3.何が言いたいのかさっぱり分からん。これも映画なんですか? 【金子淳】さん 1点(2004-07-08 17:10:15) |
2.その昔H.G.ウェルズの「火星人襲来」をニュース仕立てでラジオ放送しアメリカ中をパニックに陥れたオーソン・ウェルズがふたたび仕掛けたフェイク・ドキュメンタリー。といっても、すべてのエピソードが嘘八百というわけではなく、部分部分のエピソードは事実だったりするからタチが悪い。さらにメインの登場人物ふたりが揃ってクセモノときたもんで、かたや贋作専門のジジイの絵描き、こなたその人物を「贋作」なる著作で取り上げたという、もう見るからにウサン臭い作家。そんなやつらの喋ることすべてがマジとも思えないので、観ているこっちは疑心暗鬼になってきて、ついにはボンッ!と頭がショートしてしまう・・・ので、決してすべての人にお勧めできる作品ではありません。が、今まで観たことないような変った映画が観たいという人なら必見。但し、劇中登場する大富豪ハワード・ヒューズについての最低限の予備知識がないと愉しさが半減してしまいますので、晩年の十数年間、重度の神経症(全裸に近い状態でベッドに横たわり、風呂にも入らず髪は伸び放題という状態でありながら、黴菌をおそれて電話の受話器にさえ触れることができず、側近が身の回りのすべての世話をしていたという)を患い、ラスベガスの自分のホテルの最上階でひきこもり生活を送っていた人物であるということだけお報せしておきます。 【じゅんのすけ】さん 10点(2003-09-08 20:07:54) |
1.この映画には注意が必要です。ウソのようなホントの話とウソのような大ボラが混ざっているので、ウカウカ観ていたらしっかりダマされた。オーソン・ウェルズの映画奇術。だが単なるダマシ映画ではなく、真作と贋作の問題や芸術一般についても考えさせてくれる。一夜のマジックショウといった締めくくりもいい。 【アンドロ氏】さん 8点(2002-12-16 01:20:07) (良:1票) |