12.90分で収まるところが2時間超えになったような各シーンのダラダラ感が苦痛で苦痛で。お顔とスタイルの美しさに目を瞠るモニカ・ヴィッティを音を消して眺めているぶんには楽しめる映像美ではありましたが。 何にも価値を見いだそうとしない、感謝することもない、不毛だ不毛だと喚いているばかりの作品にヘトヘトになりました。 アラン・ドロン人気にあやかってひねり出したかのような邦題に苦心の跡が窺えます。 |
11.流れている現代音楽?に象徴されるように、説明を省いた前衛的な映画を目指して作ったのだろうと思う。絵画で言えば抽象画、文学で言えば詩。でも映画というジャンルでやるのは、かなり難易度が高いと思える。 思わせぶりな描写が脈絡なく現れては、回収されずに流れていく。私には、監督のオナニーを見せ続けられているようで不快。 【くろゆり】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2019-02-26 21:17:00) |
10.物質的に経済的に恵まれていても容貌が良かろうとも、誰しも逃れられない虚無感を表した作品として見ました。 決して面白いとは言えないし50年以上前の映画だが、物質的に恵まれた現代に生きる者にも、ヴィットリアの「分からない」という言葉に漠然とした虚無を感じさせられると思う。 愛や株の価値という目に見えない幻想を見、虚無を感じた主役の彼らはとても不幸せそうに見える。しかしそう考えられる彼らは余程幸せなのだ。私には暴落後と比べて、以前の日常に忙殺されたアランドロンの方が不幸に感じる。株に没頭するヴィットリアの母親の方が不幸に感じる。最終盤には空しさを映像や音楽で表現しているが、自分の気持ちとフィットしない。時代は変わったのか。 反対にこの映画を見て感じたのは、虚無を感じる人間の空しさと尊さだ。そして小さな幸せを見つけるということはこういう尊さを感じることのように思う。小さな幸せを沢山感じて生きていきたいと思う。 【さわき】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2018-10-09 09:27:14) |
9.どこまでもめんどくさい主人公のウダウダを延々と見せられるだけの作品。むしろ、冒頭の婚約者との未練たらしい別れのところで、ドラマとしては終わっていました。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2018-10-07 00:43:35) |
8.思わせぶりな演出、深刻ぶった演技、気取ったカメラワークが延々と続きます。思わず「勝手に悩んでろ」といいたくなるような、私の中でのイタリア映画のイメージを壊す作品でした。 【ProPace】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2018-10-06 21:05:01) |
7.日常を丁寧に描くと、シュールになんだなあ、と感心。問題は邦題だ。 【みんな嫌い】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-03-18 23:48:40) |
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6.「太陽がいっぱい」が大ヒットした後、日本ではやたら「太陽は・・・」という名の映画が次々と公開されていった。この映画もその一つ アラン・ドロン主演は同じだが、女優はモニカ・ヴィッティ、いや彼女こそが主役である。美しい、本当に美しい。けだるそうな表情の美しさは、何人をも魅了するだろう。映画少年の私にはまぶしいほどの輝きであった。 映画はきわめて難解、この映画にモニカ・ヴィッティが出ていなければ最後まで見ることはできなかっただろう思う。 それとまた、ミーナが歌う主題歌とツィストのリズム、音楽もまた極めて強烈である。映画を見た後レコードを買い、すり切れるほど聴いたあの頃がなつかしい。 何十年も経ってDVDを買い、再度鑑賞する。昔見た時は、証券取引所のシーンやアフリカの話など突如として飛躍したストーリーだったが、何とかつながったような気もします。 原題のL'Eclisseは「食」という意味らしい。食は食べることではなく、日食の食だと知り、株の大暴落に結びつくものなのかとも思ったりして・・・。 【ESPERANZA】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-03-17 08:27:42) |
5.ただそこに在る無機質なものに囲まれ、一分一秒に一喜一憂しながら人生をかけ、いつ終わるとも知れない恋に、戸惑いを感じながらも身を任せる。 どれだけ愛しあってもその愛が無くなればただの他人。その人にとってはいないものと同じ。それでも、ただ無機質のように存在する事が出来ない為に、また他の誰かに認識されることを求め、生きていくんだと思いました。 【ちゃじじ】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-11-10 01:32:15) |
4.ドライですな~。。主人公の女性が子供っぽい笑い方をしては無表情になり、また笑い出しては無表情になり、なんでと聞かれると「分からない」。んードライ。。。。 【njld】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-04-27 01:56:07) |
3.自身も10年連れ添った妻に突然別れを告げられたという過去を持つアントニオーニの「愛の不毛三部作」の三作目。前作『夜』では愛の喪失の理由が語られるが、この作品では「わからない..」を繰り返す。こちらのほうがより現代的で「愛の不毛」の名に相応しい。 株価暴落で損をした顧客たちが怒る。損をするというリスクは最初からあったのに損をしてはじめて現実を見る。突然やってくるこの現象は冒頭の突然の別れと似ているように感じた。愛したいが愛に意味を求める、あるいは本当に愛したいのかさえ分からない、そんな女が作りだす乾いた関係が建設途中の高層住宅の殺伐とした風景にオーバーラップして描かれる。背景のひとつひとつが心情をあらわしており、どうしようもない不条理感で溢れている。私見ですが、背景になんらかの意味を持たせる作家は数多くいれど、アントニオーニほど徹底している人もアントニオーニほど的確な人もおそらくいない。 【R&A】さん 8点(2005-01-19 12:25:50) (良:1票) |
2.人生とは何かを2時間強のダラダラとしたテンポでお説教してくれます。この映画で伝えたいような事は誰しもふとした時に感じてるはず。今更この映画でそういった感情を再確認するまでも無いよ、私は。どうあがいたって、時は流れるんだから。アントニオーニ監督の撮り方がどうのこうのなんて私には関係無いしね。アランドロンのファンなので観ました。 【べんちゃんず】さん 6点(2004-11-02 15:04:38) (良:1票) |
1.ミケランジェロ・アントニオーニが醸し出すこの雰囲気、やられてしまった。現代社会がもたらした現代人の空虚感がこの映画にはプンプン漂っている。乾いた映像(特に飛行場のシーンや、ラスト五分くらいの映像)、「分からない」を連発するモニカ・ヴィッティ、機械的な音響など、惰性で生きているとしか思えない現代人の心のむなしさ、愛の不毛を完璧に視覚化している。まさに神業であるといえるでしょう。愛し合うこともできない人間、その苦しさは半端ないものだと思う。 STING大好きさんが言うように、アントニオーニの映画に出てくる登場人物は怖いほど背景と同化してしまっていると感じさせられた。その証拠に、この映画にはアラン・ドロンが出ているが、そのかっこよさが十分に際立つわけでもないのだ。不思議な感じがした。ミケランジェロ・アントニオーニは奥が深い。深すぎです。 【たましろ】さん 10点(2004-02-06 22:49:31) (良:2票) |