1.共に今年公開された「私に会うまでの1600キロ」と本作。ヒロインを演じる女優が体を張った熱演を見せ、
1人の女性がひたすら徒歩で行くという、過酷な旅を成し遂げた実話に基づくロードムービーということで共通点を感じる作品。
顔も肌も埃や垢で汚れ、髪もボサボサに乱れ服も擦り切れ、きっと実際の旅もこんな感じだったのかと思わせる。
ミア・ワシコウスカの静かなる熱演が印象に残る。
「私に会うまでの~」はトレッキングのコースとなっており、時折町を通りかかることもある。人との出会いも多く、
雪原があったり山岳地帯や森林地帯を通過したりと、旅のロケーションも頻繁に切り替わる。
一方の本作は、どこまで行っても何も無い砂漠の荒野が果てしなく広がり続けるので、ロードムービーの風景としては単調ではあります。
1人の時間が多く台詞も少なめ、4頭のラクダと1匹の愛犬と共に旅する風景をとらえ続ける。
時折彼女の過去がフラッシュバックされますが、彼女の心境に関しては読みづらい面が多かったです。
また、野生のラクダやカンガルーを撃ち殺すといったシーンも登場しますが、
こういう未開の地で生き延びるということは、きっとこういうことなのでしょう。
旅の風景の大半が荒涼とした風景の連続だったこともあり、ゴールの海の青の美しさと爽快感は格別でした。