《改行表示》19.《ネタバレ》 コレも大昔に観ていて、その時は正直シックリ来なくて、しかし今回観直したら(意外なマデに)観入ってしまいましたね。この監督も超・寡作な方ですが、同じタイプ…てワケでもねーのですがやはり何処かヴィクトル・エリセはまた確実に思い起こされた…な~んて。でも、何故彼らが寡作かとゆーて、やっぱとにかく「画」にはこだわりまくってますよね。今作も、よく見るとマ~何処も彼処も素晴らしいショットだらけ(とゆーか、ソレしかない)ってな感じで、ソレだけでも2時間観てゆけちゃう(で実際観てゆけちゃった)と言いましょーかね。また暫く後には再見するかと思います。 演技は、かなり特徴的なので端的にクオリティが高い、とゆーのとも異なるとは思いますが、作品と調和しているかと言えば間違いなくそう(=成功してる方)でしょうし、その他諸々主演2人の仕事ってのはごくごく素晴らしいモノだったと思います。一点、物語としては極めて進み方が緩慢(とゆーか、殆ど前進してゆくコトもないし、当然何処かに辿り着いて終わるワケでもない)であるコトについては、個人的には好みとしては(=好きか嫌いかで言えば)私のソレからは外れては居ます。なので一点だけ引いておきます。 【Yuki2Invy】さん [インターネット(邦画)] 7点(2023-04-14 20:37:09) |
《改行表示》18.《ネタバレ》 明るい映画ではないが、主演二人は非常に良い。 普通の時とおかしくなる時の落差のある松坂慶子の演技が特に出色。 セット撮影も多いが、基本家庭内の話なので興をそぐ訳でもない。 【クリプトポネ】さん [DVD(邦画)] 7点(2018-02-11 16:10:47) |
17.やっと平穏が訪れたと思ったらまた壊れる妻。夫も壊れていく。何度もフェイントを食らわせてくる映画。こういった演技が板についた女優さんだったらかなり精神的苦痛を伴うホラー映画になっていただろう。突然口調が変わって別人になってしまうホラーな役を、松坂慶子という和み系の美人が演じたからこそあたかもコメディのように微笑ましく見ていられる。しかも脱いで下さる大サービス。全然脱ぐ必要無い場面だったからこれもフェイントだった。岸部一徳の演技もどれだけダメージを食らっているか分かりづらくて、突然壊れる様がまたいい感じのフェイントになっている。キャスティングが見事。 【にしきの】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2017-11-28 23:00:30) |
《改行表示》16. こんな演出も“あり”かな。劇中、わずかな時間に現れるハマユウの群落………花言葉が語る主人公のピュアな愛。 歌の歌詞に似た感想が偶然思い浮かぶ。 これも愛 たぶん愛 きっと愛 【風小僧】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2017-11-12 18:53:31) |
15.松坂慶子はほぼノーメイクに見えます。今日日、ノーメイクでアップを張れる女優さんがどれだけいるか、それを考えると、この女優は本質的に美しいのだな、と思います。その美しい女優さんがみせる迫真の演技、後味がよいとは言えませんが、見て損はしない作品です。それにしても恐ろしいお話でした。 【la_spagna】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2017-10-18 18:24:42) |
14.ほとんどが2人芝居の趣で、じっと息を潜めるような空気感の中、じわじわと進んでいく。従って、これはかなり高度な演技力が要求されるのですが、やはり松坂慶子には荷が重かった。また、岸部一徳も、この頃はまだ目立たない役が多かった頃で、したがって全体にぎこちなさが漂っています。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2017-09-28 02:12:28) |
《改行表示》13.不倫という辛辣な題材ではあるが、夫婦の会話が面白くて、あまり堅苦しさは感じない。 人間臭い人物描写、登場人物たちの心象を映像で表現しているシーンがとてもよかった。 終盤の展開はさすがに重苦しく、このあたりはもうひと工夫欲しかったところ。 夫役の岸部一徳はハマリ役、松坂慶子も安定感のある演技を見せてくれます。 テーマはあえてぼんやりさせているも、構成、演出と、監督さんの手腕が光る逸品。 【MAHITO】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2012-09-16 04:29:45) |
12.《ネタバレ》 人間の狂気性の悍ましさとシュールな笑いが共存している凄い作品。松坂慶子の圧倒的な演技と岸部一徳の不気味な個性が噛み合ってエライことになっている。印象的なシーンが2つある。1つはプラットホームでミホが邦子を見かけ半狂乱に陥るシーン。公共の場こそ狂気が映える場所で、いきなり「アイツが~」と言い出した時はホントにドキッとしました。「アイツ」という言葉が憎悪を的確に表していますね。もう1つは水のない沼地で何故か船に乗ってるところ。不協和音の音楽と飛び回る鳥が相まって不気味さ全開。手汗も全開。一方で面白いところもあって、心が正気と狂気の狭間にある時はどこかしらシュールさがあるし、最後の女同士の取っ組み合いは冷や冷やしながらもどこか可笑しい。あんなのそんなに見れるもんじゃないです。非常に見応えがある作品でした。 【さわき】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2011-07-21 01:05:39) |
11.《ネタバレ》 怖い。とにかくこの映画をどんな映画か?と聞かれたら真っ先に「怖い映画」だとそれ以外の言葉が浮かばない。幼い二人の子供を持つ夫婦、夫には妻以外の別の女との不倫関係があり、妻はそれを知っている。そして、その妻の夫への恨み、怒り、その怒りの矛先は夫だけでなく、夫の愛人へも向けられていく。男と女の間には様々な問題が生じる。子供がいても感情を抑えることが出来ずに狂乱する妻、ミホの十年間の恨み、自分を苦しめてきた夫トシオの不倫、それによって人間が人間としての本能、人は愛されたいと願えば願うほど、愛してきた者に裏切られた時の感情を抑えようとすればする程、気が狂ってしまうものだと言わんばかりのこの狂気、妻の狂乱ぶり、それに絶える夫、そんな両親の姿を何も出来ずに見ている子供二人の視線からも描かれている映画である。どんなに喧嘩しても憎しみあっても子供がいる。だから二人は絶対に別れようとはしない。子供こそが家族の象徴、子供がいればこそ繋がっている。いつまでも一緒にいられるトシオとミホの二人、「子は鎹」とはこの映画の主人公の姿を見れば思わずにはいられなくなる程に子供の視線というものがこの映画の中の二人を支えているのである。それは子供の力も大きいがどんなに罵りあっても二人は愛し合っているのが解るラストシーン、それまで憎しみに満ちた表情しか見せてこなかったミホが「あなたが私を呼んだから戻ってきたの」という台詞に込められている。ミホのトシオに対する深い愛の結晶と言えるような終わり方に、何か色んな愛の形が感じられて、この映画は単なる狂気ではない愛の映画、家族の映画であるというのが私の観ての感想である。 【青観】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2010-05-26 22:24:05) |
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《改行表示》10.ホラーであり、コメディ。 この絶妙な味わい。 いやぁ、楽しかった。 しかし、岸部一徳が演じた夫は凄い。 ここまで妻に食いつかれて、最後まで立っている。 いや、途中何度か倒れかけはしたが、それでも持ちこたえた。 この映画の何が凄いって、この夫でしょう。 この映画は、私のような妻帯者に“浮気”というものの怖さを強烈にうったえてくる。 こんな映画を観た後は、とてもじゃないが、浮気なんてさらさらする気も起ってきません。 それにしても、この当時の精神病院って、怖いのねぇ・・・ 電気ショック療法に、持続睡眠療法?! 風景描写も含め、そんな時代背景を垣間見れるところも、本作の見所の一つだ。 【にじばぶ】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2009-08-30 22:39:55) |
9.他の方もいっていますが、アップがほとんど無い。それによってわざと感情移入させないつくりになっていて、客観的な視点から観客は映画を見続けます。確か小栗監督はこの映画をコメディとして撮ったといっていたような気がしますが、カメラを引くことでそれに成功している。逆に、感情移入を促すような描きかたをしても、このような狂気的な事態にすっかり共感できる人は少ないと思います。そういった意味で監督がとった不気味なコメディという選択は正しかったんじゃないでしょうか? |
8.淡々とした独特の間合いを作りつつ、時にコミカルに、時に物悲しく、時に狂気に、夫婦の顛末を描く映画。非日常的な台詞や、突然、観てるものを突き放す言動なんかは、ちょっと前衛的な舞台劇っぽい感じもしました。しかし、この奥様の言動にはリアルな部分も多々ありまして、嫉妬に七転八倒する奥様を非常にうまく描いている気もします。だもんで、最後まで非常に興味深く鑑賞させていただきました。つまり、退屈は全然しなかった。でも、観てる気持ちとしては、別に悲しくもなく、衝撃的でもなく、第三者的な立場とゆーものが災いしてか、いたって平常心。だから、おもしろさ具合でいえば微妙です。 【なにわ君】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2006-01-30 08:45:56) |
《改行表示》7.なんなんだ、これは。醜い闇の心を描いた、どうにも暗くて映画だ。 嫉妬、狂気、疑念、葛藤、猜疑心。こんな言葉が渦巻いてくる。 主演二人の演技はほとんど完璧と言っていいほどだ。 それが、この作品を芸術の域にまで高めている、そんな気がしてくる。 【mhiro】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2005-07-08 11:13:56) |
6.文学調のセリフや独特の間に慣れるまでちょっと観ているのが辛かったですが、変な魅力のある映画です。現代音楽の不思議な響きがとても効果的に使われていました。 【paraben】さん 6点(2004-12-19 16:12:24) |
5.本作には独特の間合いがあります。間じゃなくて間合い。カメラのアップはほとんどありません。基本的に引いた位置で、美しい構図の絵を切り取っていきます。その中にトシオとミホがいますので、彼らと観客の間には距離が、空間が出来ているわけです。彼らが「ワアアアア」と叫ぶとき、私たちはそれに付き合わなくてすむ。観客は傍観者の立場をキープできるのです。端から見る夫婦喧嘩は、悲しく、苛立たしく、深刻なのに、時に滑稽で笑ってしまう。この間合いは味わったことがあるぞ、とつらつら考えていましたら、どうもつげ義春の漫画にそっくりなのでした。不思議な余韻の残る作品です。娯楽としてはお勧めしませんけれど・・・。 【円盤人】さん 5点(2004-09-12 01:06:48) (良:1票) |
4.まずこれが実話だってェのにどびっくり。そして、あってないようなストーリーに鬱。でも岸部×松坂の、狂気の中でも醜くならない演技に感動。いい映画です。最大の間違いは、これを観た直後に『ポゼッション』を観てしまった事かな…同じ話なのに対極の造り方のこの両作、どうしても比べてしまいがちです。そして軍配は、巧打を積み重ねて良作に仕上げた本作よりも、人間の壁を突き抜けたイザベル・アジャーニの悪魔的演技が全打席ホームランのように爆裂する『ポゼッション』に上がってしまうのは言うまでもない…力演の松坂慶子さんごめん。こりゃ相手が悪いよ。 【エスねこ】さん 5点(2004-04-17 18:32:57) |
3.狂気の嫉妬行為か。当然の嫉妬行為か。境界線上でうまく描きつつ、犬も食わない夫婦喧嘩の深刻さと滑稽さを出していた。久しぶりに、こんな表現方法もあるのだなぁ、と感心した作品。夫の浮気に激怒しつつも突き放せない妻の性(さが)が、昭和の風景にとても合っていた。昔の児童本に出てきそうな、大人しくていたいけない子供がかわいそう。 【チューン】さん 8点(2004-03-01 12:03:25) |
2.不思議な間合いの映画だったように記憶しています。島尾夫妻ほか、お子さん(だった)かたが「月の家族」というエッセイ?を記されています。 【its】さん 8点(2004-01-11 23:15:46) |
《改行表示》1.夫に対する妻の業の激しさに、たじろぐ人は多いでしょうけれど、人の心の中には、多かれ少なかれこういうものの片鱗はあるはず。そのデフォルメとして見てみれば、決して極端な話とばかりは思えない。哀れでもあり、滑稽でもあり、戦慄でもあり、まあつまりとても映画的なのかもしれないなあ、と思うわけです。岸部と松坂は、それぞれなかなか的確な演技。どんな感想を持っているのかは知りませんが、21歳の息子もこの映画をある意味、評価しているようです。友達とたまたま本作の話になり、彼が「あーそれ見た」と言ったところ、その友曰く「お前ほんとに何でも見るんだなあ」と驚いていたとか。確かに若者が好む作品とは到底思えませんが、まあ雑食よろしく何でも見ることは、わるいことじゃないでしょ。 【おばちゃん】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2003-12-25 10:50:13) (良:2票) |