31.《ネタバレ》 ○原作未読○世間ではかなり絶賛されているようだが、そこまで斬新さなど感じはしなかった。○中島監督作品は初めて観たが、視聴者を映画の中へ引き込む力が感じられた。冗長な感もそれほどなく、テンポの良い2時間弱であった。○自分としてはあくまで人の言うことを信じすぎるなというのが一番のメッセージに感じたのだが、そう観てしまうといったいどの人物のどの発言を信じたらよいのかという、若干本末転倒的な現象が頭の中で起こってしまった。でも、この手の映画なら仕方ないか。○展開としては、ミステリーとは称しているものの、効果的は伏線はなく、その人物から見える、製作者として都合の良い部分だけ見せている印象だった。また、あまりにも現実から離れているシーンが散見された。○思春期の子供たちをなかなか上手に描いているなと感じた。○映像としての斬新さはなかったが、緩急の付け方が非常にうまかった。ただ、予想以上にグロかった。○映画を鑑賞してから予告編(30秒ver.)を見てみたが、ちょいと面白そうな学園ミステリー。軽い気分で観に来たカップルなどには残酷な結果だったかもしれない。 【TOSHI】さん [映画館(邦画)] 4点(2010-06-27 21:50:45) |
30.《ネタバレ》 『告白』は今年の日本映画界の「事件」だ。完全に心を捕えられた。 あとで興味を持って原作も読んだが、湊かなえ氏が心の深い所で抱えながら 文章では描ききれなかったかもしれない、その凄まじいほどの「熱」を この映像は見事に描いてみせた。 原作もショッキングな内容であるため、いくらでもおどろおどろしく描くことが出来たに違いない。或いは「少年法」云々…という社会性の強いメッセージが残るようなリアリティーのある表現法を用いることも出来たはず。しかし中島監督の関心は恐らくそんなところにはなかったのだろう。驚いたことに中島監督はこの『告白』を、ほとんどファンタジーとして描いた。「報復」というテーマをそのままリアルに描いたところで、それは偽善的か偽悪的にしか多分ならないし、報復を「Yes」や「No」で描くことはいずれでも人間を絶望させてしまうだろう。しかし詩的でさえある卓越した映像表現(そして、予測がつかないような見事な音楽表現)によって、観る者の心に自由に語り、観る者を信頼して委ねている、そんな完成度の高いファンタジックな作品だ。 そしてその根っこに見えてくるのは、中島監督の、人間に対する熱い熱い「愛」だ。特に「逆回転時計」(原作ではそれほど多く言及されない)をクライマックスに持ってくる映像には息を呑んだ。「時」は絶対に元に戻らない。そこに人間の悲劇がある。「あの時、あんなことがなかったなら!」と、人は何度過去を呪ったり、後悔したりすることだろう。そんな人間に対して「時よ、戻れ!」と中島監督はやってみせた!スローモーションの多用も、残酷な「時」の流れに対して「待った!」をかけているとも言えるのではないか。また、時折挟み込まれる、空の映像も印象的だ。いつも太陽が隠れている。希望が見えにくい人間の現実。しかし最後の最後、エンドタイトルで、太陽が雲から現れようとしているようにも見える!これは監督の祈りにも似た思いのようにも思えた。他にも、カーブミラーを効果的に用いることによって、自らの姿を相対化して見ることへの促しと、大きな者(神)の存在に映る視座さえも感じる。 松たか子は意外なほど登場している時間は短いが、その存在は圧倒的。ああ、今年も主演女優賞(キネマ旬報等)は松たか子か。だとしたら、去年はぺ・ドゥナ(『空気人形』)に取って貰いたかった! 【ワンス・モア】さん [映画館(邦画)] 10点(2010-06-27 21:21:18) |
29.《ネタバレ》 邦画を見に映画館に行くのはとても久しぶりでした。前知識ほとんどなく、中島監督だし外れないかなーくらいの心持で行ったら、・・・おもっ!ちょっとびっくりしました。原作を読んでいないので、森口先生の言動が、どこまで本気なのか、実はあぁは言っているがどこかで許そうと思って苦しんでいるのではないか、などと見ながら見てましたが、許す気なし!だったということでいいんでしょうか。 いや、やはり許す許さないという話ではなく、絶望。それだけなのかもしれません。 最後のシーンが、ちらりと「模倣犯」のラストを彷彿とさせ、一瞬ま、まさか・・・とドキリとしましたが、きれいに終わりました。ここは一安心。笑。 中島監督らしい進め方で、ぐいぐい引き込まれます。俳優陣も見ごたえありました。 中学生の、いっちょまえな嘘だったり、不安だったり、でもすげー子供だったりするところが、見ていてすごくいらいらするけど、自分にも覚えがあるような。 血しぶき飛びまくりで、予想外にグロいですが、見ごたえありました。 【しゃっくり】さん [映画館(邦画)] 8点(2010-06-27 00:09:44) |
28.教師の知り合いが何人かいるが、彼らに見せてあげたい! |
27.《ネタバレ》 すごい意欲作。映像,ストーリー,音楽,登場人物など,どれも斬新。ただ,あんな生徒はいないだろうなというところや,復讐方法がかなり回りくどくて確実性もないところなど,現実味が感じられない。意外と見終わって何も残らなかった。 【Yu】さん [映画館(邦画)] 7点(2010-06-22 15:31:33) |
26.一言で言うと凄い映画。前評判の高さからか平日のレイトショーにもかかわらず30人以上の観客がいたが、エンドロールが終わるまで誰も席を立たなかった。ただ中島監督の「下妻物語」「嫌われ松子の一生」「パコと魔法の絵本」はDVDを買ったが、これはコレクションしようとは思わないかも。 【Q兵衛】さん [映画館(邦画)] 8点(2010-06-22 10:44:33) |
25.人と人となんてのは分かりあえる生き物ではなく、そもそも誰しも本当の自分なんて他人に分かって欲しいとも思っちゃいない。心のすれ違いという言葉では生ぬるい、もっとドロドロとした沼底みたいな見通しの悪さが社会にはある筈で、そこにエゴという黒い汚染が混入してしまうと仮初めの秩序はいとも簡単に乱れる。みんなそれに気づいてはいるんだけれどもあえて知らないふりをしていて。そんな当たり前のことをこの映画は深く抉ってつきつけてくるから、不快だ、怖い、ナンセンスだと思いつつも目が釘付けになる。決してまた見たいと思う作品ではないので1点減点はしたが、正直面白かった。それにしても松たか子はすごい。抑える演技をしつつも、突如内側からものすごい輝きを放つ瞬間を見せたり、次の瞬間にはオーラをかき消したり。主演の割に彼女の出番が少なかったのが一番残念。 |
24.《ネタバレ》 一言では言い表せられない作品です。後味が悪すぎて、簡単には人にお薦めできないです。でもとにかく凄い!こうも映画化しにくい物語を、忠実に、むしろ映像の良さが表現されていて…。原作では、第六章で成り立ち、とにかくそれぞれの人物が一方的に語っていく訳ですが、映画で表現すると、このような展開になるのか…と、中島監督の手腕に脱帽です。また、役者陣の思わず唸ってしまうような芝居も魅力でした。主役の松たか子は文句なしです。原作ではとにかく冷静な(非情で冷血ともいえる)イメージですが、彼女が演じることによって、どこか柔らかい女性像がみえました。演技指導が厳しいことで有名な中島監督ですが、撮影現場はどのようなものだったのでしょう?(笑)一番感心したシーンは修哉が母親に見捨てられた時に聞こえた、泡が弾ける音。シャボン玉。これは映像でないと表現されませんね。私は、映画を見て、原作を読みましたが、もう一度映画を見ようと思います。 【西川家】さん [試写会(邦画)] 10点(2010-06-19 07:41:39) |
23.《ネタバレ》 凝った映像が印象的でした。映画全体に悪意だけが漂うストーリーなので好き嫌いは別れるかも知れません。冷酷で異常な少年も、結局は捨てられたママに会いたいのが理由で・・と言うよくあるパターンに多少がっかりもしました。 【東京ロッキー】さん [映画館(邦画)] 8点(2010-06-18 18:27:30) |
22.この映像感覚はすごいなぁ。逆再生はやりすぎで、最後も邪魔に感じてしまったのだけど、スローモーションやあえてカットを飛ばすところなど、すごく斬新で、ポップで、観やすいのだけど雰囲気を壊していなくて素晴らしかった。ストーリーに関しては特に言うこともないというか、今思い返してみるとよくある話、といっては語弊があるけれど、よくあるキャラ、要素を合わせた感じでした。とはいえ松たかこ始め、演じてる方々は力が入っており、迫力があります。うーん。すごい。一気に観させられる。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-06-17 01:05:42) |
|
21.《ネタバレ》 レディースデーの劇場で鑑賞。周囲は、団体のおばちゃん達がたくさんで、「うるさかったら、やだな・・」と思いつつの鑑賞だったが、そんな心配は全く無用。周囲に人が居ることすら忘れるほどに、冒頭から映画の世界に吸い込まれ、そしてエンドロールが終わるまで、観客全員が息をのんだ状態だったような気がする。ずっと読みたかった原作だったが、未読のまま、先に映画を見ることになった。監督のこれまでの作品と比べてどうかとか、難しいことは一切わからないけど、単純に、すごい映画を見てしまった・・と思う。中学1,2年の頃の自分は、自意識過剰で自己中心的で、ものすごく打たれ弱くて、今の年齢になって考えると心底虫酸が走る嫌な人間だった。大人になって初めて見えてくる、あの年代特有の嫌な部分を、これでもかって程に見せつけられる不愉快さ。自分の子どものことにしか心が動かない、少年B母の狂気。愛するわが子を失ったことで、感情も失ってしまったような森口の顔(妙に眉毛が薄い、松たか子のメークが絶妙!)。さらに、個人的には、牛乳をこぼすと、何度も何度も拭いて、匂い残りをチェックせずには居られない方なので、牛乳のシーンには、かなり不快感を煽られた。そして、憎いはずの少年A の「告白」シーンでは、少しだけ彼に同情してしまったり、森口の復讐行為に、「ちょっとやりすぎじゃ・・」と思う反面、実は胸のすく思いがあったりと、相当に感情を揺さぶられた。そして重苦しい空気に包まれた100分間だった。 【おおるいこるい】さん [映画館(邦画)] 10点(2010-06-16 22:11:37) |
20.この監督さんのセンスは、日本一と思うのだが、毎回題材が極端に明るいか暗いかになるのが気になる。今回は暗い方。娘を教え子に殺された教師が、復讐をする話だが、そのやり方はどうだろうと思った。告白するだけで、十分いじめの対象にできたと思うし、犯人Bには有効だったが、犯人Aにはかえって強みにしてしまった気がする。あの女子生徒はかわいそうだった。あれがなければ、犯人Aにも救いようがあったのだが・・・先生の最後の言葉は、どっちとも取れるが、まあやってないという事でしょうね。 【Yoshi】さん [映画館(邦画)] 6点(2010-06-16 22:02:23) |
19.原作未読。/CMかミュージックビデオのように手の込んだサービス精神溢れる映像。それをずっとテンションを保ってたたみかけるようにテンポよくリズミカルに見せ続ける。この監督の魅力的なスタイルです。私は好きです。その映像は派手で悪趣味ですが(こんなの映画じゃないと言う人も多いだろうが)、バズ・ラーマンやダニー・ボイルに勝るようなカッコ良さがあると私は思います。おそらく日本独特のサブカルの土壌の上に成り立っており、見せ物的に見事だと思います。/そうした映像の手法は、前3作では存分に威力を発揮し、私は映像の勢いに流されるままに楽しませてもらいました。しかし、本作ではそうはいきません。本作は復讐劇、サスペンスとしてはたしかにそれなりに面白いでしょう。人間の闇の部分なども結果として垣間見えているかもしれません。だが、物足りません。本作には倫理の根幹を揺り動かされるような衝撃がありませんでした。現実味のないばかばかしいストーリーでも構いません。ただ、こんな人間の悪意を描くような話だと私はどうしても心に対する強烈な一撃を求めてしまうのです。「罪と罰」なんかを下敷きにもってくるからには、いわば自分の存在自体に不安を覚えるような恐ろしさや気持ち悪さを感じさせて欲しいと思ってしまうのです。人物ごとのモノローグで展開という形式や過激なストーリーから「紀子の食卓」を勝手に連想してしまったのですが(全く別物だけど)、衝撃や強度、叙情性といった点で本作はあれには全然及ばないと思います。中学が舞台の残酷な話という点から「リリィ・シュシュのすべて」も連想してしまいましたが、あれを観た時のように心が痛くはありませんでした。/パンフを読むと、監督はこれまでの自分の作品には「余白」がないと反省して本作を作ったというようなことが書いてましたが、その点改善があるとは思えません(別に改善しなきゃならないとも思わないが)。映画全体をコントロールしてしまおうとするかのような姿勢(別にそれが悪いとは思わないが)が本作ではやや傲慢で単純に感じられてしまいました。勝手な印象ですが、特に逆再生の部分なんかは余計な作り込み(前作まではそういうのが良い方に働いていたが)で陳腐に感じられたし、不要だとすら思います。/ところで、「ヴィヨンの妻」に続いて松さん良かったですね。どこか浮世離れしたかわいらしさが好きです。 【しったか偽善者】さん [映画館(邦画)] 6点(2010-06-16 01:25:01) |
18.《ネタバレ》 原作未読。映画を見た感想は「お腹いっぱいご馳走様でした!」と数年ぶりに大満足できた一本です!! 冒頭は、私語ばかりで落ち着きのない生徒たちと、それを当たり前にして話をする教師の姿にイラッとしましたが、ラストにはそんな気分もすっかり消え失せてニヤリ&スッキリ。ものすごくスカッとしました! 日頃「子供産んで無責任な育て方してる奴は社会の迷惑だ」と思ってる口なので、不謹慎と思われようと、今回の物語の二人の母親がその責任を取らされたのが気持ち良かったです。少なくとも今回の物語のケースは二人とも母親失格間違いなし(なので「こんなしっかりした親にしっかり育てられて、何故?!」というようなケースならどうなのか気になりますが)。しかし大人の男が全く存在しない世界の話でしたが(ウェルテルもまだ若すぎて「大人」ではない)、これはしっかりした大人の男が不在の社会がいかにして甘ちゃんで勝手な子供たちを作り出すかというのを見せられた思いです。そもそも物語から無視されるほど、男親側も情けない。【追記】以前、少年院の子供たちの手記集を読んだことがあるが、ある程度同情はできても「そんな甘えで人を殺すな!」「ふざけんな!」と怒りたくなるものがいくつもあった。テレビ報道を賑わせた有名事件も含め、犯罪動機のほとんどはバカバカしさに満ちている(大人の犯罪だってバカバカしいのは多い)。なかには自分自身の心理さえつかめなくて真実の動機など本人にも把握できてないケースもあるだろう。現実にバカバカしい悲劇が何件もある。失った命の天秤の向こう側にあったものの質がそういうことなのだ。それだけに主人公森口の放つ「どうしてですか」の末の「バカバカしい!」は印象大。命の重さを表す「パチン」と「ドカーン」の対比もいい。昔は真剣に向き合って叱ってくれる恐い大人というものがいた。今は「子供と同じ土俵に立って大人げない」なんて言われかねない世だが、一方で「子供も大人と同じに法で罰しろ」とも言う。少年法云々の前に、子供たちを作り育てているのは大人たち社会であることを思う。その大人の責任が先。自分の場合、少なくとも命に関わることされれば真剣怒る。反省したふりなんて楽勝でこなしそうな少年Aなど、司法や警察や世間といった他人任せで済ますほど自分は他人の心や力を信じないし、本当に痛みを思い知らせることができるのは当事者だけだと思う。 【だみお】さん [映画館(邦画)] 10点(2010-06-14 16:45:53) |
【Keicy】さん [映画館(邦画)] 8点(2010-06-13 21:04:58) |
16.《ネタバレ》 色々とコメントしたいところですが私はあえて・・・やはり最後の一言 「~なんてね。」 がつくかつかないか。原作は電話のみのやり取りで、更に疑問を投げかけて終わっているが、映画は実際に目の前に現れ少年の髪を掴み、軽い感じの~なんてねを使用している。 監督の優しさから出た言葉なのか、空想を広げようとしたことなのか?・・・はたまた主人公の復讐に狂気を持たせたかったのか?私はどれなのかよく解りません。 実際爆発したのでしょうか?それも明確でもありません。 私は爆発しなかったと思っていたのですが、一緒に見に行った母は私と意見が違っていました。 もし少年2人の母親が復讐と化した教師の操りによって、結果的に息子に殺されてしまったのであれば、見終わった後の感じ方が全く変わってしまう・・・。 個人的に「後は想像で・・・」という終わり方が好きではないので-2点にしています。 見た人によって色んな意見が出ると思われる、問題作ですね。 映像も、役者さんの演技も見事でした。 血が苦手な私はちょっと眩暈がしました。 母は見終わった後、呆然としてすれ違う人と何回も肩がぶつかっていました・・・。 そんな映画でした。(今後忘れることもないであろう濃い映画。) あまり人には勧めたくありませんがね・・・。 【だんぼ32cm】さん [映画館(邦画)] 8点(2010-06-13 15:05:15) |
15.《ネタバレ》 大賞受賞に偽り無し!面白すぎて一気に読破してしまった湊かなえの原作。 ベストセラーの低脳映画化などよくある事、不安過多で鑑賞したが、この作品の出来栄えは想像を遥かに超えていた。この作品のもつ“あの”異様な空気が存在し続け、鑑賞時間があっという間に感じてしまったほど。 既に内容など分かってるのにここまで面白いと思ったのは稀ですし、この監督と自分はシンクロしてたのかと思うほど想像どおりの映像化なのが怖い。。面白いと一概に言うのは語弊があるけども素晴らしい作品。今後は「告白」の監督と宣伝文句決定か!?(笑) 物語は原作同様に登場人物の告白、各々の主観形式で進んでゆく。それ故、序盤から非常に台詞が多いのも特徴だが、その台詞ひとつひとつがシークエンスとなってる点も興味深い。「人間の失敗作だよ」ではなかったのはアレですが、一語一句に至るまでもほぼ忠実。映画なりに脚本はコンパクトに纏まられているが、全体が青白いトーンであったり、モノローグの挿入方法やカメラの目線や高さがどうしてあの位置なのかなど、映像化への昇華、演出が見事というしかない。 先生の告白で始まるファーストシーンは特に象徴的であり、これから語られる作品の異様さがにじみ出ている。学級崩壊寸前の雰囲気の中、淡々と冷静に淡白に語る先生。そして生徒が興味を惹くキーワードを小出しに話していくにつれ、静まり返っていく教室内。このあたりはホント背筋の凍る怖さを感じました。松たか子のキャスティングは良かったがウェルテルはちょっとイメージ違ったかな。 賛否両論のクライマックス、逆周り時計のエピソードがあんな形ででてくるとは驚き。後味良くないと思われつつも「ドッカーン」で気分スッキリしたのは自分です…なんてね! 【シネマブルク】さん [映画館(邦画)] 10点(2010-06-13 12:24:17) |
14.《ネタバレ》 この悪意満載の映画には正直、興奮した。結末どころか中身が全部わかっている以上、映画になったときに期待するのはどの辺まで小説のアイデアを拝借してまるで違うものが作られているかということだが、ここまで同じ話なのにここまで面白く、映像や音の威力というものの神髄を見たかのようだった。 後味が悪いことや、倫理観が壊れてしまうような感覚、自分が知っている子供世界との差異へのたじろぎのような不快感は、すでに全く同じような原作の感想を方々で見ている。この作品が持つ不快感というのは明らかに作り込まれた不愉快であり、人造であるが、自然と作品の主張であるかのように存在感がある。 人工物であるという、隙のようなものがある種の箱庭感、安心感を醸すのだがこの作品に神経を逆なでされた人たちは、策略に乗せられても現実世界をもう一度認識することで強い不快感を顕わにする。それはこの作品の中で広がるいやな世界を否定することで現実世界の安心感を確かめたということだと思う。 しかし、これほどの不快感を人に与える暴力的なお話であるというところに私は何とも言えない魅力を感じてしまう。原作のもつ人に煩累を植え付ける暴力性を否定する書評やレビューが自然と、その嫌悪感の虜になった人たちの評価を浮き上がらせる。なんというか巧妙な心理操作がたまらない。心地よささえ感じてしまった。 松たか子がなぜかすんごい美人に見えて、吸い込まれるように感情移入してしまう。言い逃れする余地を存分に残し、最後には仕返しのためなら無差別に殺してみせる。実行犯を仕立て上げておきながらなお、すべてを失っている彼女は、真実が露見したら自殺するから良いもんね位の軽い薄ら笑いを浮かべた。「私が命の重さとか言っちゃって面白かった?ケケケ」的な確信的な薄ら笑い。が、なぜかすんごい爽快感だった。なんだこのザマーミロという爽快感。 なんかオレ変なんだろうなきっと。 【黒猫クック】さん [映画館(邦画)] 9点(2010-06-13 01:09:44) |
13.《ネタバレ》 アップとスローモーションの多用、不安を煽るCGの曇り空、松たか子の舞台的な芝居掛った演技、唐突に始まるクラスメイトのダンス、ステレオタイプに肉付けされた反抗的な中学生達。全体が「ああ、作り物の世界だな」と思える演出はいつもの中島哲也らしい。原作小説の中盤を一纏めにして描いた事はストーリーのテンポを考えると上手い選択ですし、観客の物語に対する関心をグイグイ引っ張っていく手際は流石だなと思えます。 ただこの映画(原作も)、観客が聖職者の生徒への復讐が成し遂げられ様を見てスカッとしてしまう所が最も怖く、最も面白い点だと思いましたので、前述した様な「作り物で~す」と思える舞台にしちゃったのは個人的に勿体無いなと。画作りをリアルにすればするほど松たか子に感情移入出来て、最後の復讐を目の当たりにした時、観客に恐ろしい爽快感が残ると思うのですが。でも何故か人が死ぬ所だけはやけにリアルなんですよねぇ。 【民朗】さん [映画館(邦画)] 5点(2010-06-13 00:37:28) |
12.自分は「39 刑法第三十九条」という映画が好きで、この映画の予告編に同じ匂いを感じて見に行った。 けど、ダメだった。 とにかく映像とセリフがバラバラの回想・独白シーンが延々と続いてウンサリしてしまう。 それでも飽きずに見れたのは、グロシーンに目が引かれるから。 でも、ウンザリだから次のシーンを想像してしまい、ほぼ想像通りになってまたしばらくするとウンザリの連続という感じ。 そして、終盤のCGシーンはハァ?なんじゃこりゃ?としか思えなかった。 期待して見に行った分、ちょいガッカリ。 【まかだ】さん [映画館(邦画)] 5点(2010-06-12 18:09:47) |