《改行表示》14.《ネタバレ》 人は何かあまりにも辛い出来事があると、その現実を直視できず、まるで何事もなかったかのように振る舞うことがある。ローズのように極端な経験はなくともそんな状態は理解できないでもないから、彼女が父親の死体を無感動に飾り立てるのを観ると、胸が軋んだ。きっとローズだって心のどこかでは状況を把握しかけていたはずで、ただそれを受け入れる力がないから得意な空想の世界で防壁を張っていたんだと思う。あえてコミカルに描かれていたりするけど、彼女の生活はもともと悲惨なもので、それが父親の死をきっかけに、決定的な孤立に追い込まれる。やっと助けが現れたと思っても、頼りない狂人に過ぎない。 切ないのはローズの見る世界は歪んでいるようで、ある種異様な美しさを持っているということ。幻想を作り出すことで生き延びるのを、一概に現実逃避として否定していいのか、それとも逆にその人なりの強さとしてみるべきなのか、どうもよくわからない。ローズはかわいそうだけど、助けがなくともどうにか生きていけそうな感じもする。歪でおぞましく、でもときにはとても美しい世界で、身を守っていくような気がする。だけどそれが強さだとしたら、あまりにも哀しい強さだ。 【no one】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-11-05 23:54:17) (良:2票) |
13.う~む。怪作です。万人受けはしないでしょう。でも観てみて下さい。 【camel】さん [DVD(字幕)] 4点(2007-10-14 13:37:41) |
12.ジェフ・ブリッジスに昔の面影はない。女の子が徹底的に孤独で最後もハッピーエンドとは思えない。 【はるこり】さん [DVD(字幕)] 5点(2007-06-28 09:30:41) |
11.好きな人にはたまらないんだろうなってのは、すっごい良くわかる。でもあたしには本当に合わなかった。気持ち悪い映画だった・・。映画でしかできない児童虐待全部やってのけた映画、って感じ。あの女の子がめっちゃ色っぽいってのも、気持ち悪くなるのを助長したよ。 【ネフェルタリ】さん [DVD(字幕)] 1点(2007-06-23 11:37:21) (良:1票) |
《改行表示》10.《ネタバレ》 予告を見て面白い作品じゃーないなとは思っていましたが、ここまで気味悪さを出されると印象に残ってしまう。 ギリアムの一貫しているモチーフはドラッグとか精神障害や妄想癖によりその人の頭の作り出すファンタジーなり悪夢なりを表現しているところに感じます。 それをこの作品では結構沢山描いていて、通常世界や常識社会の人達との対比がこれほど違っていても当事者はファンタジーという別世界に住んでいてそれを異質として捉える術はない。かえってそういうタイドランドに通常世界に生きる人が来てもそのファンタジーはグロであり、危険であったりする。 でも思ったのは死体を剥製にして永遠にいっしょにいる気分になるという事は、剥製じゃなくても良くニュースに数年に1回程度ある事。 リアルに不思議の国って言うのはこういう人の奥底にあるタイドランドであるという事でしょうか。 その表現はギリアム独自であり、しかし、映画としてはそのファンタジーを理解しないと相当つまらない。それもギリアムっぽいね。 【森のpoohさん】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-05-28 23:31:13) |
《改行表示》9.私も途中でマジで吐き気がしてきました。 過激な要素を子供に託して…悪ノリし過ぎな気がする。 でも好きよ。 【彬彬】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-04-30 09:51:06) |
8.ギリアム版「不思議の国のアリス」という宣伝は、私にとってはディズニーのそれを想起させ、ギリアムの突拍子もない世界観との融合を想像させてしまい、結果、全く違う本作に違和感を感じてしまい失敗だったと思う。真っ白な状態で観たほうがぜったい楽しめた。そもそも「タイドランド」とは干潟 のこと。海でも陸でもないところ。海でも陸でもあるところ。少女の妄想の世界などではなく妄想と現実が交わった世界が描かれるのだ。どうしようもない父と母。厳しい環境をものともしない小さな女の子の強さの源は「子供の想像力」。この「童心」を大人に持たせてきたのが今までのギリアムだった。モンティ・パイソンのシュールな笑いもこの「童心」にあるような気がする。しかし本家の子供を使ってこの「童心」を描くと、このシュールさ、グロテスクさ、エロティックさが妙にリアリティを帯びてくる。列車事故まで引き起こしてしまう童心パワーの凄まじさ。そして残酷さ。子供の本質にある可愛さと残酷さを実にうまく描き出している。うまく描き出しすぎている。この映画、ちょっと怖いです。あぁやっぱり真っ白な状態で観たかった。いつか再見します。 【R&A】さん [映画館(字幕)] 6点(2007-02-20 11:44:43) (良:1票) |
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《改行表示》7.鬼才テリー・ギリアムが新たに描き出した“超”リアルでダークな「不思議の国のアリス」。 どこまでも幻想的で空想的でありながら、決して“ファンタジー”には踏み込まないという「異様」な映画世界が、観る者をあざ笑うかのように、どもまでも広がっていく。 正直なところ、「ついていけないよ」という印象も所々で生まれるが、やはりもうここまで突っ切っちゃうと、安直には否定も肯定もできない。 良い映画とも悪い映画とも断言できず、強いて言うなら「変な映画だ」。これが精一杯。 それにしても、この映画で絶対的に“スゴイ”のは、弱冠10歳の“主演女優”ジョデル・フェルランドの「天才」ぶりである。 この果てしなくディープな映画世界において、すべてを掌握して支配している存在感と表現力は、圧倒的である。 目線の動き、発声の振動にまで「魅力」を感じさせ、引き込んでいく。 これはまた、とんでもない「宝石」が誕生したものだと思う。今後の活躍に注目である。 このいたいけな少女をこれほどまでにディープフルな世界に引き込むとは、さすがテリー・ギリアム、その精神は尋常ではない。 【鉄腕麗人】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-02-18 01:31:25) (良:1票) |
《改行表示》6.方向性のない内容。映画に娯楽や物語を求める人には不向きであり、決して万人受けする作品ではないと断言できるような代物。この監督の演出力は前々からスゴイと思っているのだけれど、好き勝手やらすとエンターテイメントを放棄しちゃうから困ります。 1点は主演の女の子の美しさに捧げます。 【カラバ侯爵】さん [DVD(字幕)] 1点(2007-02-01 19:56:57) |
5.《ネタバレ》 主役のジョデル・フェルナンドの演技が天才的!!一人何役もやっちゃって!ほんとに子供なのか~??でもどう見ても子供だ。今まで観た子役の中で一番の演技はであることは間違いないであろう。しっかし、子供が主人公であるにも関わらず、過激すぎるこの内容。奇妙奇天烈ギリアムワールド炸裂です。ほんっと、子供の教育によろしくない。常識を逸してる気もするし。しかし、役者達が皆その意図を理解した適切かつ素晴らしい演技をしているし、ローズの視点が面白い。ローズがどうなってしまうのか、常に心配してしまったが・・・。 【にゃ~】さん [映画館(字幕)] 6点(2006-11-30 00:48:05) |
4.覗くの怖い、でも見てみたいパンドラの箱。蓋を開けるとまず広がるのは黄金の草原…。訳のわからん想像の世界、ちょっと悪趣味な雰囲気の向こう側から、ドーンと轟く何かが私の耳には聞こえてきた。他人にとやかく言われなきゃちゃんとこういう映画を作るギリアムを心から尊敬する。誰も真似できない怪作。 【のはら】さん [映画館(字幕)] 10点(2006-08-26 22:23:29) |
《改行表示》3.うあぁぁぁ~! ことぶきオヤジ~っ! …やっと正常に戻れたので書き直し。映画館で、生まれて初めて吐き気に襲われました。これからご覧になる皆様は、くれぐれもハンカチのご用意をお忘れなく(笑)。 【エスねこ】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-08-15 06:41:45) |
2.悪夢。最初から最後まで悪夢のようでした。ダークというか・・・グロテスク?しかしながら主演のジョデル・フェルナンドが本当に素晴らしかった。愛らしい少女の顔、大人の女性の如き色気・・・。末恐ろしい演技です。この映画は彼女の魅力で成り立っています。彼女に敬意を表して6点。 【りま】さん [映画館(字幕)] 6点(2006-08-07 00:36:21) |
1.てっきりダーク・ファンタジーだと思ったら、ダークはダークでも「ファンタジー」ではなく、「ラスベガスをやっつけろ」の少女版みたいな中身になってました。主人公ジェライザ=ローズを取り巻くグロテスクな日常と、その日常の中で思い描く彼女の空想が綴られます(空想癖の少女はドラッグなんかに頼らなくても、何時でも何処へでも「ヴァケーション」に行ける)。広角レンズで歪められたローズの世界はテリー・ギリアムらしい陰惨さ。しかし「ラスベガス~」同様、特にストーリーらしいストーリーが無いので、私は余り楽しめませんでした。救いは、最初から最後までほとんど出ずっぱりの上、友達である四つの人形の頭の声まで当てているジョデル・フェルランドちゃんの演技力と愛らしさと危うさ。従って、彼女に+1点の5点献上。 【sayzin】さん [映画館(字幕)] 5点(2006-07-14 00:04:41) |