1.この“スタトレ”シリーズも時折拝見するが、マニアックな人にしか理解不能な宇宙用語(もしくはスタトレ用語)の濫用と、ストーリーの煩雑さで、“宇宙冒険活劇”でありながら、これほどカタルシスを味わえないシリーズも珍しいのではないだろうか。今回も個々のキャラクターは魅力たっぷりなのだが、垢抜けしないのは相変わらずだし、SFXも驚くような仕掛けや目新しさも感じられない。そして何よりも暗黒の宇宙を舞台にしている事が作品をより単調にしてしまっている。エンターテインメントでありながら、SF映画の命ともいえる視覚的変化が乏しいと、ストーリー以前の問題で、斯くも面白みのない作品が出来上がるという見本。要は工夫とサービス精神が足りないということだが、製作サイドとしては万人受けとしては意識していないのかも。