1.《ネタバレ》 今年のがっかり映画大賞はこれ。
前半は楽しめたけど、後半は観ていて非常につらい。「家計簿」の話はどこへやらで、とにかく身内が死ぬ、死ぬ・・最期のテロップまで死去、死去と書かれる。あまりにセンチメンタルすぎる。エンドロールも切ない音楽で気が滅入る。
世代が変わっていくドラマなので身内が死ぬ描写があるのはいい、しかし自分は死で悲しむ映画が観たいのではない。武士の時代に、会計をつとめる者がどのように生き、工夫したのかを観たかった。その工夫も、持物を売る、単なる節約だけではなくて時代ならではの方法も見せてもよかったと思う。「絵の鯛」のエピソードはよかったのだけど・・。
「四銭」のエピソードによる親子との確執も解決じまいで後味が悪くなってしまっているのは残念というほかない。
クスクス笑える描写を押しつぶすほど、悲しみを助長させる演出があまりに多くバランスの悪い映画になっている。
◆上司に不正な会計があることを上司に告げるが、保身のために見て見ぬふりをしたりするのは現代の汚職と同じ。結局下っ端なので何もできなかったというのも含めて、いつの時代も変わらないのだなと思えた。