14.普通これだけ暗い気分にさせられる映画は先のことなど見たくもないのだけど、この作品は違った。いかにも昔の日本人を描いた名作で、もはやこんな暗くて不幸な日本人は少数派に近いのではないか。今の10代を中心とした若い人がみたら、どんな気持ちになるのだろう。そんなことが気になった。成瀬監督の作品は初めて見たが、女の嫉妬、涙、懇願、怨みが上手く描かれていると思った。 【mhiro】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2005-11-04 20:20:03) |
【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-09-21 12:52:43) |
12.あの戦争の敗戦によって、ほとんどの日本人が人生をリセットされたんでしょうね。上手く切り替えた人や逆に水を得た魚になった人だけじゃなかったのもわかります。ただ、それは一つのきっかけであって、原因とは言えないんだろうな。どんな時代にも自分の明日を描けない人はいますからね。とは言え、時代背景としては戦後の混乱期は設定にはぴったりですね。登場人物たちの表情が皆暗く、敗戦の負の部分を象徴するような映像が続くのが辛いですね。お互いを必要としているのに、一緒にいても満たされない辛さが伝わってくるなあ。その後、彼はどうしたんだろう。 【パセリセージ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-09-20 12:58:27) |
11.最初二十歳前後に観たときには、暗いばかりで、なんとも思えなかった。ところが、三十越えてふたたび観たときには、うちのめされるように感動して、どうしようもなかった。うちのめされるという言葉が、まさにふさわしかった。みなさんも三十、四十越えてから、もう一度観てみてください。 【goro】さん [映画館(字幕)] 10点(2005-09-19 03:28:44) |
10.名作と言われるのはわかるけど・・・自分はあんまり好きじゃないです。これ見せてオレにどうしろというんじゃ!(^^; 【ゆうろう】さん [映画館(字幕)] 6点(2005-08-22 08:58:23) |
9.暗い、暗すぎる…。高峰秀子と森雅之、この二人が一緒にいるだけでどんな部屋でも陰湿なムードになってしまう。こんな映画が人気だったなんて当時の日本はよっぽど落ち込んでいたのでしょうかね。もっとポジティブなものを想像していましたが、まさかここまでネガティブだとは思いませんでした。ヤルセナキオってこういうことか…。 【かんたーた】さん 7点(2005-03-28 16:07:54) |
8.高峰秀子と森雅之が一緒に歩くシーンが何度も出てくるんですけど、その際、高峰秀子が言う「私たち何処にも行くところがないのよね。」ってのが2人の関係を象徴しているように思いました。2人一緒の未来ってのをお互い想像できないんですよね。終戦と同時に終わってしまったと、2人共分かっているのに新たな人生のビジョンを描けない。恋愛だけでなく敗戦で人生全てに於いて抜け殻になってしまった2人と言うのを感じました。↓【大河内伝次郎ノ介】様ご指摘のように森こそが人生の目的と思い定めてしまっている高峰が哀れで・・。今なら女が一人で生きて行く、或いはシングルマザーと言う選択肢も十分アリなのになぁって。なんで子供堕胎するよー?私なら大喜びで絶対産む。そんで男なんか捨てる!一方で私もこれくらい一途に全身を投げ出すべきだったのか?とか自らを反省してみたり。まぁとにかく映画に凄く引き込まれちゃって、2人と一緒にこっちも悩だりで、その濃密さに映画が終わっても暫くはボーゼンでした。ホント、スゴイ映画です。 【黒猫クロマティ】さん 9点(2005-03-08 12:15:57) (良:2票) |
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7.ダメ男と分かっていても、腐れ縁でズルズルと関係を続けていった挙句に遠く屋久島くんだりまで行って死んでしまう女の悲しさ。そんなどうしようもなくやるせない男女の関係。高峰秀子が人生をだんだん落ちていく女だがその表情が印象的だった。 【キリコ】さん 8点(2004-05-23 22:43:40) |
6.去年、池袋の文芸座でやっと観ました。もちろん感銘は受けたけど、予備知識を色々入れた後で観てしまったので、教科書をおさらいしているような感じでした。改めて映画っていうのはまっさらな白紙の状態で観るのがいいと思った次第です。高峰秀子はこういう投げやりで物憂げな台詞が巧いですよね。森雅之のダメダメ男も魅力有り。 |
5.夢のような過去と退廃した現在の対比が素晴らしいです。どうしようもない富岡を愛してしまったゆき子の運命って悲しすぎる。富岡を愛すことに自分の生きる意味を見出していたのかと思うとつらい。そんな二人を森雅之と高峰秀子がとてつもない演技でみせています。 特に森雅之には独特の官能性があり、現代の俳優には決して見出せないものではないでしょうか。私の最も好きな俳優の一人なのです。 やるせなさを描かせたら右に出るものはいない成瀬巳喜男の伝説の作品といえます。ほんとにつらい、つらすぎる話です。 屋久島のイメージが変わってしまいます。あのぼろい家がなんとも印象的です。 【たましろ】さん 10点(2004-02-05 00:14:12) (良:1票) |
4.高峰秀子は本当につらそうに泣く。同情をかうためやストレス発散、感情失禁といった涙ではなく、また悲しいからでもなく、つらさのあまり崩れるようにして泣く。 【駆けてゆく雲】さん 10点(2003-12-27 23:19:45) |
3.どういうわけか“女が大泣きする芝居”が好きで、「飢餓海峡」が好きなのも左幸子が大泣きするシーンがあるからだし、「サンダカン八番娼館」を何度も観てるのも田中絹代の泣きの演技が見たいがため。「浮雲」が好きなのも同じ理由で、高峰秀子の泣きっぷりがあまりに見事だから。またあの悪声でしょう、とにかくリアリティがあるんですよ。“洗練”って決して美徳じゃないよな。昔の日本映画を観ているとしばしばそんなことを考えさせられます。 【じゅんのすけ】さん 10点(2003-07-05 15:21:54) |
2.林芙美子の原作を成瀬が巧みに描いて見せた、森雅之のニヒリズムが堪能できる傑作。夢のような生活から一転、混乱期の日本社会に対応できず、男は自堕落になり、女は過去の生活と恋を追い求める。これはただの空しい恋物語とはいえない。高峰秀子扮するゆき子と、森が扮する富岡の妻、おせいという人妻の三人は、男・富岡のエゴイズムの犠牲者なのだ。 【ノブ】さん 9点(2003-02-02 16:15:36) |
1.『アデルの恋の物語』でも書きましたが、ダメな男をひたすら愛し続ける女の悲劇を描いた傑作がここにもありました!灼熱の太陽がふり注ぐインドシナから始まって、冷たい雨の降り注ぐ屋久島までの道程を「やるせなさ」の名匠・成瀬巳喜男があの小津安二郎もため息をつくほど見事な演出で描いています。 【なるせたろう】さん 10点(2003-01-11 14:44:54) (良:2票) |