118.《ネタバレ》 今さらながらレビューしていない事に気が付いた。 【長すぎる前書き】 大学で「芸術論」の講義を受けた時、担当していた教授が本作の事を以下の様に評していた。 『芸術には大きく分けて「耳」で愛でる芸術である音楽、「目」で愛でる芸術である絵画・写真、そしてそれらを融合した舞台・映画の3種類が有る。どれも素晴らしい作品ばかりだが、この「アマデウス」はそれら芸術が極めて高次元で融合結実した類まれなる作品だ』と。 私は劇場で本作を鑑賞済だったので「なるほど、上手い褒め方するなぁ」と思った次第。 そんな教授の冒頭の言葉を経て始まった鑑賞会は3回に分けて実施され、口コミでその面白さが学生達に伝わり3回目の授業では講義室がなんと満員立ち見の盛況ぶりだった。(単位は貰えないのに!) それ位、芸術は敷居が高いと潜在的に思っている人をも巻き込む『力』を本作は持っているのだと思う。 これが約35年前の話。 【やっと本題】 そんな本作、私に取っては間違いなく映画ベスト10の一つに入る作品である。 他レビュアー諸氏により語りつくされているが、何といっても珠玉の名シーンはサリエリがコンスタンツェが持参したオリジナルの楽譜を読み、次々と頭の中で音楽が奏でられるシーンだと思う。 これに匹敵するシーンは意識して映画を趣味として観始めた18歳の頃からそうは巡り合えていない。 また、本作はこれまでの映像再生媒体の変化(VHS→LD→DVD→BD、ブラウン管→液晶、HD→4K)に併せて都度ソフトを購入している唯一の作品であり、何だかんだ年に一度は必ず観ている作品だ。 史実に忠実ではない等の指摘も有る様だが、関わられた方々のイマジネーションと創作意欲が文字通り「高次元で融合」した稀有な作品だと言える。 文句無しの10点満点献上。 追伸 本作がアカデミー賞で話題になった年、主演男優賞を受賞した時のF・マーレイ・エイブラムスのスピーチは、彼の受賞を我が事の様に涙ながらに喜ぶトム・ハルスの何とも言えない表情も相まって忘れられない名シーンだ。 【たくわん】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2024-03-06 10:34:10) |
117.《ネタバレ》 初めて観たのは子供の頃だったのですが最初のサリエリ自殺未遂で一気に引き込まれたのを覚えています。 その後の天才モーツァルトと凡人サリエリの比較。 個人的には凡人というより秀才な気がするんですが努力するサリエリを なんともなしに超えてくるモーツァルト。 この映画を観てから映画が好きになったしクラシックも好きになった。 ただ、当時だからこそ、この評価ですが今観たらもっと低い評価かもしれない。 ラストの瀕死でのレクイエム作曲は名シーンではあるがやはり絵面が単調。 直前までの盛り上がりに比べて若干尻すぼみ感を覚える。 なお、史実ではモーツァルトは毒殺された可能性は低く病死と言われている。 匿名でのレクイエム作曲依頼者も判明している。 サリエリは生前のみならず死後も冤罪によって苦しめられていることになる。 【Dry-man】さん [DVD(字幕)] 10点(2019-10-07 21:15:32) (良:1票) |
116.『カッコーの巣の上で』での主要5部門受賞により世界的名声を得た 巨匠監督ミロス・フォアマンと、原作&脚色のピーター・シェイファーが タッグを組み、誕生した「奇跡の映画」です。 個人的には、半世紀に一度生まれるか生まれないかの名作中の名作だと思います。 90本近いアカデミー作品賞のなかでも、際立った出来栄えですね。 演技賞においては、サリエリ役のマーレイ・エイブラハムがオスカーを手にしましたが、 もう一人の主役であるモーツアルト役のトム・ハルスにも受賞してほしいくらいの差し迫った演技力でした。 これを見ずして死んではいけませんよ! 【ぶっちち】さん [ブルーレイ(字幕)] 10点(2015-11-29 13:21:25) |
115.《ネタバレ》 今まで何回観たか判らない映画で私がモーツアルトの音楽の虜になるきっかけとなった映画です。映画の面白さというのは監督よりも脚本家の力量で決まると言われますがこれはその最たる例だと思います。好きなシーンは3つありまして、1.コンスタンツエがサリエリに楽譜を見せに行くシーン「直譜」と聞き、直しの一切無いそれを見て打ちのめされるサリエリ、と同時に神への背信を決意し十字架を焼くシーン。2.魔笛「夜の女王のアリア」のシーン。3.サリエリが病床のモーツアルトの側で写譜するシーン。いずれもすばらしいシーンですが、もっと素晴らしいのはそれらが自然な流れでつながっている事です。ショックだったのは、3.の最も好きな写譜のシーンが「あの映画の中での唯一のフィクションである」という事を知った時でした。しかし何度も観ていくうちに「それも有りかな」と思える様になりました。というのはコレがモーツアルトの音楽を聴く映画だからでしょうか?。最後にストーリーの流れからみたらディレクターズ・カット版よりも最初に出たこっちの方が好きです。 【アマデウスga好き】さん [映画館(字幕)] 10点(2015-11-06 17:58:47) |
114.数奇の人生をここまでまとめるのも大変でしたでしょうに・・・すばらしかったです 【HRM36】さん [DVD(字幕)] 10点(2015-06-30 16:52:47) |
113.《ネタバレ》 この映画のサリエリは(映画の台詞でも示されているように)、すべての人間の代表なのだと思う。それゆえに、映画の内容が史実に照らして絵空事であっても、強く胸打たれるのだろう。 【えぴおう】さん [映画館(字幕)] 10点(2015-06-03 21:56:25) |
112.《ネタバレ》 ああー、サリエリ、貴方の心のありようが私にも手に取るようにわかるよ。嫉妬と、一方でモーツァルトの芸術を完全に理解できるのは自分だけという強烈な自負心。神は残酷なものだなあ。創り出せはしないけど、理解できる能力だけを与えるなんて。皇帝には“聴く耳”が無かった。完璧なオペラを前に欠伸をする皇帝を見て、うすく微笑むサリエリの暗い喜び。モーツァルトとの作曲に精魂を傾ける姿からもわかる倒錯した愛情。光り輝く稀代の天才の傍らにいたばかりに、その影となってしまった男。悪魔と取引したばかりに代償を晩年に支払うこととなってしまった。美術も演技も脚本も音楽も全てが濃厚で、息もつけないくらい。完璧。 【tottoko】さん [映画館(字幕)] 10点(2013-04-19 00:44:51) |
111.《ネタバレ》 凄い映画でした。モーツアルトとサリエリの関係が実際にこの通りだったかどうかは問題にしません。モーツアルトの才能に打ちのめされ神を呪ったサリエリが、しかしモーツアルトの音楽は認めざるを得ない。認めるだけではなく、音楽家の性として感動し愛さざるを得ない。その葛藤の微細な描写に舌を巻きました。モーツアルトの音楽の絶対性が耳に聞こえる形で映像に説得力を与えます。自分より優れいている人の優れている部分を最も理解しているのが、それを認めたくない自分だという状況は天才・凡人に限らずあると思います。例えば恋敵が持つ美徳を本人より明確に認識できるといったこと。その分析力や強い感受性は「嫉妬」が持つ能力みたいなもので、本作は三角関係を抜きに「嫉妬」を掘り下げる。その卑近でネガティブで複雑な感情を、実在した最も有名な音楽家と彼の美しい音楽で表現するギャップが本作の面白さであり凄さだと思います。私が大好きなピアノコンチェルト20番が効果的に使われていたことが嬉しかったです。 余談ですが、イタリアから出て来てウィーンで宮廷作曲家の地位を得たサリエリも十分に天才に見えるんだけど、本当の天才ってさらにレベルが違うってことなんですかね。例えばノーベル賞を受賞する人たちは私に言わせると全員天才ですが、彼らにとってはアインシュタインやホーキングがさらに1ランク上の天才ってことになるんでしょうか。「天才的」って形容詞は良く耳にしますが、この映画を観たあとは簡単に使えなくなります。 【アンドレ・タカシ】さん [映画館(字幕)] 10点(2012-03-27 04:04:33) |
110.大好きな作品。内容どうこうよりも、この世界観!そして交響曲25番! 【のははすひ】さん [DVD(字幕)] 10点(2010-03-04 23:53:16) |
109.秀才サリエリと天才モーツァルト。秀才の苦悩と嫉妬の物語。傑作。 【わさび】さん [DVD(字幕)] 10点(2009-08-16 05:00:19) |
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108.書き出したらきりがなくなるような気がして中々書けなかったのだが、少なくとも今のところ、私の人生でNo.1の映画。学オケでクラシックをかじったことも影響しているだろうが、希代の天才モーツアルトのぶっ飛び方といい、正反対の性格を持つ音楽家の「嫉妬」を軸にその才能や人生を語らせる構成といい、ツボのど真ん中にはまった。これでもかと才能を見せまくる能天気小僧と、努力の禁欲男の対比は見事としか言いようがない。サリエリがその才能に対する嫉妬に手を震わせながら、モーツアルトの譜面を繰る場面なんか、本当に見せ方が上手い。モーツアルトは早世した割に作品が多いから選曲もし放題とはいえ、交響曲25番も実にばっちりはまっていた。映画は破滅に向け暗く壮絶になっていくのだが、ひきつける力を失わない。レクイエムの作曲シーンもこの映画の大きな見所で、取り付かれたように譜面に向い、衰弱していく様は胸に迫るものがある。欲を言えば、コンスタンツェの描き方かな、悪妻説には反対する立場のようだが、それならもうちょっと踏み込んで欲しかった気もする(見事なおっぱいはさておき)。が、まあ伝記映画は欲張っちゃダメだからね。なおドイツ語オペラであるフィガロの結婚などが英訳されていたが、ウィキの文を引用すると“モーツァルトが皇帝に対して「ドイツの心、それは愛です」と宣言してドイツ語オペラ制作を実現する民族主義的なくだりがあり(それまではオペラといえばイタリア語だった)、ここでオペラが突然ドイツ語で歌われると台詞が英語であることの矛盾が目立つため、いわばこの映画の中の世界では英語がドイツ語として扱われるという舞台劇風な割り切りであるとも言える”ということで、これには感心した。他言語で伝記物を作るなら、ここまでするのが本当だろう。要は吹替えと同じだから(実際、ラスト・エンペラーなどでは中国語が“混ざって”いるため、かえって英語映画であることを突っ込まれてしまってる)。ちなみに主役2人が両方アカデミーの主演男優賞にノミネートされ、フランク・マーレイ・エイブラハムに軍配が上がったようだが、どうせならトム・ハルスに助演で取らせて上げたかったなぁ~。映画タイトルからしても助演というわけにはいかなかったんだろうけど、あれも名演技だもん。とにかく観れば面白さが解る!! 【あっかっか】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2009-03-14 18:59:21) (良:1票) |
107.《ネタバレ》 最初にテレビで観た時、衝撃を受けた。何度観ても色あせない完成された映画。二人でレクイエムを作曲するシーンは映画史に残るものだ。 【noji】さん [地上波(吹替)] 10点(2009-01-03 13:41:02) |
106.サリエリさんに読んでいただきたい本を発見しましたので以下に紹介しておきます。『バカの壁』 新潮社、養老猛司, 【膝小僧】さん [地上波(字幕)] 10点(2008-05-23 22:05:24) |
105.《ネタバレ》 全てにおいて完璧だと思います。オペラのシーンも絢爛豪華で時間の長さも全く気になりませんでした。何よりモーツァルトとサリエリの関係が面白いですね。一人は能天気な天才。もう一人は嫉妬深い秀才。この構図がたまらなかったです。サリエリの「彼自身は大嫌い。でも彼の音楽は大好き」というもどかしさ&苦悩が最高によかったです。始めて見た時、あの下品で女ったらしの小僧がモーツァルトと知り結構ショックを受けました。(まぁ、サリエリの方が私の何百倍もショックだったと思うけど)そんな小僧が自分(サリエリ)よりも優れた音楽の才能があるたぁ、そりゃあサリエリさんも神を恨みたくもなるわ。 【鼻くま】さん [DVD(字幕)] 10点(2008-02-04 01:45:00) |
104.モーツァルトという巨大な才能の前に凡人の一人として埋もれていく人間の悲哀がこれでもかというほどに伝わってくる。神父が告白を聞くという設定がこれを描くのには実に秀逸だった。楽曲の選択も素晴らしく、シーンとの融合性が抜群で単にモーツァルトの楽曲の良さを伝えるだけに終わっていない。既に20年以上前の映画だが、年を経るごとに評価が高まるのではないかとすら思える。よく出来た映画です。 【MARK25】さん [DVD(字幕)] 10点(2007-09-29 22:05:37) |
103.この映画に10点を付けなかったら仕方ない!というほど納得の10点です。 私の映画鑑賞史に残る素晴らしい映画でした。 もし映画館の大きなスクリーンで鑑賞できていたらもっと幸せだったのに。 最大級のスクリーンで最高の音響にて鑑賞できる機会を切に望みます。 【ClocheRose】さん [DVD(字幕)] 10点(2007-07-25 14:48:15) (良:1票) |
102.「アマデウス」というこの名前の映画がモーツァルトの名前であることなど露知らず観賞した。彼の人生の詳細は知らないのだが、この映画を見るだけで十分な情報を得る事ができる。音楽とのマッチングが素晴らしく、映画としても文句の言いようがない。 【あるまーぬ】さん [DVD(字幕)] 10点(2007-07-21 06:51:21) |
101.アマデウス?おいおい題名違うよ、サリエリでしょ?アントニオ・サリエリという漢の苦悩を描いた名作。周囲には凡人しかいなかったのに、ある日突然自分が凡人の一人になってしまうという不幸。しかも惨めな形で。その想像もつかない悲しみや小さな喜びをモーツァルトという誰でも知っている人を使い表現したところに感服。 【官兵衛】さん [ビデオ(邦画)] 10点(2007-01-17 17:10:04) |
100.はじめて観たのは高校生の時、音楽の授業だった。すごくおもしろかったのを覚えている。今回改めて観たがやはりおもしろい。まったく飽きない構成力がすばらしいと思う。 【十人】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-07-24 06:01:41) |
99.天才の狂気と凡人の狂気。凡人である私はサリエリに感情移入しまくり(秀才も天才の前では凡人と同じ)。「何故、私じゃないのか?」と嘆く彼は、まさに凡人の代弁者。 「別に凡人でもいいじゃないか」という考えも一面では真理だが、「別に私が天才でもいいじゃないか」との考えも真理のはず。天才には歯が立たず、しかし凡人として甘んじるには中途半端に才能が与えられてしまった苦痛。天才の天才性を理解できるがゆえの苦悩。凡人として埋もれてしまっても世界の損失にならない程度の才能。 凡人として生きて行くには、その苦悩を受け入れるか、始めからその苦悩も感じないほどに凡庸であるかのどちらかしかない。 「天才」との相関から、己の姿や生き様を考えさせられる傑作。 また長編ながらミュージカルと違って、オペラなどの演奏シーンもしつこくならない程度の時間配分にされていたりと、娯楽性を考慮し、万人に受け入れられる作品に仕上げられている事に感心する。 【FSS】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2006-07-16 12:12:20) |