1.幼少のとき初めて感動し涙した作品がこの映画だった事もあって思い入れのある作品です。最近DVD化されたとあって見たんですが、今でもその印象は変わらず、全編漂う切ない雰囲気にそれを盛り上げる名曲の数々、グリフィン・オニールの堂々とした演技、幻想的なシーン等サイコーです。ライアン・オニールの息子にしてテイタム・オニールの弟とあってやはりこの家系の演技はパーフェクトでしょう。父親の影を追いマジシャンとしてのプライドに充ちながらも孤独な少年。その表情全てが見ている側にも伝わります。水中での脱出シーンはこっちが息苦しくなるほど気合が入ってます。又牢屋から脱出をする際には超えなければならない父親の影に直面。まるで今は亡き父親が「俺の屍を超えていけ」と言っているかのよう。このシーンは感動です。常にストーリーに必要な伏線を提示しておりこの作品の丁寧さに好感を得ます。ただ尻切れトンボなラストや(ラウル・ジュリアに追われるシーンは要らない気が...)、強引に市長の疑惑を明らかにするシーン等強引さは隠せませんがそれを差し置いてもこの点数で満足です。ラストでは靴から花束がボワッ出ると言うお茶目なマジックにもこの監督のやさしさが滲み出てました。この作品を見るたびに初めて映画で感動した気持ちを思い出して感傷的になってしまうので公正な判断とは言えませんが決して駄作ではないことは確かです。