1.《ネタバレ》 約40年近く前原作を読みました。65才男性です。
上・中・下巻、かなりのボリュームでしたが面白さに1,2日で読み終えた記憶があります。
そして読んでまもなくタイミング良くTBSでこれも3部作で放映されたので楽しみに
観ましたが期待にそぐわずほとんど原作イメージ通りのストーリー展開に満足しました。
森繁家康、加藤三成、三船島、そして丹波本多に松坂初芽・・・と映画顔負けの豪華キャストです。
さて本作品ですが・・・セリフが早口、聞き取れない、人物像薄い、ツメコミ過ぎ、などなど、
ほとんど感情移入できぬまま観終わりました。
特に初芽はヒドイ、昔のアイドル映画のヒロインの如く・・・颯爽と立ち回りをしたかと思えば密使として
旅立つ途上三成から告白、その後重傷を負い女奴隷に、程なく脱走、そして三成処刑へ向かう道端に小ぎれいな
町娘姿で最後の別れ・・・ふっくら可愛い有村架純のPVのよう?
こんな冷めた見方をするのもトシのせいかなぁ、と嘆いて帰りましたが本サイトや他のレビューサイトを見ると
結構同じような感想を多く拝見しちょっと安心しました。(苦笑)
そもそも秀吉亡き後東北~九州津々浦々の諸国武将があくまでも忠義に徹する三成か、権謀術数の限りを
尽くし天下獲りを目論む家康か、様々な思惑が入り乱れる中、各々に組し関ヶ原で天下分け目の一大決戦を
繰り広げる壮大なスペクタクルをたった2時間半強にまとめることに土台ムリがあったと思います。
思い切って約6時間と言われる合戦のみを舞台とし時代背景や人物描写はナレーションにして東西両軍の攻防・
心理戦をじっくり表す、など素人考えでもまだマシな案が思いつきます。
それにしてもこれだけ多くの方が残念がっているのになぜ作り手が解らなかったのでしょうか。
構想20年、との力作だけに「もつたいない」と思います。
例えは飛躍しますが食品などで新商品の発売時にはOKが出るまで役員、社員等が何十回何百回と試食する、
といったエピソードをよく聞きますが映画の世界ではそういうプロセスを踏まないのでしょうか。
本作品を試写(名ばかりではなく)していたらたぶん7,8割の人はNGだったと思います。
いくら芸術とはいえ客から金を取る以上「顧客満足度」が何より大切です。
※司馬遼太郎さんが草葉の陰で泣いている・・・かな?