2.《ネタバレ》 シリーズもついにネタがなくなったのか、今回はオリジナル脚本ではなく、既存の原作(エド・マクベイン)をもとに作られている。コロンボが関わる事件が殺人事件ではなく誘拐事件だったり、いつもは登場しないコロンボの親族として刑事の甥が登場するあたりは新鮮で面白かったが、このシリーズは犯人とコロンボの対決が見どころの一つのはずなのにそれがなく、コロンボの推理ショーもないので、「刑事コロンボ」シリーズの一本というよりはどう見ても「刑事コロンボ」ではない別の作品のように見え、このシリーズらしさがまったくない上に、犯人(今回は最初から明かされない。)も妙にサイコじみたキャラクターでこのシリーズの犯人としてはちょっと違和感があるし、最後も逮捕されるのではなく、突入した警官隊に射殺されるという結末も後味が悪かった。もし、「刑事コロンボ」とは別に企画されたドラマであればそこそこ面白かったと思うかもしれないが、見なれたシリーズものの一本として見た場合、あまりにもパターンを逸脱しすぎた作品になってしまっている。それに異色作をやるのは構わないが、かなり度が過ぎている印象が強い。