2.前作”ソナチネ”の劇中で自殺し、バイク事故で本当に生死をさ迷った北野監督は、この映画から自己の再確認をはじめたのだと思います。これは「ビートたけし」の名で監督した唯一の作品。「ビートたけしは」巨大な肥桶まで登場させて「北野武」を徹底的に破壊し、おとしめています(座頭市のシーンは今見ると興味深いが)。「俺は巨匠なんかじゃねぇ、ケチな芸人だっての!」。エンドタイトルのバックに流れる歌詞は”何も言わないでちょうだい”。ダメ映画なのは作った本人がよくわかってます。しかし映画監督北野武にとっては、必要なプロセスだったのではないでしょうか。