1.《ネタバレ》 いかにも文部科学省の役人やPTAのご歴々が好みそうな映画。出演者は、老若男女、大人も子どももみんないい人ばかり。「世界平和、人類皆兄弟」みたいな感じ。世の中、こんないい人ばかりなら苦労はしないんだけど、現実は違うからなあ…。まあ、こういう映画があっても別にいいとは思うが、無難にまとめ過ぎているので内容的には、あまり面白くは無い。エンドロールを見ても明らかなように、町おこし・地域おこしの要素が強すぎて、映画としての質とか面白さというものは二の次にされている気がする。生徒にフェリー船を近くで見せてやりたいがために、「30分だけ寄港して」とか「沖合いにちょっと停止してよ」とか言い出す校長先生が、無茶苦茶というか、図々しいというか(笑)。タクシーじゃないんだから無理に決まってる。「子どものために」という錦の御旗を掲げれば、フェリーの乗客の迷惑も何のその、何でも許されると思っているのだろうか。また、大胆なことをやらかしてしまった子ども達を、叱る大人が誰一人いないというのは、「教育」の基本たるべき「躾」を放棄しているとしか思えない。抱きしめる前にまず叱ってやれよ!