2.《ネタバレ》 VSモスラの時に感じた、羽ばたいてる感の無さは、あまり感じなかったので、モスラの動きとしては、いいと思う。
しかし、ドラマ部分のひどさはどうだ?カメラマンのネエちゃんが見つけたものは何だったのだ?まるで説明がない。島の子供たちの危機も、その前に普通に遊んだりしているカットの一つもなく、唐突すぎる。先生が島の裏に回ると何故か分かっちゃってるのも雑。
ところで、モスラを借り受けるシーンと、ラストで主人公たちが言及した「人間不信」が、この映画のテーマなのだろうか?
神の火を弄んだ人間たちに、自業自得と言い放った、神の火の被害者たちの守護神が、なぜかその人間たちに協力し、自業自得の象徴とも言えるゴジラを倒すというのは、それでも人間を信じましょう、という事なのだろうか。
しかし、この人間たちは、卵を返すでもなく、少美人さえ見世物にしようとする。結局、人間たちはモスラに礼すら言わずに、「礼はよりよい社会を作ることだ」などとキレイ事を言う。
前作『モスラ』のレビューで、この守護神を私は「軍」だと表現したが、核の脅威に対して守ってもらうようにお願いした今回のモスラは、さながら在日米軍といったところだろうか。この時代の怪獣映画が(と言うかゴジラシリーズは平成になってもまだ、《海外作品でもまだ》)、怪獣同士を戦わせて、その脅威を取り除こうとする精神構造は、ここに由来するのではないか、と疑ってしまう。