1.《ネタバレ》 ちゃんと見たのは初めてだった。人名とかメモを取りながらがんばった。
でもハムレット+リア王+マクベスのつぎはぎ…という感想しか浮かばないのはなぜだろう。そう、私はこれを見てナチズムの怖さをあまり感じなかったし、本当は「悪をささやく者」として都合よくナチを持ってきただけではないかという気もするくらいどうでもいい扱いをされているのではないかと思う。ここでの大筋はたぶんシェークスピア的悲劇なので、なにも新しい話じゃなくて、ナチを持ってきたから新鮮かというとそんなわけはない。
マクベス夫妻(?)が次々に悪巧みを練っていくところはおもしろいし、アッシェンバッハと渡り合うソフィのふてぶてしさに大いに期待するが、なにかこの夫婦の没落があまりにあっけなく、もっと戦いが見たかったのに…というへんながっかり感も。
ひとつ言わせてもらうとこれはリドリー・スコットに撮らせたらスゴいものができたのでは。ヴィスコンティがすごくないと言い切れるほど知らないけど、どうも特権階級的視点ですべてが撮られていて、すべてが進んでいて、それは実際そうだったんだろうけども、召使はゾンビのように右や左に動いているだけで全く人格を与えられていないし話に絡んでこない、というのもなにかつまらない気がする。特にゴスフォード・パークとか見たあととなっては。