8.《ネタバレ》 -Bullitt- 人名。ブリット群って地名にもなってる。
中学か高校の頃にテレビで観て、これぞハードボイルド!マックイーンはカッコいいなぁって思わせてくれた作品。
フランク・ブリット=刑事。ロクに寝てないのに叩き起こされて仕事するところとか、食事がTVディナーや病院食だったり、まさに職業を擬人化したような人物。これで自分の不運をボヤいていたらダイ・ハードだ。タートルネックにホルスターぶら下げたスタイルも特徴があって、一時期の刑事スタイルの完成形だったように思う。
ストーリーをろくに覚えてなくて、今回久しぶりに鑑賞。オープニングがめちゃくちゃカッコイイ。撃たれて重症のスタントン刑事に付き添ったりは、その後の一般的な刑事ドラマだと、すっ飛ばしそうな描写だと思うから、この映画にリアリティを増す要因になっていると思う。
本作の目玉と言えるカーチェイスが中盤に挟まれる。マスタングとダッジ・チャージャーのアクションは確かにカッコいい。犯人グループが中年~初老の男というのは、今の目で観ると新鮮。最後の空港での追跡も印象的。滑走路で飛行機を横目に犯人を追うシーンは、想像以上に大変だったんじゃないかな。
'68年の作品で以降の刑事アクション作品に与えた影響は計り知れない。ただアクション映画の恒で、カーチェイスも空港のアクションも、後発作品に、より派手により大袈裟に上書きされていった結果、今の目で観ると目玉とするには物足りなくも思えてしまう。
やはり偽ロスが隠れ家の鍵を開けた理由がわからない。奥さんを助けるための取り決めとかだろうけど、物語がブリットの掴んだ情報だけで進むからか、観る側として消化不良に思えた。チャルマース上院議員も、もっと事件に絡んでたんだろうけど、ブリット視点だから説明不足なのかな。その辺も“刑事=警察組織の歯車”を描きたかったんだと納得するしかないか。
スルメ要素とツッコミ要素が多そうなので、期間を開けてまた観てみようと思う。