7.かつてはアパッチ族とも戦った歴戦の強者のトム・ホーンは、牛泥棒に備える用心棒として、牧場に雇われた。牛泥棒を殺害していくホーンだったが、ある日、身に覚えのない殺人で疑いをかけられて…。 アクションもあるけど、それほど大掛かりではない。個々には印象的なシーンもあるものの、全体としてはインパクトに欠ける。 時代に取り残されたガンマンの悲哀が描かれている。そこに役者自身や西部劇そのものの境遇を、重ね合わせているのではないか。そんな諦念のようなものも感じられた。 【ao】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-02-05 06:01:44) |
6.往年の大スターが、こういう惨めでけっしてかっこ良くもない主人公を自ら演じようと思い立つ、その心意気がいい。しかしストーリーはひたすらネガティブで、気が滅入ります。アメリカ版「デルス・ウザーラ」といったところでしょうか。時代に乗り遅れた人間に、社会はどこまでも冷酷ですね。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-08-02 23:50:35) |
5.《ネタバレ》 病気を患っているマックイーンとトムホーンが重なって見えて悲しく寂しい気持ちになる。とはいえマックイーンは体調が良ければ、まだまだ名作を残したであろう。トムホーンと同じように、私にとってスティーヴマックイーンは伝説です。 【さわき】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-02-28 20:19:24) |
4.《ネタバレ》 トム・ホーンと云う人は実在した西部開拓時代の賞金稼ぎらしい。作中ではすでに伝説に近い存在だが、マックィーンが描きたかったのは時代の流れに付いて行けなかった人物像。無法がまかり通った開拓時代を生きたライフルの達人も、需要が無くなると居場所も無くなる。本作の放牧牛の見張り番のように特技を活かせる仕事もあるのだが、やり方が時代に適合しないことを証明するのが本作のストーリー。その視点が残酷だ。決して凶悪な人物ではないが、怒りに任せると絶命した者にも銃弾を撃ち込み続ける描写に本質が顔を覗かせる。このあたりの「感覚のズレ」の演出は上手い。やがて無実の罪で牢屋に繋がれる。そこから遠望する山並みに何かを感じて脱獄を計るのだが、それは「パピヨン」が目指した自由とは全く異質の解放への希求だった。彼は何かを目指して逃げたのではなく、規律と道徳が整い始めた「西部」から逃げたのだ。逃走は敢え無く失敗に終わるが、観ている側に失望感はない。それが前方に目的を持たない逃走だから。そして、本人もそのことを自覚していたと思える。裁判や絞首刑に臨む態度には時代への諦観がありありと浮かぶ。戦国時代に遅刻したのが宮本武蔵なら、西部開拓時代に取り残されたのがトム・ホーン。武蔵は多くの人の助けを得て剣を筆に持ち替えたが、トム・ホーンを助けてくれる人はいなかった。一世を風靡しながらも、廃れて行った男の哀れが滲む。「タワーリング・インフェルノ」以降、本作と「民衆の敵」「ハンター」の三作にしか出ていないマックイーン。Wikiには「カッコーの巣の上で」「遠すぎた橋」「未知との遭遇」「地獄の黙示録」などの主演オファーを断ったと書かれている。出演した作品と断った作品のを並べると、彼の心情が見える気がする。映画の魅力のひとつであるスペクタクル感を捨て、じっくりと「人」を演じようとした。稀代のアクションスターは、次のスタイルを確立する前に世を去った。 【アンドレ・タカシ】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2011-01-30 02:54:00) (良:1票) |
3.マックィーン作品で、西部劇、これを見逃す手はないはずなのですが、公開時に映画館に行くことはありませんでした。面白くなさそう、という匂いをを嗅ぎ取ったからでした。ずいぶん月日が経ってからDVDでの鑑賞となりましたが、直感は正しかったようです。史実をベースにしているにしても、エンターテインメントとして足りていない部分がたくさんあります。 【ジャッカルの目】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-01-30 02:29:10) |
2.《ネタバレ》 トム・ホーンがバリバリ活躍していた頃のエピソードが全く無く「彼がかの伝説の・・・」と説明だけで見せられても、何だかピンときませんでした。少しでも活躍してた頃の回想があれば良かったかなと思いました。それと下の方も仰ってますが、法というものに全く無縁の所にいた男が、濡れ衣で罰せられそうになった所のトム・ホーンの心理描写はもう少し丁寧に描いて欲しかったです。尺も短いし、これだと単に「やりすぎた殺し屋が逆らわずに命を落としただけ」って感じで心に残るものが薄いです。 マックイーンも確かにくたびれた感じは否めませんが、トム・ホーンという、バリバリやってた人間がその腕を見込まれて雇われるキャラクター設定と違和感が無かったので、むしろ平坦な展開(脚本)と演出面に問題があったのかな?と思いました。 |
1.トム・ホーンの仕事っぷりは確かにやりすぎでしたね。死んだ人間を何回も撃つのはちょっと... 【ケンジ】さん 5点(2004-06-11 01:13:58) |